オンライン資格確認に関する改定案の議論

2022年8月10日の中医協総会

 マイナンバーカードを保険証として利用した場合の患者負担について厚生労働省は8月10日の中医協総会で見直し案の合意を得たが、患者を代表する立場の委員から「医療機関の負担軽減がされるのが非常に大きなメリットなのに、なぜ患者の負担が増えるのか理解しにくい」との声があった。【新井裕充】

 マイナンバーカードの保険証をめぐっては、通常の保険証を利用した場合よりも患者負担が重くなることが問題となっていた。今回の見直し案ではこれを逆転させ、通常の保険証を利用した場合を引き上げる。

 これにより、「マイナンバーカードの保険証を使ったほうが高くなる」との批判は回避できたかに見えるが、依然として追加の負担が発生することに変わりはない。また、マイナンバーカードの保険証に対応していない医療機関で通常の保険証を利用した場合には追加負担が発生しない。

 なぜ、このような内容で合意に至ったのか。見直し案の点数が具体的にわからない中での議論だった。支払側の委員から質問があったものの、厚労省の担当者は明確な回答を避けた。

 患者代表の委員は「マイナ保険証を持参しなければいけないわけではないのにペナルティ的にちょっと負担が増えるようなかたちになるのかな」と推測しつつ、「点数がちゃんと出ていないが」と踏み込めずにいた。

 そこで支払側の委員が「点数が下がるのか上がるのか」などと詰め寄ったが、厚労省の担当者は「点数を直接ご提案して、それについて議論いただくのは私ども事務局としてはちょっとためらう」と回答を控えた。

 これまで診療報酬改定の議論は、点数部分が黒丸になっている資料について意見を聴き、最終的にまとめる時に点数が公開される。その点数の多寡について意見を聴く場はあるものの、それは答申日なので修正意見が出ることはないのが慣例となっている。
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点数なし【総-8-2】体制の評価_2022年8月10日の中医協総会
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 厚労省は今回の審議でも、まず点数部分が黒丸になっている資料について意見を聴き、休憩をはさんでその日のうちに答申となった。2種類の資料があらかじめ用意されていたが、前半の議論では点数が入っていない資料が使われた。

〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 それでは、ただいまの説明につきまして、ご質問等ありましたら、よろしくお願いいたします。最初に長島委員、お願いいたします。
 
〇長島公之委員(日本医師会常任理事)
 はい、ありがとうございます。本日提出されました資料「総-8-1」の短冊資料につきましては、前回の審議を踏まえ、
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 1ページに「オンライン資格確認は、患者の医療情報を有効に活用して、安心・安全でより良い医療を提供していくための医療DXの基盤となる」との基本的考えが明記された上で、療養担当規則の改正案が提示されております。 
 
 前回も述べましたが、このシステムは今後の日本の医療全体にわたるプラットフォーム、医療DXの基盤になるものであり、これによって国民・患者の皆さまが受ける恩恵は非常に大きなものであると期待されます。
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 また、4ページ以降には、令和4年度診療報酬改定で新設した電子的保健医療情報活用加算を廃止した上で、新たに医療情報・システム基盤整備体制充実加算を創設する提案がなされております。
 
 これらは、6月に閣議決定された骨太方針に基づく対応であり、診療側として、いずれも賛成したいと考えております。
 
 その上で1点、事務局に質問があります。
 
 療養担当規則を改正して義務化がなされた場合、その意味するところが、仮に義務化に対応できなかった場合、療担違反ということで即座に何の弁明の機会もなく、保険医療機関の取消に至るような厳格な意味であれば、医療機関だけでなく、国民・患者さんの皆さまも含め、地域医療の現場に大混乱をきたすことになります。実際に、どのような対応を考えておられるのか、ご説明ください。
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 次に、資料「総-8-2」におきまして、電子的保健医療情報活用加算を廃止した上で、医療情報・システム基盤整備体制充実加算を新設し、診療情報を取得・活用する効果、例について、問診票の標準的項目を新たに定めるイメージが示されております。
 
 前回、報告があったヒアリング調査の結果にも記載されておりますようなマイナ保険証を利用する効果が確実にあると言えます。
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 医療機関では、初診において診療に必要とされる情報を患者さんから収集することが必須であり、診療科によってバリエーションはありますが、こういった情報収集が医療の質向上に資することは明らかであります。
 
 今回の機会を捉え、こういった標準的な情報収集が課され、医療の質を上げる取組を進めることにより、医療機関側から患者さんへ提供される医療の質を向上させていくことは重要と考えます。
 
 重複投薬を回避するなどの直接目に見える貢献にとどまらず、災害時の情報共有への仕組みへの貢献や患者さんの記憶だけに頼らない正確な医療情報の共有といった、直接は目に見えないものの、診断や処方などの質の向上に確実に、かつ間接的に貢献できる取組は診療報酬で評価するべきものと考えています。
 
 今後、オンライン資格確認等システムを基盤とした「全国医療情報プラットフォーム」で共有できる医療情報がさらに拡充し、それらも活用できるようになることで、さらに正確かつ的確に、そして効率的に患者さんの医療情報を得ることが可能となります。
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 「総-8-4」の7ページに、前回、中医協で示されたものから7日後の時点での導入状況が示されておりますが、この1週間でカードリーダー申込数が1,245施設も増加しておりますので、着実に進んでいると理解しております。
 
 さて、事務局へもう1点、質問いたします。医療機関側のIT関係につきましては、医療機関ごとの個別差が極めて大きく、大小さまざまなトラブルが発生することが予想されます。
 
 特に、これから申し込みされる医療機関はITに関する知識や経験に乏しいことが予想され、これまで以上にさまざまな課題が生じる可能性が高いと考えられます。
 
 実際に、オンライン資格確認等システムの導入を着実に広げていくためには、このようなことに対して、つぶさに対応していく必要があると考えますが、どのような対応を考えておられるのか、ご説明ください。私からは以上でございます。
 
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 長島委員、どうもありがとうございました。ただいま事務局にご質問がございましたが、あとでまとめて事務局から回答していただきたいと思います。それでは、続きまして松本委員、お願いいたします。
 
〇松本真人委員(健康保険組合連合会理事)
 はい、どうもありがとうございます。まず議論に入る前提として資料の「8-4」に5月の医療保険部会の資料ならびに骨太の方針が示されております。
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 その中の記載を確認いたしますと、
 
 「医療機関・薬局でのシステム導入が進み、患者によるマイナンバーカードの保険証利用が進むよう、関連する財政措置を見直す」
 
 「診療報酬上の加算の取扱については、中医協で検討」
 
 という記載になっております。
 
 ただ、今まで、今日、ご説明いただいた資料の中で、じゃあ、点数自身がどういう方向性になるのか、それについては一切説明がされておりません。
 
 国民・患者が不満を抱いている、懸念を持っている、そうしたものが点数にどういうかたちで反映されていくのか。その方向性についてはぜひご説明をいただきたいというのが1つ目の要望です。
 
 2つ目は、この財源についてはどのように考えていらっしゃるのか。先ほど、医療機関・薬局等への補助に関する増額については十分ご説明をいただきました。
 
 ただ一方で、今回の報酬の見直しによって医療費全体がどうなるのか、あるいは国民・患者の負担がどうなるのか、それについては今回の資料からは読み取ることができません。

 これについては重要な材料になりますので、先ほどの件と含めまして、ぜひご説明をいただきたいというふうに思います。
 
 それを、説明を承ったあとで、支払側でコメントを取りまとめておりますので、それについてお話をしたいと思いますので、まずその回答をお願いいたします。以上です。
 
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 ありがとうございました。松本委員からもご質問をいただいておりますが、一通り、ほかの委員の方々のご意見を頂戴してから事務局より回答していただきたいと思います。続きまして林委員、お願いいたします。
 
