PICK UP

「医療資源というのは医師以外の人材」 日本医師会の今村副会長

今村聡委員(日本医師会副会長)_20190710中医協総会

 日本医師会副会長の今村聡氏は7月10日、次期改定に向けて「医療資源の少ない地域」の診療報酬などを議論した中医協総会で、「医療資源というのは医師以外の人材」との認識を示した上で、看護師や薬剤師らの偏在解消にも取り組む必要性を強調。「医師だけで医療ができるのかという話になるので、ぜひ厚生労働省全体として偏在対策を考えていただかなければいけない」と述べた。【新井裕充】

 今村氏の発言は以下のとおり。

[今村聡委員(日本医師会副会長)]
 (前略) ちょっとご質問なんですけど、これ、事務局に、90ページのですね、「医療資源の少ない地域」ということで、

 この定義が、先ほどご紹介いただいたように、人口10万人あたりの医師数、下位1/3、それから看護師数が1/2、病院の下位15%というような、こういう表現がありますけれども、

 現在、医師については、単に人口10万人に対して何人医師がいるかというような指標で見ることで本当にいいのかということで、

 医政局では、その、先ほど染谷委員がおっしゃったように、医師の年齢であるとか、性別であるとか、あるいは患者の受療行動、動態であるとか、患者の流出入であるとかっていうことを踏まえて、機械的ではありますけれども、偏在医師指標というものを示して下位1/3、中位1/3、上位1/3というのを出すことに、こうなっていると。

 こちらのほうですね、医政局はそういう形で医師の偏在を新たな指標で見ているのに、こちらはただ単に人口10万人あたりで多い少ないというような見方でいいのかどうか。

 先ほど総務省のデータ(人口段階別市区町村の変動)を見てもですね、今後、急激に地域の人口動態っていうのは、それぞれの地域において大きく変化していきますので、

 その人口のこととその他の医師の、先ほどもお話があった年齢であるとか、そういうものも加味した、その偏在指標というものを活用するというようなお考えはあるのかどうかっていうのを、ちょっと教えていただければと思います。
.
[田辺国昭会長(東大大学院法学政治学研究科教授)]
 では医療課長、お願いします。
.
[厚労省保険局医療課・森光敬子課長]
 あの、その点も含めてですね、次の診療報酬改定に向けて医療資源の少ない地域をどう考えるのかというところはご議論いただきたいというふうに思います。

 もちろん、医師だけではなく、他の医療資源も含めてですね、しっかりどういうふうにその地域を捉えるのかということは必要だろうと思っています。
.
[今村聡委員(日本医師会副会長)]
 ありがとうございます。

 (中略)

[松本吉郎委員(日本医師会常任理事)]
 118ページに「医療資源が少ない地域等における医療提供体制」、論点がございますけれども、

医療資源の少ない地域等における医療提供体制について【論点】
○ 医療資源の少ない地域への配慮として、平成30年度診療報酬改定においても、一部の報酬項目の緩和対象を拡大する等の対応を行ったところ。医療資源の少ない地域等における必要な医療の確保を図る観点から、今後、どのような対応が考えられるか。

 医療資源が少ない地域への診療報酬上の対応は、平成24年度改定で創設されたものです。

 さらに、それを28年度改定では、利用状況が極めて低調であることから、対象地域に関する要件を見直した経緯があります。

 今回示されたデータで、やはり低調なのは同様ですけれども、これがどこに原因があるのか。周知不足が原因なのか、それとも、やはり現行要件に何か問題があるのか、さらなる分析が必要であると考えておりますので、後ほど、事務局の意見を伺いたいと思います。

 (中略)

[今村聡委員(日本医師会副会長)]
 繰り返しになるかもしれないんですけども、医師の偏在ということはもう本当に医政局の中で、国、厚労省を挙げてだと思います。

 大きな問題になっていて、これ、実現がどこまで可能かどうかは分かりませんけれども、少なくとも偏在を改める医師が、ものすごく今、不足している地域については、

 そこは都道府県が医師確保計画をもって、二次医療圏の全体の偏在指標の中で下位3分の1に入っている所を徐々に、2036年までの間に5回の計画で、現在の上位の3分の1のところまでもっていくという計画があります。

 これがどこまで実現可能性があるかっていうことは、非常に都道府県に大きな負担をかける話ですし、

 ただ、その医師についても、大学の入学の枠の中で、「地域枠」という、いわゆる奨学金をきちんと貸与して、そしてその地域で医療を担っていただく。

 なおかつ、その働く先生についても、しっかりとしたキャリアを都道府県が計画をして、ちゃんと専門医も取れるような、そういった中での医師確保を行っていくと。

 こういうことになっているので、医師についてはですね、すぐにではないけれども、そういう方向性は一応出されていると。

 私が申し上げたいのは、じゃあ、先ほどもちょっとお話があった(医療資源の少ない地域の)「医療資源」というのは何ですかといったら、医師以外の方たちの人材。

 例えば、看護師さんの話もありましたけれども、これは保険局の話ではないと思いますけど、じゃあ、看護師さんの偏在対策ってどうするんですか。

 それは具体的には何も今のところないし、薬剤師さんに対してもそうだし、医師以外の者に対しては、その偏在対策というのは、具体的に何も計画されていない。

 じゃあ、医師だけで医療ができるのかという話に結局なるわけですから、そのへん、ぜひ厚生労働省、これ全体として、やっぱりそういう偏在対策というものを考えていただかなきゃいけないのかなというふうに思います。

 (後略)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 松本吉郎委員(日本医師会常任理事)_20190710中医協総会

    「かかりつけ医が地域包括ケアシステムのリーダー」 日本医師会の松本氏

  2. 今村聡委員(日本医師会副会長)_20190828_中医協総会

    遺伝子治療薬の事前報道、「インサイダー取引になりかねない」と日本医師会

  3. 材料の外国価格調整、「何らかの補正は考えてもよい」と日本医師会

最近の記事

  1. 田辺国昭会長(東大大学院法学政治学研究科教授)_20191018中医協
  2. 20191016_中医協・入院分科会
  3. 20191009保険医療材料専門部会
  4. 20191009薬価専門部会
  5. 日本医師会_20191009中医協総会
  6. 20191003_中医協入院分科会
  7. 20190927医療保険部会
PAGE TOP