元中医協委員の鈴木邦彦氏は6月27日、かかりつけ医定額制の日経報道について「今後、中医協で改定について議論する可能性があるテーマなのか」と厚生労働省保険局医療課の木下栄作課長補佐に質問した。木下補佐が明確に否定すると鈴木氏は「火のない所に煙は・・・」と会場の笑いを誘った。【新井裕充】
日本慢性期医療協会(日慢協)は同日、通常総会を開催した。その中で、次期改定の実務をリードする木下補佐が「令和二年度診療報酬改定に向けた検討状況について」と題して記念講演をした。
講演後の質疑で、日慢協理事として出席した鈴木氏が日経報道の真偽を尋ねた。その模様は以下のとおり。
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「厚労省の中で、ああいう検討が進んでるということはない」
日慢協理事 鈴木邦彦氏(元中医協委員、茨城県医師会理事)
大変ありがとうございました。鈴木です。
あの、ちょっと今日の話とは違うんですが、数日前の日本経済新聞の1面トップに、「かかりつけ医を定額制に」というのがドーンと出ましたですが、
日経に出てきたんで、どういう背景で出てきた話なのかと、今後、中医協で改定について議論する可能性があるテーマなのかどうか教えていただきたい。
【2019/6/25 1:31 日本経済新聞電子版】
かかりつけ医を定額制に 過剰な診療抑制 厚労省検討厚生労働省は患者が自分のかかりつけ医を任意で登録する制度の検討を始めた。診察料を月単位の定額として過剰な医療の提供を抑えたり、かかりつけ医以外を受診する場合は負担を上乗せして大病院の利用を減らしたりする案を検討する。身近なかかりつけ医が効率的な治療や病気の早期発見にあたる仕組みを普及させ、医療費の伸びの抑制を狙う。(後略)
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厚労省 保険局医療課・木下栄作課長補佐
ご質問ありがとうございます。
昨日の中医協の中でも、2号(診療)側委員の委員の先生(松本吉郎・日本医師会常任理事)から、その記事に関して、「(事実関係は)どうなのだ」というご質問を頂きまして、私どもの課長、森光から、事実無根ですというご回答をさせていただいておりますので、
ああいうような議論、今後するのかというお問いかけに関しましては、そういうことはこれまでもないし、
厚労省の中で、ああいう検討が進んでるというようなことはないということは、森光(敬子・医療課長)のほうから否定させていただいてるというところでございます。
日慢協理事 鈴木邦彦氏(元中医協委員、茨城県医師会理事)
火のない所に煙は……。
(会場、笑い)
「今の段階におきましては、そういうことはない」
厚労省 保険局医療課・木下栄作課長補佐
(笑)
繰り返しでございますが、今の段階におきましては、そういうことはないというふうにご理解いただければというふうに思います。
(後略)