〇林正純委員(日本歯科医師会常務理事)
 はい、ありがとうございます。資料「総-8-1」の短冊につきましては、医療DXの基盤となるものであることや、患者の薬剤情報等の診療情報を活用して質の高い医療を提供する観点から、①および②の内容について了承したく思っております。
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 その上で、①および②、それぞれについて要望がございます。
 
 1つ目の「医療DXの基盤となるオンライン資格確認の導入の原則義務付け」についてでございますが、

 前回の中医協におきましてもコメントいたしましたが、歯科医療機関は小規模なところが多く、紙レセプトでの請求が認められている医療機関以外にもさまざまな事情により、オンライン資格確認システムの導入に支障が生じている、そういった医療機関もあると考えられますので、
 
 今後の導入状況なども見ていただき、こうした医療機関に対して、医療の現場で混乱が生じないよう必要な対応をとっていただくよう、重ねて強く要望いたしたく思っております。 

 2つ目の「オンライン資格確認等システムを通じた患者情報等の活用に係る評価の見直し」についてでございますが、
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 新たな加算の施設基準におきまして、オンライン資格確認の体制を有していることなどを保険医療機関の見やすい場所、およびホームページ等に掲示していることが求められておりますが、
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 多くの小規模歯科医療機関の実情も考慮いただき、掲示方法の工夫等につきましては、柔軟に対応いただきますよう、よろしくお願い申し上げたく思っております。歯科からは以上でございます。
 
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 ありがとうございました。続きまして有澤委員、お願いいたします。
 
〇有澤賢二委員(日本薬剤師会常務理事)
 はい、ありがとうございます。事務局におかれましては、これまでの議論をもとに資料の取りまとめをいただきました。ありがとうございます。
 
 資料「総-8-1」の「医療DXの基盤となるオンライン資格確認の導入の原則義務付け」と資料「総-8-2」の「医療DXを推進し、医療機関・薬局において診療情報を取得・活用し質の高い医療を実施する体制の評価」に提案されている対応案について賛成いたします。
 
 「医療DXの基盤となるオンライン資格確認の導入の原則義務付け」についてですが、前回も発言させていただいておりますが、取り残される医療機関・薬局が出てこないよう引き続き導入状況や稼働状況などを見つつ、

 課題が把握された場合には現場の医療機関・薬局が困らないよう、ひいては地域の医療提供体制に混乱をもたらさない丁寧な対応をお願いしたいと思います。
 
 「医療DXを推進し、医療機関・薬局において診療情報を取得・活用し質の高い医療を実施する体制の評価」についてですが、医療機関・薬局がオンライン資格確認の情報を活用することの効果などには十分にご理解いただいているところと思いますので、繰り返しの発言はいたしませんが、現場での活用が十分に進むよう尽力してまいりたいと思います。
 
 特に、オンライン資格確認に関する広報や周知は非常に重要と考えます。こちらのほうも引き続き、全ての関係者がですね、連携して図っていくべきものと考えます。私からは以上です。
 
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 どうもありがとうございました。佐保委員、安藤委員からお手が挙がっているんですけれども、この時点で、しばらくちょっと待っていただいて、
 
 先ほど、ご質問をいただいておりますので、それについてまず事務局より回答をしていただきたいと思いますので、しばらくお待ちください。じゃ、事務局、お願いいたします。
 
〇厚労省保険局医療課・眞鍋馨課長
 はい。医療課長でございます。まず長島委員から、療担に位置づけられる、それを違反している場合にはどのようなかたちになるのであろうかというふうなご質問が、いただいてございます。それにつきまして、まずお答えをさせていただきます。
 
 今回の、このオンライン資格確認の原則義務化でございますけれども、こちらに関しまして、それが遵守されてないというときには、最終的には保険医療機関等の指定取消となりうるような、そういう、療担規則において規定するということを想定してございます。
 
 一方で、この療担規則でございますけれども、保険医療機関等の責務を規定するものでございます。遵守されてないという状態になる場合には、まずはいきなりということはなく、当然、その地方厚生局の指導などが懇切丁寧に行われることとなるというふうに承知をしてございます。
 
 具体的には個別事案ごとに適宜判断ということになろうと思いますが、一般論で申し上げれば以上のとおりでございます。
 
 次に、松本委員から点数に関するイメージというか、方向に関するご説明をというご指摘と、それから財源に関するご質問でございました。
 
 まず点数に関する方向でございますけれども、「総-8-2」をご覧いただけますでしょうか。
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 「中医協 総-8-2」、1枚紙でございますけれども、今日補足のために用意した資料の中で、その下段、「初診時等における診療情報取得・活用体制の充実に係る評価の新設」の中で、青字で「(新)医療情報・システム基盤整備体制充実加算」とございます。
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 その中に1と2がありまして、1が施設基準を満たす医療機関で初診を行った場合に丸点。
 
 2 1であって、オンライン資格確認等により情報を取得等した場合 丸点というふうにございます。
 
 私ども、方向性というかイメージとしては、1の点数、2の点数を比べた場合に、1の点数よりも2の点数が低くなる、それによりまして患者さんの自己負担も安くなるというふうな、そういうイメージの点数を想定をしているところでございます。
 
 それから、財源に関するご質問でございました。
 
 まず、通常の診療報酬改定について若干恐縮でございますが、述べさせていただきますと、予算編成過程を通じて内閣が決定した改定率を所与の前提といたしまして、基本方針に基づいて中医協において具体的な診療報酬の設定等に係る審議を行うという、そういうプロセスを経ているものでございます。
 
 今回の見直しに当たりましては、8月3日、先週ですね、諮問させていただいたときに「経済財政運営と改革の基本方針」、いわゆる骨太の方針に基づいて行うよう、お願いをしているというふうなところでございます。
 
 いわゆる改定率については付していないということでございますので、令和4年度診療報酬改定の範囲内において答申いただく、要は制度設計するというものと考えているところでございます。
 
 残余の質問につきましては、医療介護連携政策課長よりお答えをさせていただきます。
 
〇厚労省保険局医療介護連携政策課・水谷忠由課長
 はい。医療介護連携政策課長でございます。長島委員のほうから、医療機関側のIT対応について、ご質問を頂戴いたしました。
 
 私どもとして社会保険診療報酬支払基金にコールセンターを設置をいたしまして、こうした個別の医療機関・薬局からの問い合わせに対応しておりますし、
 
 また、そうしたそのお問い合わせを踏まえまして順次、Q&Aなどを更新をしまして、わかりやすい配布資料なども作成に努めているところでございますので、引き続き、そうした対応を図ってまいりたいと思います。
 
 また、医療機関・薬局で実際に改修等の対応を行うシステム事業者、こちらのほうにつきましても私ども、システム事業者の推進協議会というところで、さまざまなかたちで協力をお願いしております。まさに医療機関・薬局への丁寧な対応、こうしたことについて、システム事業者のほうにも引き続き依頼をしてまいります。
 
