物価などが高騰する中で、来年度の診療報酬改定はプラス改定が濃厚とささやかれていますが、6月に延期されることが決まりました。プラス改定だった場合、消えた2カ月分の報酬アップをどのように埋め合わせるのでしょうか。早くも要望が出ています。【新井裕充】
厚生労働省は8月2日の中医協総会に「医療DXについて(その2)」と題する資料を提示。政府方針を伝えた上で「令和6年度診療報酬改定より施行時期を6月1日施行とすることとしてはどうか」と提案し、了承されました。
薬価改定については、「4月に施行しなければ、薬価制度の根幹を揺るがす」との支払側意見などを挙げた上で、「例年通り4月1日に改定とすることとしてはどうか」と提案し、こちらも了承されました。
後ろ倒しの時期について異論は出ませんでしたが、質疑で日本医師会の委員は次のように述べました。
〇長島公之委員(日本医師会常任理事)
診療報酬改定DXの目的である医療機関の負担の極小化を実現するためには、単に実施時期を後ろ倒しにすることだけでは十分でなく、同時に医療機関の負担軽減や効率化のための、ほかの取組も必要となります。例えば、医療機関の費用負担軽減のためには、後ろ倒しで最も大きな恩恵を受ける電子カルテやレセコンのベンダーが保守費用やリース料などを大幅に引き下げるなど、目に見えるかたちで確実に医療機関に還元する必要があります。この実現を担保する具体的な仕組みをつくるべきであります。
また、これまで改定に際し、さみだれ式に厚労省から発出されていた多くの疑義解釈は、改定が施行されてから現場で発生する問い合わせに応じながら出されてきた側面もあります。したがって、後ろ倒しによる負担軽減を役立てるためには、工夫した取組が必要となります。
今回ご提案の、施行が後ろ倒しになってベンダー対応がされている期間について、医療機関にとってどういうメリットがあるのか明確にしていただく必要があり、これはひいては患者さんにとってのメリットになるものであります。また、そのメリットを最大化するための取組が必要になります。そこで、事務局に質問いたします。このように、医療機関にとっての負担軽減につながるメリットを最大化するために、どのように実現されるのでしょうか。また、そういった効果を検証する予定はあるのでしょうか。
来年度の診療報酬改定は介護・障害福祉サービスとのトリプル改定です。医療と介護などの連携を図るための意見交換会などが開催されましたが、介護報酬や障害福祉サービス等報酬の改定時期はどうなるのでしょう。まだ明らかになっていません。
現時点では、診療報酬改定のみが後ろ倒しの予定です。2カ月延期によりシステム業者(ベンダー)の負担は軽減されるかもしれませんが、医療機関の負担はどうなるのでしょうか。レセコンの改修が4月と6月の2回にわたり必要になるため、費用はどうなるのか。
患者への影響はどうでしょう。この日の会合では、「負担金額が4月と6月に2度変更となるため、このことに対する国民の皆さんの理解と影響も心配」との意見もありました。
厚労省担当者の説明と質疑の模様は下記をご覧ください。
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
それでは、次の議題「医療DXについて(その2)」を取り上げます。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
〇厚労省保険局医療課・眞鍋馨課長
はい。医療課長でございます。それでは、「医療DXについて(その2)」ということで、「総-3」を用いまして、ご説明をさせていただきたいと思います。
「総-3」の2ページ目に本日のご説明する項目、2つございます。
医療DXの推進に関する工程表について。そして、
診療報酬改定の実施時期の後ろ倒しについてでございます。
ページ進みます。
1.医療DXの推進に関する工程表について
3ページでございますけれども、4ページ以降がこの医療DXに関する議論の状況でございまして、
4ページには、今年取りまとめられました、いわゆる骨太の方針の抜粋を掲載しております。
文章ございますけれども、全て読みまませんが、その下から数行目の所に、
「診療報酬改定DX」による医療機関等の間接コスト等の軽減を進める。
こういったことがございまして、冒頭には「工程表に基づき」というふうにございます。
この工程表が、下に注がありますとおり、「医療DXの推進に関する工程表」、今年の6月2日に推進本部決定したものでございます。
その概要が5ページ、6ページ、7ページ目にございます。
こちら、5ページに工程表の「基本的な考え方」から、
マイナンバーカードの健康保険証の一体化の加速、
そして、全国医療情報プラットフォームの構築、
そして6ページに、電子カルテ情報の標準化等
