10月に診療報酬の「プチ改定」があると言っても、過言ではないだろう。9月末が期限となっている、新型コロナウイルス感染症に伴う診療報酬上の特例的な対応の行方が決まり、医療機関の経営に大きく影響するからだ。【本根優】
7月下旬、日本医師会の幹部は議員会館を訪れ、「特例的な対応の継続と国庫補助の充実」を、自民・公明の与党関係議員に求めて、回った。
主張は次のようなものだ。
①コロナ影響で、医療現場は改定前の状況と大きく異なり、改定に対応できていない。
②医療現場全体で昼夜の別なく、各医療機関の役割に応じて、懸命に分担・対応することとなり、また患者さんの受診控えにより医療機関は危機的状況。
③これに対し、補助金による支援、診療報酬の特例措置、施設基準の経過措置するなどが行われたが、医療機関経営はギリギリの状況。
その上で「コロナとの戦いは長期戦になる」「これまで講じられてきたすべての支援、診療報酬上の特例等の継続が医療提供体制の維持・確保の必須条件」だと訴える。
そこから9月末までの時限的措置となっている3つの加算の継続が必要と導く。
①乳幼児感染予防策加算:100点(10月から50点)
②初・再診料への加算(医科外来等感染症対策実施加算:5点)
③入院料への加算(入院感染症対策実施加算:10点)
それにとどまらない。「さらに、コロナ医療とそれ以外の通常医療との両立を守らなければならない。コロナ対応医療機関はもとより、地域を面として支えている医療機関も含めた、手厚く幅広い国庫補助が不可欠」と息巻く。
先頭に立つのは、中医協で松本吉郎氏(日医常任理事)に代わり、主戦を担う城守国斗氏(同)。ただ、城守氏を良く知る関係者からは「力みすぎて空回りしなければいいが…」(近畿の医師会幹部)と、心配の声も漏れる。