 私どもとして医療機関・薬局、その実際に顔認証付きカードリーダーの申し込みから改修工事を行い、実際に導入していただく、さまざまなステージにあって、さまざまな課題を抱えている、そうした認識のもとに適切に対応してまいりたいというふうに考えてございます。以上です。
 
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 ありがとうございます。長島委員、松本委員、もし追加のコメントがありましたら後ほど伺いますので、よろしくお願いいたします。
 
 佐保委員、先ほどからお手を挙げていただいておりますので、コメントをお願いいたします。
 
〇佐保昌一委員(日本労働組合総連合会総合政策推進局長)
 はい、ありがとうございます。オンライン資格確認の導入の原則義務付けそのものにつきましては異論はございません。
 
 その上でですね、ただ、評価の見直しについては議論の拙速感が否めないという感じがします。医療機関等の導入状況が芳しくなく、マイナ保険証も普及してないというふうに思ってます。なぜ、この10月から診療報酬での対応を行うのか、正直疑問が残ります。
 
 また、先ほど事務局のほうからオンライン資格確認にマイナ保険証を使うことのメリットについてご説明いただきましたが、こういった点について費用を負担する国民・患者が理解、納得しているとは残念ながら言い難い現状にあるというふうに考えております。
 
 加えて、今回の評価の見直し案、点数までははっきりとわかりませんが、これが行われた場合、例外の医療機関がこういう状況、こういうことであれば、そのままにしておいたほうがいいということにならないのかどうかといった懸念点があるというのが正直な私の感覚です。以上です。
 
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 ありがとうございました。続きまして鈴木委員、お願いいたします。
 
〇鈴木順三委員(全日本海員組合組合長代行)
 はい、ありがとうございます。私のほうも意見をいくつか述べさせていただきたいと思います。今回のですね、オンラインの資格確認システム導入については当然賛成ですし、長い目で見たら絶対いいことだというふうに思っております。
 
 その中で、いくつかお話をさせていただきたいのは、まずはマイナンバーカードをですね、いわゆる義務化するということであって、その延長線でですね、先ほどご説明いただきました全国医療情報プラットフォームシステムの創設。じゃあ、この創設がいつが目標で、いつまでにどういうふうにするかというような、
 
 結局、患者側はマイナンバーを出さなきゃいけない。でも、医療側はどこまで充実するんだっていう期限が見えてないということ。
 
 それと、もう1つは先ほどお話あったように例外的にですね、レセプト請求の所はマイナンバーカードではないということは、でも、かかりつけ医が、そういったですね、レセプト請求の所であったら自分はマイナンバーカードの選択はできないというようなかたちになるということもちょっと矛盾してるかなというようなかたち。
 
 それと、今マスコミでいろんな話が出ている中で、マイナンバーを使ったら安くなりますよ、便利になりますよというのはわかります。
 
 ただ、医療費全体がですね、じゃあ実際どうなるのかということは、国民の中に広くですね、周知されてないというようなかたちもありますので今回、こういった進め方は理解はできるもののですね、じゃあ10月から施行というようなかたちはちょっと、やはり時期尚早かなということ。
 
 それで、最終的にこれだけ便利になって効率化になるんであれば、医療費全体はもっと安くなる、総額が少なくなるという方向性があるのかどうか、そういったこともですね、しっかり国民の中に周知をしてもらう、理解を求めるっていう手順が少し抜けているような感じがしますので、その辺をご配慮いただけないと、こういったかたちでは、ちょっと難しいのかなというのが私の意見です。以上です。
 
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 ありがとうございました。続きまして間宮委員、お願いいたします。
 
〇間宮清委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)
 はい、ありがとうございます。医療DX、進むことについてはですね、患者としても非常に期待をしているところなんですけども、今回の資格確認システムの関係の体制の加算については、ちょっと、やっぱり時期が早いんじゃないかなというふうに思うんですね。
 
 それはやっぱり、私も前に発言したと思いますけども、私が関わっている医療機関全部、まだ導入されてませんし、実際、普及がまだまだというところの中で、これをもう加算としてもう10月から始めるっていうのは、ちょっと、やっぱ早いなというふうな、に、思います。
 
 国民に対しての、その周知っていうのもまだまだ遅れている状態で、現行で、そのマイナンバーカードを持っていく、マイナ保険証持っていくと高く取られるのはどうしてだっていう不満が出ているわけですね。それも含めて、やはり、こういうふうに変えていきますよっていうことを周知するとともに、その環境の整備というのがきちんと整ってから、やるべきなんじゃないかなっていうふうに思います。
 
 医療DX、進んでいくことで、医療の質の向上っていうのは期待できるんですけども、今回の情報だけだとですね、まだまだやっぱり少ないと思うんですね。高齢の私の母なんかもですね、入院歴とか手術歴とか、その病歴とかっていうのはいつ、どういう病気にかかったとか、いつどういう手術を受けたとかっていうのって、もうほとんど正確な情報はわかんないんですよね。
 
 それを、そういうものっていうのは、今回の情報の中には入ってませんし、もっと言えば、やっぱり診療明細書とか、お薬手帳と連動するっていうことが期待されるんですけども、それもまだ連動しないというところなので。
 
 本当にこれで質の向上が期待できるのかなっていうところがちょっと、やっぱり、その納得できないところかなというふうに思います。
 
 やっぱり、そういうところも含めて将来像っていうのが示されていればいいんですけど、こうなりますよっていう将来像はね、ちゃんと示されていればいいと思うんですけども、それも具体的なものってのははっきりしたものってのは示されてないので、やっぱり不安ですし、不満につながっていくというような感じになると思うんすよね。
 
 そもそも、その、そういう中でですね、そもそも医療機関の負担軽減がされるのに、されるっていうのが非常に大きなメリットだということなのに、なんでこれ、患者の負担が増えるのかっていうのはやっぱり理解しにくいなというところがあります。
 
 さらに言えばですね、マイナ保険証を持参しないといけないというわけではないのに、ちょっとペナルティ的に負担が増えるようなかたちになるのかなと。ちょっと、点数、ちゃんと出てないですけども、ちょっと低くなるというようなことですから、ちょっと増えるということなんですから、その辺もちょっと、理解を得にくいんじゃないかなというふうに思っています。
 
 この先ですね、さらにもっと医療DXが進むと、さらにね、患者の負担が増えるというようなことも心配されるので、ここはもっと十分にね、議論を尽くしてから導入するということをやっていただきたいというふうに思います。以上です。
 
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 ありがとうございました。続きまして末松委員、お願いいたします。
 
〇末松則子委員(三重県鈴鹿市長)
 はい、ありがとうございます。オンライン資格確認の導入は医療DXを進める上でも国の重要な施策でありますため、基礎自治体としても国民健康保険者としてもマイナンバーカードの取得から保険証登録に至るまで、さらなる普及促進に取り組んでいる立場であることを踏まえ、意見をさせていただきたいと思います。
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 まず、オンライン資格確認の導入の原則義務付けにつきましては、マイナンバーカードの保険証利用とあわせ、「総-8-4」にあるメリットを国民・患者、医療機関、そして保険者が実感をし、医療DXの基盤を固めていく方策という観点で原則義務付けには異論はございません。
 
 ただし、将来的には保険証の廃止も含めた方針が示されておりまして、全国的に着実な導入を目指す観点からも、紙レセプト請求の例外を含めて適切な導入促進を図っていただきたいと考えております。
 