そして、診療報酬改定DX
医療DXの実施主体
ということで、それぞれ取りまとめられてございますけれども、
6ページの真ん中の段、「診療報酬改定DX」の2つ目の丸でありますけれども、ここに、
「診療報酬改定の施行時期の後ろ倒しに関して、実施年度及び施行時期について、中央社会保険医療協議会の議論を踏まえて検討」
というふうに記載されているところでございます。
次、8ページに進ませていただきます。
2.診療報酬改定の実施時期の後ろ倒しについて
後ろ倒しに関するご提案でございます。お諮りするものでございます。
9ページに進みます。
今年の4月に開催されました本総会の場におきまして、
この診療報酬改定施行時期後ろ倒しについて、ご議論いただいたところでございます。
それから、いくつか抜粋をしてございます。
太い字で下線を引かせていただいておりますけれども、この「後ろ倒しの期間に関しては」ということで、
・改定の結果検証にマイナス面の影響をできるだけ生じさせない長さにするなどを考慮して、総合的に検討する必要がある。次には、
・丁寧かつ早期に周知していただきたい。そして、
・4月改定を前提としていたサイクルが変わることなどで、現場が混乱しないよう丁寧な説明や配慮が必要。
そして薬価に関しましてですが、下から4行目です。
毎年薬価調査を実施し、翌年度に薬価改定を行うサイクルを前提とすれば、4月に施行しなければ、薬価制度の根幹を揺るがすことになりかねない。
最後の行で、「薬価のシステム改修は、4月施行でも十分対応が可能である」と。
こういった意見をいただいたところでございます。
10ページ目、11ページ目、12ページ目は、その際に提供させていただいた資料でございまして、現状の対応状況ということで10ページ目。
2月に中医協の答申が行われたあと、4月の施行に向けて3月、4月、5月。
5月が作業のピークとなるようなものと、イメージを示したものが10ページ目。
そして今後、診療報酬改定DXの中で開発を進めていこうとしている共通算定モジュールの構成要素、
標準化・共通化を示したものが11ページ目。
そして、12ページ目が取組のスケジュールということでお示しをするものでございます。
先ほど申し上げました共通算定モジュールでございますが、令和6年度、すぐにできるというものではなく、
そのあと、試行運用を繰り返して、令和8年度から提供できるのではないかというふうに準備を進めようと考えているところでございます。
こういったことを示したところでございました。
そこで事務局からは本日13ページ、そして14ページのようなご提案をさせていただきたい、お諮りさせていただきたいと思ってございます。
13ページ目に、先ほどの議論を受けまして、
・施行時期の後ろ倒しに当たっては総合的な検討が必要とされている。
・そして薬価改定に関しては、4月に薬価改定が実施されれば、薬価調査を例年どおり実施することが可能。
・また、次期改定に向けては6月施行の場合、経過措置は9月末を基本とし、年度内の検証調査が実施可能ということを、
下の、これはスケジュール表案でございますけれども、お示しをしてございます。
4月1日には薬価改定を、
その前に2月上旬に中医協の答申を行い、関係告示、点数表をお示しし、4月1日に薬価改定を行い、6月1日に施行し、そして7月10日に初回請求となると。
近年、さまざま設けられております経過措置につきましても、これは9月末までという、これが基本となるのかなというふうに思ってございます。
3.課題と論点
14ページに「課題と論点」をお示しさせていただいてございます。
「論点」でございますけれども、
診療報酬改定でDXの推進に向け、
医療機関・薬局等やベンダの集中的な業務負荷を平準化するため、
令和6度診療報酬改定より施行時期を6月1日施行とすることとしてはどうか。
また、薬価改定の施行に関しましては、例年通り4月1日に改定とすることとしてはどうか。
以上でございます。
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
はい、ありがとうございました。
4.診療側の意見
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
ただいま事務局から具体的なご提案もございましたが、ただいまの説明につきまして質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。長島委員、お願いいたします。
〇長島公之委員(日本医師会常任理事)
はい、ありがとうございます。診療報酬改定DXの目的である医療機関の負担の極小化を実現するためには、単に実施時期を後ろ倒しにすることだけでは十分でなく、同時に医療機関の負担軽減や効率化のための、ほかの取組も必要となります。
