「中医協で決める診療報酬改定が地域医療に与える影響は、医療機関の経営が危機的な状況においては、これまで以上に極めて大きくなっています。したがって、中医協の委員と事務局におかれましては、診療報酬改定の結果が地域医療に与える影響、特に悪影響については、その決定を行った者が責任を負うことを自覚すべきと考えます」──。長島公之委員(日本医師会常任理事)が退任の挨拶でこのように述べました。【新井裕充】
今回の中医協は2週間ぶり、総会のみの開催でした。
1.総会 (10:00~11:40)
議題は3項目。歯科と調剤について「その1」が示されました。
【議 題】
① 歯科医療について(その1)
② 調剤について(その1)
③ 費用対効果評価専門組織からの報告について
資料「歯科医療その1」は表紙を含めて75ページ。「調剤について(その1)」は53ページ。いずれも最終ページに論点が示されています。
【今回の内容】
① 「歯科医療その1」を踏まえ議論
② 「調剤について(その1)」を踏まえ議論
③ レブロジル皮下注の費用対効果評価案を承認
歯科の資料P2では、「次期診療報酬改定に向けた論点」として、在宅歯科医療、障害者歯科医療、へき地等歯科医療など7項目が挙げられていますが、最終ページ(P75)の「論点」では在宅歯科医療を除く6項目となっています。
資料説明の最後に、厚労省の担当者は「1つ目の障害者歯科医療および3つ目のへき地医療につきましては、次期改定に向けて具体的に論点をお示ししており、特にこの場でご異論が出なければ、この内容を基本として対応を進めていきたい」と述べました。
質疑では、最初に診療側の大杉和司委員(日本歯科医師会常務理事)が5分間ほど発言。今回は歯科がメインですので、もう少し長く話してもよかったように思います。論点に挙げられている障害者歯科医療に携わっている小松知子専門委員(神奈川歯科大教授)の発言は1分半程度にとどまりました。
支払側(健保連)は「保険診療で行う歯科矯正や顎変形症治療についても適切な運用が必要」と指摘したほか、歯周病について「安定期治療と重症化予防の違いが正直、患者にはわかりにくい」とし、「歯周病の管理については患者にもわかりやすい形に考え方を整理すべき」と述べました。その後、公益委員からも歯周病の管理に関して発言がありました。
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調剤の論点(P53)は2項目。「調剤技術料における評価」「薬学管理料における評価」を挙げ、「どのように考えるか」としています。
質疑では、こちらも最初に診療側の森昌平委員(日本薬剤師会副会長)が発言。10分を超えるだろうと予想していましたが、7分弱でした。調剤の議論ですから、もう少し強気で攻めてもよかったのではないでしょうか。
一方、支払側(健保連)の発言は10分近くに及びました。最後に森委員が反論しましたが、戦略の立て直しが必要かもしれません。
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議題③では、レブロジルの価格調整係数について患者代表の委員から質問がありました。
すべての議事を終え、長島委員が退任の挨拶。3期5年を振り返り、「特に印象に残っているのは医療DXの急速な進展」「患者が医療の主役となる環境が整備されたことは、30数年間の夢が実現できたということで、大変感激しております」と述べました。
そして最後に、「中医協の委員たるもの、冷静な頭と温かい心、広い視野と高い志を持ち続けていただきたいと願います。今後、中医協が外部からの制限を受けることなく、その本来の役割を十分に発揮し、国民の幸福を守っていくことを願います」と締めくくりました。






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