 次に、「オンライン資格確認等システムを通じた患者情報等の活用に係る評価の見直し」についてでございますが、医療の基盤整備は医療機関および患者を含めた国民相互の取組が必要であるのは言うまでもございませんが、オンライン資格確認システムの導入によって図られます医療の質の向上とは具体的にどういうことを指すのかが非常に伝わりにくいと受け止めております。
 
 市の国保では、医療を受ける前の健康維持の観点から、特定健康診査の受診向上に取り組んでおりますが、健診によって受ける恩恵をどのように伝え、行動変容につなげるかが重要であり、課題でもあると考えております。
 
 オンライン資格確認に係る国民・患者にとってのメリットについても、「質の高い医療」の一言で表現されるのではなく、患者の健診情報や薬剤情報が診療によってどのように使われ、それによって、どのように質の高い医療が提供されるのかをわかりやすく具体的に示すことで、その評価として患者の負担が発生するとしても国民の理解や納得を得られることにつながるのではないかと思います。
 
 なお、実際に医療の質の向上につながっているか、それを国民・患者が実感できているかの検証はぜひ実施をしていただき、適宜、情報共有をお願いをしたいと考えています。
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 また、導入義務化に向けましての医療機関等の負担につきましては、「総-8-3」に示されておりますとおり、補助金等の財政支援措置の充実をお願いをしたいと考えております。私から以上でございます。
 
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 ありがとうございました。それでは、続きまして安藤委員、お願いいたします。
 
〇安藤伸樹委員(全国健康保険協会理事長)
 はい、ありがとうございます。私のほうからは、今回の事務局がご提案いただいた案につきましては、10月からの実施につきましては、いったん凍結し、義務化が行われる来年4月からオンライン資格確認システムを活用した新たな診療報酬を設定したほうがよいのではないかというふうに思っております。
 
 その理由についてでございますが、私の考え方の基本は、オンライン資格確認システムが将来の日本の医療DXの基盤とするために全ての面から最適な施策であるのかということを考えております。
 
 まず1つ目の理由でございますが、ただいま事務局から新たな提案に関するご説明がありましたが、いまだに患者の方たちに対して納得していただけるだけの明確なその導入の根拠がいまだに見つからないというふうに思っております。
 
 医療機関へのオンライン資格確認システム導入が進まない中、マイナ保険証を持って病院に行ったときに、その診療報酬を余分に支払うだけのメリットを感じていらっしゃる患者がどれほどいるのかということがわからないからでございます。
 
 また、これらの医療DXのプラットフォームを運営するにあたり、どれだけの全体コストがかかっているのかも明らかではなく、患者がその中のどの部分を負担すればよいのかも明確ではありません。私はこの部分も明らかにするべきであるというふうに思っております。
 
 次に、今回のご提案は施設基準としての初診時の医療の質の向上に着目した新たな加算ということになっております。
 
 そうすると、この施設基準を満たした医療機関・薬局はオンライン資格確認システムを導入していれば、マイナカード、マイナンバーカードを持参した方も、そうでない方からも自動的にこの加算を取ることができるということになります。
 
 令和元年度のNDBデータによりますと、その年の外来初診料算定回数は、約2億4千万回でございました。加算が1点につき年間24億円を患者および保険者が負担することとなります。もちろん、この計算は義務化された後、全ての医療機関で導入された場合でございます。
 
 一方で、この加算で得た診療報酬がどのように何に活用されるのかということを患者に知らしめる必要があるというふうに思っております。
 
 医療機関等で導入される顔認証システム用機器費用、そして、それらの機器を年間を通じて正確に稼働させるための保守運用費などがあると思いますが、導入費用などは国からの補助があるのでそれほどかからないとは思いますので、主に保守費用になると思います。その場合、この金額が本当に妥当であるのかということの根拠を示していただく必要があるというふうに考えております。
 
 また一方、オンライン資格確認システムのサーバーを運用するため、その保守費用は全ての保険者が本格的な運用が開始された2021年3月から負担を開始しております。
 
 ご参考までに、私のところの協会が令和3年度に支払った総額が5億9,400万、加入者1人当たり月額1.22円でございました。令和4年度は1人当たりの単価が上がり1.31円となり、年間6億3,600万円の、支払う予定でございます。
 
 もちろん、これらの費用は加入者からの保険料で支払われておりますので、既に患者がシステムの運用に必要な経費の一部をご負担していただいているということになります。
 
 今後、このオンライン資格確認システムを基盤として活用し、さまざまな情報のやりとりができるようにしようと国は考えております。そのことにつきましては大賛成でございます。
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 前回の中医協総会資料の「総-3」の16ページで、診療側のオンライン資格確認を利用する効果として紹介されておりますが、医科・歯科・調剤の方たちが異口同音に事務処理が効率化された、手間が軽減された、返戻による事務負担が軽減したとのコメントがございました。これらは明らかに診療側の方たちのメリットでございます。
 
 しかし、そのメリットを提供してくれるシステムに対する対価を診療側が支払っているのかということに関しましては、私としては、知る限りにおいてはそうではないというふうに理解しております。
 
 このことを議論する場は中医協ではなく医療保険部会であるということも理解しておりますが、今回のオンライン資格確認導入義務化に伴う診療報酬上の対応について議論する上で大変重要な要素であるというふうに考えますので、あえて申し上げさせていただきました。
 
 以上のように、オンライン資格確認システムを活用した診療報酬について中医協で議論をするということになっておりますが、ここで単なるその報酬の多寡を論ずるだけでは駄目だというふうに思っております。
 
 なぜならば、日本の医療DXの基盤となる仕組みが国民に活用されるのか、されないのかを左右するほどの大きな影響を与える決断であるというふうに思うからでございます。
 
 日本の医療DXの基盤となるシステムであると国民に認めてもらうためには、患者が実際にマイナ保険証を持参し、新たな診療を体験し、そのメリットを体感してもらうことが非常に重要であるというふうに思います。
 
 そのためには、仮に10月からこの新体系の診療報酬を適用するのであれば、患者が無駄足にならずに、その診療を受けられるようにするため、厚労省のホームページに日本全国各地域別の運用開始施設名一覧を掲載してほしいです。その場合、情報のアップデートはできれば1週間に1回のペースで更新していただきたいと思っております。
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 またその際に、各医療機関・薬局別の導入状況、ならびに前週からどのぐらいの導入状況の変化があったのかということが見えるように、前回総会の資料3の6ページにあるような一覧表を付けてほしいと思っております。
 
 そうすることによって関係者全員が一丸となって導入促進に対して動きが見えるっていうかたちになってくるというふうに思います。私からは以上です。
 
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 安藤委員、ありがとうございました。ただいま松本委員、池端委員、眞田委員からお手が挙がっておりますけれども、眞田委員が先ほどからお手を挙げていただいておりますので、最初に眞田委員からご意見を頂戴して、そのあと松本委員、池端委員という順番でご発言をお願いいたします。それでは、まず眞田委員、お願いいたします。
 
〇眞田享委員(経団連社会保障委員会医療・介護改革部会長代理)
 はい、ありがとうございます。もう既に1号側委員の方から多くの意見が発言をされておりますけれども、私もその内容について全く同意でございまして支持するものであります。
 
 ここであえて申し上げたいのは、医療DXというのは国全体で進めていくということが重要であろうというふうに考えております。
 
 その意味でも、オンライン資格確認については、例外はやむを得ない場合として最小限にとどめて、原則義務化を進めていくということが極めて重要であるというふうに考えております。
 
 また、医療DXを国全体で進めていくためにも、国民・患者の理解が進むかたちで検討を進めていくということが極めて重要であるということをあえて重ねて申し上げたいというふうに思います。以上でございます。
 
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 ありがとうございました。それでは松本委員、お願いいたします。
 
〇松本真人委員(健康保険組合連合会理事)
 はい。まず先ほど事務局のほうからご回答いただいた件につきまして、まずコメントを述べたいと思います。
 
 報酬についてですね、ご説明がありましたけども、これは財政中立というかたちで、ご理解させていただきます。
 
 もう1つ。先ほど、新しい加算内の多寡についてはご説明がありましたけども、じゃあ、現在運用中の活用加算の点数と今回の点数については、点数が、例えばマイナ保険証を利用するのと同じ場合について、下がるのか上がるのかについては下がるという理解でよろしいんでしょうか?
 
