大幅なプラス改定

東京駅八重洲口_2023年10月11日

 診療所を狙い撃ちにする財務省・財政制度等審議会に対して、日本医師会が猛反発し、激しい反論を繰り広げている。財務省は24年度予算編成に向けた「秋の建議」で、診療報酬本体(技術料)のマイナス改定が適当だと提言。診療所の単価は、初・再診料を中心に「5.5%程度」引き下げるべきと主張した。5.5%下げは、改定率換算で▲1%程度にあたり、医療費ベースで約4800億円の削減になる。【本根優】

 一方の日医はどんな主張を繰り広げているのか。「新型コロナウイルス感染症の特例的な影響を除いた場合、新型コロナ流行後の診療所の医業利益率は3.3%程度であり、引き下げの余地は全くない」と反論している。

 その上で、こう持論を展開している。

 「医療・介護分野の賃金上昇は、他産業に大きく後れをとっている。賃上げという岸田政権の重要政策を踏まえて、今年の春闘の平均値投げ率3.58%や人事院勧告の上昇分約3.3%との差を埋めるだけでなく、5%以上に上がると見込まれる来春の春闘に匹敵する対応が必要」

 ただ、日医が診療報酬の改定率としてどれくらいの上げ幅を必要としているか、具体的な数字までは示していない。

 それでも、日医が11月21日に都道府県医師会に示した資料にはこうある。これは、都道府県医師会が地元の国会議員らへの説明に使うことを想定して、日医が用意したものだ。

 「12年の自民党政権復帰以来の改定率を大幅に上回る改定をお願いします。なお、賃上げは高齢化の伸びのシーリングに制約された従来の改定に加え、診療報酬改定のなかにおいて別枠で行う必要があります」

 自民党の政権奪還後の本体改定率は、14年度0.73%増、16年度0.49%増、18年度0.55%増、20年度0.55%増、22年度0.43%増と推移している。

 こうした数字から、日医は「0%台を大幅に上回る改定(率)を」と主張していると解釈できる。

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