例えば、医療機関の費用負担軽減のためには、後ろ倒しで最も大きな恩恵を受ける電子カルテやレセコンのベンダーが保守費用やリース料などを大幅に引き下げるなど、目に見えるかたちで確実に医療機関に還元する必要があります。この実現を担保する具体的な仕組みをつくるべきであります。
また、これまで改定に際し、さみだれ式に厚労省から発出されていた多くの疑義解釈は、改定が施行されてから現場で発生する問い合わせに応じながら出されてきた側面もあります。したがって、後ろ倒しによる負担軽減を役立てるためには、工夫した取組が必要となります。
今回ご提案の、施行が後ろ倒しになってベンダー対応がされている期間について、医療機関にとってどういうメリットがあるのか明確にしていただく必要があり、これはひいては患者さんにとってのメリットになるものであります。また、そのメリットを最大化するための取組が必要になります。
そこで、事務局に質問いたします。このように、医療機関にとっての負担軽減につながるメリットを最大化するために、どのように実現されるのでしょうか。
また、そういった効果を検証する予定はあるのでしょうか。私からは以上です。
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
はい、ありがとうございました。ただいま長島委員からご質問をいただきましたが、事務局いかがでしょうか。
〇厚労省保険局医療課・眞鍋馨課長
はい。医療課長でございます。ご指摘いただきましたとおり、事務局におきましても、こちら、こういった診療報酬改定のDXの効果が医療機関、ちゃんと還元されるということが重要であるというふうに考えてございます。
こちらは私ども、医療DX、特にこの診療報酬改定DXを進めていくにあたり、ベンダーの団体とも意見交換を随時実施しているところでございます。
私どもとしましては、まずは今回、そして秋頃までに医科・歯科・調剤などの分野別の関係団体、それからベンダーの方々へのヒアリングを予定しております。
その中でも、費用低減分に関しまして着実に還元されるよう、ということで、それを実施して、求めていきたいというふうに考えてございます。
また、中長期のご指摘といたしまして、今後、最大化する仕組み、そしてまた効果検証というお尋ねもございました。
最大化ということに関しましては、先ほど診療報酬改定DX、令和6年度だけは、これは後ろ倒しということでございますけれども、その後、例えば、その共通算定モジュールの開発、あるいは標準型、診療報酬の電子点数表ですね、こういったものを改訂していって、全体のコストがどのぐらい安くなるか、そういった効果も最大化していかなければいけないだろうというふうに考えてございます。
また、そういうことも含めて今、計画をさせていただいたところでございます。
そういったことを通じて、その効率化が最大化するという取組を進めてまいりたいと。これは逐次、その進捗状況を私どもチェックしていきたいというふうに考えてございます。
その上で、効果検証ということでございますけれども、こちらはどのような検証のスタイルがいいかどうか、できるかどうかいいか含めて、私どもとしては、今、ご指摘いただきましたので、そこに関しましては、具体化を懸念にですね、
ちょっと受け止めさせていただいて、どのようなことができるか、これは今後またご提案させていただきたいというふうに思います。以上です。
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
長島委員、よろしいでしょうか。
〇長島公之委員(日本医師会常任理事)
はい。まずは今回の後ろ倒しによって医療現場、医療機関に具体的にどのようなメリットがあるのか。
それがひいては患者さんに還元されるのかということについて明確化していただいて、それを丁寧に医療現場に周知していただくということが重要かと思いますので、そのような取組を強くお願いいたします。
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
ありがとうございました。ほか、はい。それでは林委員、お願いいたします。
〇林正純委員(日本歯科医師会常務理事)
はい、ありがとうございます。歯科の立場から要望させていただきます。
医療DXにつきましては、歯科医師会といたしましても推進をしていく立場には変わりはございません。
今回は医療DXの3本の柱のうち「診療報酬改定DXについて」ということで、12ページにもございますように、改定の施行時期、施行年度、共通算定モジュール、標準型で施行の提供等が対応方針として示されております。
診療報酬改定DXのタスクフォースの中で、歯科などの分野別に個別の課題などを今後ヒアリングをしていく予定と伺っております。