 その確認をした上で、今、支払側から多くの懸念、あるいは不安に思っている点、疑問点を呈しましたけども、支払側の意見をまとめたかたちで発表したいと思いますので、その回答を速やかにお願いしたいと思います。
 
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 はい。それでは、今、松本委員からいただいたご質問について。
 
 どうします?
 
 はい、すいません、失礼いたしました。今、松本委員からご質問いただいたんですけども、その回答を事務局からしていただく前に池端委員に意見をいただいたあと、ということでお願いいたします。
 
〇池端幸彦委員(日本慢性期医療協会副会長)
 はい、ありがとうございます。では、私は皆さんのご意見を踏まえた上で少し私なりの意見を言わせていただきたいと思います。まず冒頭で長島委員がおっしゃったことについては私も同感でありますので、全て賛成させていただきます。
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 その上で、少しお話をさせていただきたいのは、まず、資料「8-4」の4ページですね。今ほど1号側、2号側それぞれが、公益側も含めてオンライン資格確認のメリットは何かという、ここに患者側、医療機関・薬局側、保険者側、そして行政側等々、それぞれメリットがあるということ。
 
 ただ、患者代表の方々もおっしゃったように、なかなかそのメリットを感じないということについては、実は医療機関でも同じことなんです。まだまだ、やってみるとメリットを感じるという意見もありますが、全体的にはなぜそれをしなきゃいけない、どういうメリットがあるのってことは実は医療機関側もまだそれを十分感じていない。じゃ、なぜかというと、この医療DXの基盤であるということ、このオンライン資格確認を進めることが基盤であるってことは多くの委員が賛成されたことだと思いますし、この一丁目一番地のこの基盤整備、ここの普及率が全てだと思います。普及率が少なくとも8割、9割上がっていくことによって、それぞれの患者側も医療機関側も保険者側も大きくメリットを感じ、そして、その先に、さらにいろんなデータがそこに入れ込むことによって、さらにその、広がっていくということだと思います。
 
 まず現時点では、いかに基盤を、オンライン資格確認の普及率を上げるかっていうことが非常に大事な命題、それは待ったなしではないでしょうか。半年遅らせることがどれだけの、それ、メリットがあるんでしょうか。私は非常に疑問に感じます。
 
 どっちが先か、鶏が先か卵が先か、ではなくて、両方とも同時に患者さんの普及も医療機関側の普及も同時にやる体制が必要である。その中で、いろんな補助金の見直しとか診療報酬の見直しとかが今回、行われているんではないかと思います。
. 

. 
 そういう意味で感じるところ、まず資料「総-8-3」にありますように、ここにありますように、まず補助金に対して大きく見直していただいた。特に病院代表としては、病院がやっぱりどうしても持ち出しが多いってことが統計的に出ていましたので、そこをきちんと把握していただいて上限を上げていただいたことに対しては感謝申し上げたいと思います。特に中小病院は非常にここで困っているところがありますので、一定の普及に非常に貢献していくのではないかということで感謝申し上げたいと思います。
 
 そして、なおかつ、じゃあ診療報酬でどうやってやっていくか。先ほど眞鍋課長からもありましたように、これまでと変わって整備体制充実加算というかたちになって、まずは普及率を上げるために整備体制をつくる。そのための加算だけども、患者さんにとっても利用することによってメリット、じゃあ少しでも点数が下がる、負担が減るということのメリットをまず感じていただこうという立て付けではないかと思いますんで、それでも、それに対しても診療側としても賛成したいと思っています。
 
 その上で、先ほど長島委員もおっしゃったように、ここに療担規則に入れるってことに対しては、反対するものではありませんけども、繰り返しますが、前回の総会で申しましたように療担規則っていうのは医療機関にとっては相当重い法律です。法律違反は即、営業停止になるということを考えなきゃいけないことになりますので、その辺には慎重な上にも慎重な対応をしていただきたいと思います。
 
 一方で、その例外規定がどうこうって話がありましたけど、例外に関しても、今、本当に診療所も1人診療所が非常に高齢化しています。その方々が紙レセプトしかないところに、いきなりそれを全て、そこを普及しろというのは非常に難しいことがあるので、まずここを外すということに対しては、もうこれはご理解いただきたいと思いますし、それがやがてどんどん普及率が上がってくれば、そこにまた、さらにその方々にも普及していただく、いろんな方策が見えてくると思いますので、そういう意味で、ご理解いただければと思います。
 
 やはり、私はこういう新しいことを、この基盤になる、まずこれが基盤で、こっからDXを進めていくので、この基盤は1日でも早く普及する、そのために診療側も患者側も保険者側も行政側も少し皆さん痛み分けして、ちょっと我慢して、メリットはあまり感じないかもしれないけど我慢して普及してこう。そのためには、もう一刻も争うものではないということで、この10月から始めることに対しては、私は賛成したいと思います。そして、まず始めることです。
 
 そして続けること。続けることによって、それがどんどん普及して、一定の線、例えば5割を超したら一気に進みます。全ていろんなことが大きく普及させよう、100%普及を目指すときに、5割という線を超えれば一気に増えていくことはよく経験することなので、まずそこまでもっていくことをみんなで頑張っていきたい。そんな気がしていますので、そういうことを意見として言わせていただきます。よろしくお願いします。ありがとうございました。
 
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 ありがとうございました。それでは、松本委員から先ほど、ご質問をいただいておりますので、それについて事務局より回答をお願いいたします。
 
〇厚労省保険局医療課・眞鍋馨課長
 はい。医療課長でございます。今回のご提案させていただく加算に関する、点数の多寡に関するお尋ねでございました。
 
 一方で、大変心苦しい答えになってしまうんですけれども、この短冊の議論の場では、構造についてご議論をいただくというふうな場というふうに承知をしておりまして、点数直接をですね、ご提案申し上げて、そこについてご議論いただくのは、やや私としては私ども事務局としてはちょっと、ためらうところがございます。
. 

