中医協委員・城守氏が退任あいさつ

2022年9月14日の中医協総会

 2018年7月18日から約4年間にわたり中医協の診療側委員を務める日本医師会の城守国斗氏が9月14日の総会で退任のあいさつを述べた。【新井裕充】

 城守氏は「医療政策色の強いテーマに関して中医協の外で一定の方向性が決められることはもちろん従来からあったが、近年、その傾向が顕著になりつつある」と懸念した。

 その上で、「中医協は安易にその守備範囲を狭めてはいけない。中医協軽視の雰囲気を吹き飛ばす優れた議論を積み重ね、中医協の存在意義と、その重要性を示していただくことを強く期待する」と述べた。

〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 本日の議題は以上となります。ただ、このたび城守委員がご退任となります。一言、ごあいさつを頂戴いただけますでしょうか。お願いいたします。

〇城守国斗委員(日本医師会常任理事)
 はい。会長、まことに、お時間をいただきましてありがとうございます。
 
 私事で恐縮ではございますが、今月末をもちまして中医協委員を退任する予定となってございます。
 
 しかし、今月の中医協の開催は本日だけと伺っておりますので、この中医協の貴重なお時間を拝借いたしまして大変恐縮ではございますが、退任のごあいさつをさせていただくことをお許しいただければと思います。
 
 平成30年7月に日本医師会の役員に就任すると同時に、当時の会長から「中医協に行ってこい」と突然言い渡されたときの気持ちは、まさに青天の霹靂でございました。いわゆる、「いきなり中医協」でございます。
 
 中医協委員という重責をしっかり担えるのか不安のみのスタートではございましたが、こんにちまで、あっという間の出来事であったと感じているところでございます。
 
 委員就任前の中医協のイメージといえば、保険者・診療、両側による熾烈な議論の応酬というものでしたが、

 実際、参画をいたしますと、これはテーマに依拠することはもちろんのことでございますが、その時々のですね、各号側委員のキャラが大きく影響していたということを大いに実感した次第でもございます。
 
 就任以前の中医協でのご議論、さらには直近2回の改定を経験する中で、中医協の守備範囲、すなわち、その役割が狭められてきているのではないかと、そのようなご指摘をいただくことが最近多くなってきておりますので、この件に関して少し私見を述べさせていただきたいというふうに思います。

 中医協の役割は、ご案内のとおり、決められた改定率、基本方針に基づいて、その財源配分を決めていくことにありまして、そのための算定要件や施設基準の決定も重要な役割となります。
 
 医療技術などの評価に関しては、エビデンスに基づいて有効性と安全性を確認し、保険財源や患者負担等を勘案しつつ、保険収載の可否判断をするとともに、その技術等が安全かつ適切に行われるために算定要件や施設基準を、この中医協の場で検討した上で決定し、速やかに、その技術を国民の皆さまに提供してきているということでございます。
 
 医療政策色の強いテーマに関しては、中医協の外で一定の方向性が決められることは、もちろん従来からございましたが、近年、その傾向が顕著になりつつありますし、
 
 さらには診療報酬上の詳細な制度設計にまで言及されるテーマも出てきているのは皆さま方、ご承知のとおりでございます。
 
 このため最近では、中医協は財源配分を淡々と行う場にすぎず、医療政策や制度を議論する場ではないという、ややもすると「中医協軽視」とも取れるご意見をおっしゃる方もおられます。
 
 確かに、中医協は医療政策を議論する場ではございません。
 
 が、診療報酬上の制度設計をするためには、算定要件や施設基準の設定議論が必要になります。
 
 先に述べましたように、さまざまな要件設定をするにあたっては、保険収載する医療技術などが患者さんに安全で、かつ適切に提供されるのか。
 
 また、その技術導入によって地域の医療提供体制に歪みが生じはしないのかなどを議論する必要が出てきますので、
 
 必然的に、その医療技術を規定する制度の在り方に踏み込んだ議論になるということは当然あるということを明言したいと思いますし、
 
 その認識を厚労省も含めた全ての関係者に共有していただきたいと強く思います。
 
 中医協は、安易にその守備範囲を狭めてはいけないのです。診療報酬上の制度設計に関しては、やはり専門職が委員を務める中医協の場において主体的に議論をし、決定すべきではないでしょうか。
 
 中医協は単に財源配分を決定するだけではなく、医政局等で策定をされました医療制度を正しく機能させるという大変重要な役割をも担っているということを委員の皆さまにはしっかり共有していただき、

 今後も中医協軽視の雰囲気を吹き飛ばす優れた議論を積み重ね、中医協の存在意義と、その重要性を示していただくことを強く期待いたします。
 
 委員の皆さま、よろしくお願いいたします。
 
 最後に、昨年暮れに急逝されました中医協の大先輩であられます安達秀樹先生の奮闘を賜れなかったことだけが大変残念ではございますが、
 
 ここにおられる皆さま方のご指導により無事、本日を迎えられましたことを心より感謝申し上げまして、御礼のごあいさつとさせていただきます。本当にありがとうございました。

〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 城守委員、どうもありがとうございました。委員の方々も拍手をされていらっしゃいます。
 
 中医協の在り方、存在意義についても非常に貴重なご意見を頂戴いたしました。会長としても重く受け止めさせていただきます。
 
 長い間、どうもありがとうございました。
 
 それでは、これをもちまして本日の議題は終了させていただきます。
 
 次回の日程につきましては、追って事務局よりご連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
 
 本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

 (配信終了)

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