改定の調査票、「前倒しすれば調整する時間もできた」と慶大の中村氏

改定の調査票、「前倒しすれば調整する時間もできた」と慶大の中村氏

 慶大大学院教授の中村洋氏は6月27日、診療報酬の調査に関する厚生労働省の会議で「各委員の意見を反映できなかった部分もある。もう少し前倒しすれば調整する時間もできた」と苦言を呈した上で、「次回からはスケジュールの調整をしていただきたい」と注文を付けた。【新井裕充】

 この会議は、中医協に参加している大学教授(公益委員)だけで構成する「診療報酬改定結果検証部会」。厚労省はこの日の同部会で、2018年度改定の影響を調べるための「調査票(案)」を示した。

 調査項目は、かかりつけ医や医療従事者の負担軽減など幅広い内容で、資料は200ページ以上。厚労省担当者は多くのページを飛ばしながら駆け足でポイントのみを説明したが、それでも15分近くかかった。資料を当日見た一般傍聴者は、質問項目の全てに目を通すのはほとんど不可能。説明中に居眠りする姿もあった。

 質疑での発言は中村氏のみ。反対意見はなく、調査票(案)はあっさり了承された。質疑の模様は、以下のとおり。

20190626_中医協検証部会

[松原由美部会長(早稲田大学人間科学学術院准教授)]
 はい、どうもありがとうございました。
 事務局からの説明につきまして、ご意見等ありましたら、どうぞ。
 はい、中村委員。

[中村洋委員(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)]
 質問ではないんですけれども、ちょっと意見を2つ。意見というか、お願いを2つしたいんですけれども、

 これは非常に重要な資料になりますので、ぜひ回収率の向上というところの、絶え間ない努力というところをお願いできたらなあというふうに思います。

 特に未回答、まだ回答されていない方々、あるいは施設の方への再度のお願い等をしていただくことによってですね、回収率の向上というのを図っていただければなあというふうに思います。

 それから2点目ですけれども、こちらのほうは、事前に質問票を頂いてですね、私のほうからもいくつか意見をお伝えしてですね、いろいろと反映していただきまして、どうもありがとうございます。

 また、ほかの各委員の先生からも恐らくいろんな意見を頂いたのかなあと思いますけども、もしかすると調整する時間もなく、なかなか反映できなかった部分もあるのかなあというふうに思ってますので、

 できればもう少し前倒しでですね、意見を頂ければ・・・、意見を頂くのをもう少し前倒ししていただければ、まだ調整する時間もできたのかなあというふうに思ってますので、そのあたりのスケジュール感のほうの調整を次回からはやっていただければなあというふうに思います。以上です。

[松原由美部会長(早稲田大学人間科学学術院准教授)]
 はい。回収率アップの取り組みと、スケジュールをもっと前倒しでというご意見、ありがとうございました。ほかに、ご質問、ご意見等、ございますか?

 ほかにご質問等もないようでしたら、本件につきましては、診療報酬改定結果検証部会として了承するということで、よろしいでしょうか。

 ありがとうございました。それでは、本件につきましては診療報酬改定結果検証部会として了承されたものとして、私から総会に報告することにしたいと思います。

 本日の議論はこのあたりにして、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。本日はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

[厚労省保険局保険医療企画調査室・樋口俊宏室長]
 ありがとうございました。
 そうしますと、会場の準備が整いましたら、続きまして保険医療材料専門部会を開催させていただきます。

 (後略)

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