. 
 もう少し言葉を足させていただきますと、先ほど「8-2」でご説明したように、マイナ保険証を利用した場合は、その情報の取得の効率性を考慮した評価を新設することでございますので、初診でこの体制を取った、そして、また患者さんにこういった丁寧な問診を行い、そしてまた、必要に応じて説明を行った場合の点数があり、それからオンライン資格確認等で情報を確認した場合には、その効率性を考慮して、それよりは控除した点数というふうにご説明したものでございます。
 
 ただ一方で、「財政中立」というお言葉を松本委員のほうから言っていただきました。そういうことから考えますと、そういう財政収支の中での点数設定になるということで、ご想像いただくのかなというふうに思っているところでございます。
 
 それから、さまざま、ご指摘をいただきまして、ありがとうございました。この医療DXの効果でございますけれども、患者さんや国民、そしてまた医療機関、そしてまた保険者それぞれに効率化や情報の共有化によるメリットはあるんだろうというふうに思っているところでございます。
 
 それを今年の骨太の中でですね、急にというふうには申し上げませんけれども、原則義務化ということが、オンライン資格確認は原則義務化ということが決定をされたわけでございます。こういったチャンスをとらまえましてですね、できることは全てやらなければいけないというふうに私ども思っております。
 
 その中で、確かに私ども、普及率につきまして、なかなかはかばかしくないというご指摘をいただいたところでございます。それから、マイナンバーカードの普及についてもそうだろうというふうにご指摘いただくだろうと思ってございますけれども、これは私ども、これをいかに医療の場でですね、周知をしていくかって非常に大事だと思ってございます。
 
 私どもも、あらゆるツールを使ってですね、努力をしていかなければいけないだろうというふうに思ってございますし、今回の加算についても非常に丁寧にですね、かつ迅速に十分な資料をご用意させていただいて活用していただくような環境を整えなければならないだろうというふうに思っております。
 
 まさに何人かの先生方からご指摘いただいたように、全員が一丸となって、あるいは国全体でというふうなものだというふうに思っております。
 
 この、何でしょうか、そのIT化の効果に関しましては鶏・卵のようなところもございまして、私どもとしてはここでもですね、来年4月を目指して一歩でも進めたいというふうなことで、現在の提案では今年の10月からの改定というか、新しい点数の適用というふうにご提案をさせていただいているところでございます。
 
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 ありがとうございました。松本委員、いかがでしょうか。
 
〇松本真人委員(健康保険組合連合会理事)
 はい。今、課長からコメントいただきましたけども、そういったことを踏まえましてですね、先ほど来、1号側の委員から、言葉はたがえどもいろんなかたちの不安、疑問、そういうのを、抱いてることについては十分ご意見をいただいたというふうに思います。
 
 そうしたかたちで1号側としてはですね、総意というかたちで改めてちょっと見解を申し上げたいというふうに思います。
 
 まず、今回の厚生労働大臣からの諮問については、もともとが骨太の方針2022に基づき答申することというふうにされております。
 
 支払側は各委員も申し上げておりますけども、国の医療DX推進には賛成いたします。それを前提に、これから見解を申し上げます。
 
 まず1つ目は、オンライン資格確認の導入の原則義務付けでございます。骨太の方針2022においては、オンライン資格について、保険医療機関・薬局に2023年4月から導入を原則として義務付けるとされており、紙レセプトによる請求以外の医療機関・薬局に対し、オンライン資格確認を令和5年4月から義務付けるため、療養担当規則等の改定案については賛成いたします。
 
 ただし、義務化の対象となる医療機関・薬局について、先ほど来、2号側委員から多数意見が出ておりますけども、現状追認のような対応については反対いたします。やむを得ない事由がある場合でも、その対象となる条件ならびに期間を明確に示すべきであります。
 
 また、紙レセプトを現在使っております医療機関・薬局についても、将来的にはオンライン請求へ着実に移行するための取組が不可欠であります。
 
 2つ目が、「オンライン資格確認等システムを通じた患者情報等の活用に係る評価の見直し」であります。
 
 骨太の方針2022において、導入が進み、患者によるマイナンバーカードの保険証利用が進むように関連する財政支援等の措置を見直すとされております。
 
 現行の電子的保健医療情報活用加算について、国民・患者の負担に関する理解が残念ながら得られず、政府が見直しを決定したことを踏まえれば、診療報酬上の加算の取扱いについては、国民・患者から真に理解が得られ、マイナンバーカードの保険証利用が促進されることに重点を置くべきであります。
 
 そうした観点で、現在適用されている電子的保健医療情報活用加算をいったん凍結することを含め、今後の診療報酬の取扱いについては令和4年10月施行を前提とせず、国民・患者の声を聞き、丁寧に議論すべきです。
 
 しかしながら、今回提案されている医療情報・システム基盤整備体制充実加算は、次の理由で国民・患者の視点が欠如しており、到底容認できるものではありません。
 
 1つ。オンライン資格確認を導入した医療機関・薬局が初診の患者に一律算定できる仕組みであり、患者の同意そのものは要件とされておりません。
 
 オンライン資格確認の導入が原則、医療機関・薬局の義務化になれば、事実上の初診料の引上げに相当するような重大な案件であることから、まずは国民・患者の声を広く聞き、もっと時間をかけて議論、審議すべきです。
 
 1つ。マイナ保険証が普及し、医療DXが推進されるには、オンライン資格確認による薬剤情報、特定健診情報等の活用によるメリットを患者が実感できることが重要であります。
 
 マイナ保険証の活用によって、どのように診療の質が向上するのか。国民・患者の行為をもとに実態を調査・検証する必要がございます。
 
 1つ。マイナ保険証ではなく、通常の保険証で受診する場合、問診票で薬剤情報等を確認することになりますが、薬剤情報等の確認は、以前から療養担当規則で定められている基本的事項です。
 
 さらに、問診票に記入するのは患者自身であることを踏まえれば、診療報酬として新たに評価する合理性に欠けます。マイナ保険証が国民の任意であるにもかかわらず、国民の意見を聴取せずに通常の保険証で受診する場合にペナルティかのように患者の負担を上げることについては国民・患者に理解されるのか、いささか疑問であります。
 
 1つ。オンライン資格確認の導入が進んでいない状況においては、未導入の医療機関・薬局を選択した場合に、国民・患者負担が最も低くなるという矛盾にも留意すべきであります。こうしたことに対して国民・患者にどう答えるのか、中医協として示すべきであると考えます。以上です。
 
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 ありがとうございました。それでは島委員、お手が挙がってますので、お願いいたします。
 
〇島弘志委員(日本病院会副会長)
 はい、ありがとうございます。いろいろな意見が出ておりますが、基本的には医療DXの推進といったことに関しましては、今後の日本の医療を考える上でどんどん推し進めていくべき内容だろうというふうに理解しております。
 
 特に、オンライン資格確認というものがきちんと導入されれば、いろいろ資料で提示されておりますように、医療機関に関しましても、患者さんにとってもメリットが出てくるということは十分考えられます。
 
 ただ、今の現状で普及が十分進んでいないといったところに関しましては、これは医療機関、それから歯科も含めてですが、薬局もきちんと設置の努力をしていくべきだろうと思っておりますので、そういう普及に向ける努力は当然やっていきたいというふうに考えております。
 
 それから、マイナンバーカードとセットになっておりますが、基本的にはこのマイナンバーカードは日本国民全員が持つというのがもう、もともとの発想なんでしょうか。そこをちょっと確認しておきたいと思います。
 
 例えば、生まれたばかりの赤ちゃんでも、病気になって医療施設にかかるというようなことがあり得るわけですから、そういったときでも全ての国民がマイナンバーカードを持っているということが条件になっているんでしょうか。
 
 それから、実際には今回、顔認証付きカードリーダーのところの設置に関しましても、この、これは無償で3台まではっていうことは変わりませんが、実際、これがですね、有効に活用されるためには電子カルテとの接続が非常に重要になってまいります。これがなされていなければ、ただ本人確認の機械だという話になってしまいますので、そういったことで、これがいろいろ設置したあとに、そこの接続にかなり費用がかかる。
 