歯科は小規模ベンダーも多いことから、できるだけ、これら小規模ベンダーも参加できるように配慮していただき、多くの声を拾っていただくよう、よろしくお願いいたします。
今回の診療報酬改定DXにおきまして、現時点では病院等の大規模な医療機関が先行して進められているように感じますが、小規模な歯科診療所等がメリットとして感じられる部分も拾い上げていただきたく要望いたします。
また14ページの論点の1つ目。
診療報酬改定時期の後ろ倒しについてでございますが、これまでの診療報酬は年度の評価がほとんどであったと認識しておりますので、
改定時期が2カ月後ろ倒しになることにより、今後、付随する問題点を早期に洗い出し、医療の現場に混乱がないように、しっかりと周知していただき、できるだけ細やかな配慮をお願いできればと思っております。
2カ月後ろ倒しになることを含めて、今後、現場の医療関係者が納得感を感じられる取組になるよう、よろしくお願いいたしたく思っております。以上でございます。
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
はい、ありがとうございました。それでは続きまして、森委員、お願いいたします。
〇森昌平委員(日本薬剤師会副会長)
はい、ありがとうございます。論点について発言させていただきます。
診療報酬の改定は6月、薬価改定は4月という、施行するという、2回に分けて改定を行うことについては、その準備に対する医療現場への負担、そして実際に施行されたあとの医療現場への影響が読めず、非常に不安を覚えます。
また、患者さんの負担金額が4月と6月に2度変更となるため、このことに対する国民の皆さんの理解と影響も心配です。
今回の対応は国主導のもとで、ベンダーや医療現場の集中的な業務負荷の平準化と共通算定マスターや共通モジュールの導入などでシステム開発や改修の効率化が図られるものであり、これによって費用面も含めた医療機関・薬局の負担軽減につながるものと理解しています。
したがって、診療報酬改定DXへの対応のコストが薬局や医療機関に転嫁され、追加的なコストが発生することも含めて、負担が増加することは施行時期が2回に分かれたとしても確実にあり得ないものであり、
実際に診療報酬DXに対応する厚生労働省としては、ベンダーを含む関係者とも認識を一致させながら進めるべきであると強調させていただきます。
特に薬局においては調剤報酬に占める薬剤費の割合が約75%あり、薬価改定による影響は大きく、薬価のシステム改修は4月施行でも十分対応が可能であると言い切れるものではありません。
また、4月と6月の改定に合わせて2回、現場でレセコンのバージョンアップなどの対応が必要となります。改定を分けて施行することによる影響については丁寧な検証をお願いします。
その検証結果を参考にして、令和6年度以降の診療報酬改定DX対応の進め方については判断していくべきものと考えます。
繰り返しになりますが、今回の対応については、現場が混乱しないよう、薬局・医療機関への丁寧な説明と国民への周知、理解促進のための丁寧な広報をお願いいたします。私からは以上です。
5.支払側の意見
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
はい、ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。はい。それでは佐保委員、お願いいたします。
〇佐保昌一委員(日本労働組合総連合会総合政策推進局長)
はい、ありがとうございます。「デスマーチ」といった言葉があることは承知しております。ベンダーの負担も含めて業務負担の平準化、効率化を図る観点は重要と考えます。
関係者と連携の上、丁寧な対応をお願いいたします。私からは以上です。
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
ありがとうございます。安藤委員、お手が挙がっています。お願いいたします。
〇安藤伸樹委員(全国健康保険協会理事長)
はい、ありがとうございます。診療報酬改定DXの推進に向けまして、令和6年度診療報酬改定より施行時期を6月1日とすること、また薬価改定の施行に関しましては4月1日のままとすることにつきましては異論はございません。
今後、共通算定モジュールの提供を進め、現場が過大な負担なく、診療報酬改定に対応できる環境の整備に引き続き取り組んでいただければ幸いです。以上です。
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
ありがとうございました。はい。それでは松本委員、お願いいたします。