 それから、鈴木委員もおっしゃってましたけども、そういったところのランニングコストのことを考えればですね、当然こういうふうな費用が必要になってくるというのはもう自明の理だろうと思います。それが本当に適切に今回の示されているような新しい制度でまかなえるのかどうかと。
 
 実際には、医療機関としては非常にそこのところでの支出が多いというような、その考えがあって、なかなか設置が進まないっていうのもありますので、今回の義務化に向けてはそういったことも含めてですね、検討した上で設置をどんどん進めていこうというふうには思っております。以上です。
 
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 ありがとうございました。今、島委員からご質問を1ついただいておるんですけど、あとで事務局よりまとめてご回答いたします。長島委員、お手が挙がってますので、よろしくお願いいたします。
 
〇長島公之委員(日本医師会常任理事)
 はい。ただいま、支払側からいくつかご意見がございましたので、診療側として意見を述べさせていただきたいと思います。
 
 まず、やむを得ない場合についての対応についてでございます。今回のご提案は、現在、紙レセプトでの請求が認められている医療機関のみを例外とするものですが、それ以外の場合につきましても、来年4月に向けて導入することに憂いが残る部分があるのではないかと考えております。
 
 もちろん医療機関に対しても全力で導入を加速化させなければ、令和5年4月の義務化施行に間に合わないため、意識を変える必要があります。
 
 しかし一方、例えば離島・へき地であったり、都心でも建物の構造によっては光回線が普及していないといったことがありますし、あるいは医療機関がベンダーと契約したにもかかわらず、結果的にベンダーの対応が遅れてしまった場合など、医療機関の責任とは言えない、やむを得ない事情により、来年4月に間に合わない事態が生じてしまう懸念というものがどうしても払拭できないということについては前回も申し上げたとおりです。
 
 これにつきましては、今後の導入状況を把握し、その結果によっては、必要な対応を講ずることがありうると。このことを中医協において共有していただくことが必要であると、大変重要な点でございますので、改めて申し上げます。
 
 次に、国民・患者の皆さまへの周知が大変重要であるということは、まさしくそのとおりと思います。医療DXの基盤となるオンライン資格確認のシステムについて、その意義、メリット、効果について、国民・患者の皆さまはもとより医療現場の方々にも丁寧にしっかりと周知していく必要がございます。
 
 診療側も推進協議会を核として、これから、この周知について加速して、しっかり取り組んでまいりますが、関係者全員が一丸となって、この周知、理解を深めるということが大変重要であろうと思います。
 
 一方、加算見直しの時期についてでございます。今回の加算の見直しにつきましては、令和5年4月からのオンライン資格確認等システムの原則義務化を踏まえ、講ずるものであります。先ほど述べましたとおり、令和5年4月に向けギアを入れ替え、一気に導入を進めていく必要があり、紙レセプトで請求している医療機関以外の医療機関では一刻も早く取組を始めていただく必要があります。
 
 また、患者さんによるマイナ保険証の利用が進むようにするという骨太方針における方向性も十分反映する必要があると考えます。その観点から、今回、原則義務化を契機として、令和4年10月より点数を見直すということについては当然のことであり、中医協としても不退転の決意で、この取組を進めていくということではないかと考えます。
 
 次に、問診票に関する評価についてです。先ほども申し上げましたが、医療機関では初診において診療に必要とされる情報を患者さんから収集することが必須であり、診療科によるバリエーションはありますものの、こういった情報収集が医療の質向上に資することは明らかであります。
 
 こういった標準的な情報収集が課されることによって、重複投薬の回避といった直接目に見える貢献にとどまらず、災害時の情報共有の仕組みへの貢献、医療情報の共有といった、正確に、そして確実に間接的に貢献できる取組は診療報酬上での評価に十分値するものと考えております。
 
 最後に、このような取組の効果の検証・評価についてでございますが、従来より、診療報酬改定において新たに設定された点数等につきましては、検証調査や各分科会が実施する調査なども踏まえ、次期改定において議論することになっております。
 
 したがいまして、今回の加算につきましても当然当てはまるものであり、これまでどおり中医協において議論されてきましたとおり、今後、エビデンスに基づいて進めていくべきものと考えております。私からは以上です。
 
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 はい、ありがとうございました。はい。それでは、松本委員からお手が挙がってますので、松本委員、ご発言をお願いいたします。
 
〇松本真人委員(健康保険組合連合会理事)
 はい。先ほど私どもからの総意といったかたちでご発言をいたしまして、2号側のたぶん代表かと思いますが、長島委員のほうから非常に力強い発言とともにですね、不退転で取り組むという決意については同意するものであります。
 
 ただ、いくつか懸念材料がございまして、先ほど、例外義務化のところで、医療機関に責を負わないものについてはというご発言がありましたけども、医療機関のこれまでの対応が、例えば申込時期が遅かったにもかかわらずベンダーが対応できなかったというものなんかは、そういうものには少なくとも該当しないというふうに考えておりますので、真にやむを得ないというものがどういうものかについては十分に今後、議論させていただきたいというふうに思います。
 
 特に、これまでこうした方針がずっと謳われたにもかかわらず、導入が進んでこなかったという事実を2号側の委員の方は重く受け止めていただきたいというのが私のメッセージです。以上です。
 
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 ありがとうございました。はい、長島委員、お手が挙がっていますので、お願いいたします。
 
〇長島公之委員(日本医師会常任理事) 
 今、ご指摘がありましたけれども、やはり、やむを得ない事情というものがどういうものであるかということは、そこをきちんと確認、評価することで、ほかの医療機関で導入する際の大変有用な材料にもなるかと思いますので、きちんと、そのやむを得ない事情というのを確認し、次の医療機関の普及につなげるという意味で有意義に役立つものですので、推進協議会等においてもしっかりと活用させていただきたいと思っております。以上です。
 
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 ありがとうございました。先ほど島委員からマイナンバーについてご質問がございましたので、事務局より回答をお願いいたします。
 
〇厚労省保険局医療介護連携政策課・水谷忠由課長
 はい。医療介護連携政策課長でございます。島委員からマイナンバーカードの取得についてお尋ねをいただきました。マイナンバーカードの取得自体はあくまで任意ということでございますが、政府といたしまして令和4年度末、2022年度末までにマイナンバーカードがほぼ全国民に行き渡ることを目指す。
 
 こうした目標に沿いまして、総務省を中心となって取組を進めているところでございます。
 
 先ほど末松委員のほうから、自治体においてそうしたマイナンバーカードの普及に努めていただいている取組についてもご紹介をいただきました。私どもとして、自治体にもご協力をいただきながら、こうした取組を進めているところでございます。以上です。
 
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 はい、ありがとうございました。本件の医療DXについては委員の方々から非常に貴重なご意見を多数頂戴いたしました。これまでいただいたご意見を踏まえて、附帯意見案を作成いたしまして、このあと、「答申附帯意見案について」を追加議題といたしまして、さらに意見が調整できるかご議論をいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
 
 よろしいでしょうか。それでは、ここでいったん休憩といたします。休憩中に、事務局は附帯意見案を作成して委員の方々に配布していただきます。
 
 その上で、1号側委員、2号側委員の皆さまは、それぞれ分かれてお話し合いをお願いいたします。
 
 その後、会議を再開いたしまして、「答申附帯意見案について」を議題として議論をしていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。それでは、休憩に入ります。お願いいたします。

 <休憩 10:48~11:13>

〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 はい、それでは再開いたします。よろしいでしょうか。先ほど、医療DXに関して、いろいろご意見を頂戴いたしました。さらに意見調整ができるかどうか、事務局より答申附帯意見案を出していただきましたので、これを議題といたします。
 
 事務局より、追加資料として答申附帯意見案が提出されておりますので、その説明をお願いいたします。
 
〇厚労省保険局医療課・眞鍋馨課長
 はい。医療課長でございます。それでは、答申の附帯意見案について、ご説明をさせていただきます。追加で送らせていただきました資料「総-9」をご覧いただけますでしょうか。
.

. 
 ご議論いただいておりました医療DXにつきまして、小塩会長のご指示、また委員の皆さまからのご意見等を踏まえまして、答申書附帯意見の素案を作成させていただきました。
 
 3つございますので、簡潔にご説明をさせていただきます。
 
 1つ目であります。
. 

. 
 関係者それぞれが令和5年4月からのオンライン資格確認の導入の原則義務化に向けて取組を加速させること。
 
 その上で、令和4年末頃の導入の状況について点検を行い、地域医療に支障を生じる等、やむを得ない場合の必要な対応について、その期限も含め、検討を行うこと。

 2つ目。
. 

. 
 今回新設された医療情報・システム基盤整備体制充実加算に関し、その評価の在り方について、算定状況や導入状況も踏まえつつ、患者・国民の声をよく聴き、取得した医療情報の活用による医療の質の向上の状況について調査・検証を行うとともに、課題が把握された場合には速やかに対応を検討すること。
 
 3つ目。
. 

. 
 オンライン資格確認を医療DXの基盤として、今後、患者の同意の下でいかすことができる患者の健康・医療情報が拡大し、さらに安心・安全でより良い医療が受けられる環境が整備されていくということが、患者・国民に広く浸透するよう、関係者が連携して周知を図っていくこと。
 
 以上でございます。

〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 はい、ありがとうございました。それでは、ただいま説明のあった件につきまして、ご意見等がございましたら、よろしくお願いいたします。長島委員、お願いいたします。
 
〇長島公之委員(日本医師会常任理事)
 はい、ありがとうございます。附帯意見について、3項目の案が示されておりますが、いずれも適切なものであり、了承いたします。
 
 特に、オンライン資格確認の導入義務化に伴って加速化していく中で、現場でさまざまな課題が生じてくることが予想されます。
 
 日々の地域医療の継続において支障が生じないような配慮が盛り込まれたことを感謝するとともに、診療側全体として、これを機に、この取組をこれまで以上に加速していきたいと思います。私からは以上です。
 
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 ありがとうございました。続きまして松本委員、お願いいたします。
 
〇松本真人委員(健康保険組合連合会理事)
 はい、ありがとうございます。ご提示いただきました附帯意見案の3項目について、2つの確認、質問と1つ要望がございます。
. 

. 
 まず1つ目のオンライン資格確認の導入につきまして、附帯意見の1番の所に「やむを得ない場合の必要な対応について、その期限も含め、検討を行う」という記載がございますが、「やむを得ない場合」の範囲や対応の期限については中医協において改めて検討するということでよろしいか、確認させていただきたいと思います。
. 

. 
 次に、2点目の加算について、医療情報・システム基盤整備体制充実加算の新設を前提とした書きぶりとなっておりますが、了承したわけではないことを前提に発言させていただきます。
 
 われわれ支払側は、診療報酬の加算については国民・患者の理解が不可欠だということをずっと述べてきております。
 
 附帯意見案には、「課題が把握された場合には速やかに対応を検討する」ということが書かれておりますが、中医協で行う検証調査だけではなく、あらゆる機会を通じて、国民・患者の声を受け止め、中医協として対応を検討することでいいのか、確認させていただきたいと思います。
. 

. 
 最後に、オンライン資格確認を医療DXの基盤として国民・患者へ周知することは診療報酬の取扱いがどのようになろうとも必要なことであります。国として、医療DX、オンライン資格確認を推進するのであれば、関係者が共通の認識を持てるよう、その周知につきましては、国の責任において広報ツールを作成し、提供をいただきたいと。これは要望でございます。以上です。
 
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 ありがとうございました。松本委員から、事務局に対してご質問をいただいております。回答をお願いいたします。
 
〇厚労省保険局医療介護連携政策課・水谷忠由課長
 はい。医療介護連携政策課長でございます。1点目。やむを得ない場合の必要な対応について中医協で改めて検討するのかということで、ご質問を頂戴いたしました。
 
 今回、原則義務化、その対象、それから例外ということにつきまして、保険医療機関および保険医療養担当規則、いわゆる療養担当規則の改正というかたちで短冊を示してご議論をいただいてございます。
 
 やむを得ない場合の必要な対応ということが、まさにこの療担規則で今回お示ししている内容を変えるものということであれば、それについては当然、この中医協でご議論いただくことになるものでございます。以上です。
 
〇厚労省保険局医療課・眞鍋馨課長
 はい。続きまして、医療課長でございます。この課題が把握された場合の速やかな対応の検討ということでございます。これにつきましては、加算の評価の在り方について短冊で協議で、いただきましたご意見を踏まえてまとめさせていただきました。
 
 具体的には、患者・国民の声をよく聞き、取得した医療情報の活用による医療の質の向上について調査検証を行うということにつきましては、これは既に令和4年度改定でも附帯意見にオンライン資格確認に係る内容が含まれております。
 
 その中で、中医協において検証部会で議論することとして了承をいただいたことを踏まえたものとなってございます。
 
 また、加えまして、ご指摘のように診療報酬改定におきましては、これまでもさまざまなチャネルを通じていただいたご意見、事務局において整理し、この場にても、提示することも行っているところでございます。
 
 そこにつきましては、今後の状況も踏まえつつ、必要に応じて検討して対応してまいりたいというふうに考えております。
 
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 はい、ありがとうございました。ほかに、ご意見等はございますでしょうか。
 
 よろしいでしょうか。それでは、ほかにご意見等ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと思います。
 
 以上をもちまして、本件の医療DX、それから先週まで議論をしていただいておりました看護の処遇改善についての議論を一通り行いましたので、このあと、休憩を挟んだ上で「答申について」を追加議題といたしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 
 ありがとうございます。それでは、ここでいったん休憩といたします。休憩中に事務局は答申案を作成して委員に配布していただき、その上で、1号側委員、2号側委員の皆さまはそれぞれ分かれてお話し合いをお願いいたします。
 
 その後、会議を再開し、「答申について」を議題として、ご議論いただくことといたします。
 
 それでは、休憩といたします。よろしくお願いいたします。

 <休憩 11:22~11:40>

〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 はい。それでは、再開いたします。「答申について」を議題といたします。令和4年度診療報酬改定のうち、看護の処遇改善につきましては本年7月27日に、
 
 また医療DXの基盤となるオンライン資格確認の導入の原則義務付け及びこれに伴う診療報酬上の加算の取扱いにつきましては、本年8月3日にそれぞれ厚生労働大臣から諮問されました。
 
 ここで、これまでの中医協における議論の成果を踏まえ、答申書案および、これに添付する附帯意見、診療報酬点数表等の改正案が提出されております。
 
 その内容につきまして事務局から補足することなどございましたら、よろしくお願いいたします。
 
 (以下略)

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