〇松本真人委員(健康保険組合連合会理事)
はい、ありがとうございます。それでは、14ページの論点についてコメントいたします。
13ページに具体的なスケジュール案が示されておりますけども、まず薬価改定については4月施行ということで、以前、私どものほうから中医協で発言した内容を取り入れていただき感謝申し上げます。薬価制度の健全な運営の観点からも事務局案に賛同いたします。
また、診療報酬についてはベンダーの作業負担の軽減と、可能な限り速やかに政策効果を発揮させるという両方の観点から、2カ月後ろ倒しするということで理解をいたしました。
また、6月施行でも経過措置は従来どおり9月末までという取扱いについても検証調査を適切に実施する観点から妥当であり、賛同いたします。
改定に係るコストや医療機関の負担の抑制、さらには保険者の負担も軽減され、医療保険制度全体の運営コストの削減が図られることに期待を持っております。
そのためにも、6ページの診療報酬改定DXの1つ目の丸にございます各種のモジュールの開発、さらにはレセコン、電子カルテの整備等についても適宜、情報を提供いただきますよう、お願いいたします。私からは以上になります。
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
ありがとうございました。ほか、ご意見、ご質問ございますしょうか。
〇高町晃司委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)
すいません。高町です。
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
それでは高町委員、お願いいたします。
〇高町晃司委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)
はい、ありがとうございます。私も施行時期の2カ月後ろ倒しなどの論点に関しては異論はなく、賛同いたします。
その上で、少し議題からは外れるかもしれないんですが、意見を述べさせていただきたいと思います。
マイナポータルでは患者が診療報酬の項目を見ることはできますが、それに加えて、その点数も見れるようにする、したほうがいいのではないかと考えています。
紙の診療明細書に記載してあるからそれでいいというのではなく、電子データでもそれを情報提供していただくと患者の信頼度が増しますとともに、医療DXを推進することに対する患者の理解も進むと考えております。
また、医療DXを通じまして電子カルテを患者と共有する方向にご検討いただきたいと思います。
その前提として、カルテの保存義務期間を延長する方向で議論をしていただけるようにお願いしたいと思います。以上です。
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
はい、ありがとうございました。それでは眞田委員、お待たせいたしました。お願いいたします。
〇眞田享委員(経団連社会保障委員会医療・介護改革部会長代理)
はい、ありがとうございます。私も論点、今回の事務局の提案内容につきましては賛同いたします。
ただ、各委員が懸念を表明されております事項については丁寧に実施をいただくということが重要かというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
特に実施時期の後ろ倒し、共通算定モジュールの導入が医療機関やベンダーの業務の逼迫を改善し、負担の平準化や業務の効率化につながっているかどうかについては、しっかりと検証していただきたいというふうに思います。
こうした対応を通じて診療報酬改定DXが実現できることを強く期待をしております。以上でございます。
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
はい、ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。
よろしいでしょうか。本件につきましては、いろいろ委員の方々から、ご意見をいただきました。
これまでいただいたご発言を踏まえますと、資料の論点に示された施行期間の考え方につきましては賛同するご意見であったかと思います。
そのため、本件につきましては中医協として了解するということでよろしいでしょうか。
はい。ありがとうございます。それでは、説明のあった件につきましては、中医協として了解したいと思います。
本日の議題は以上です。次回の日程につきましては、追って事務局よりご連絡いたします。
それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。長時間どうもありがとうございました。
(散会)