「歯科衛生士・歯科技工士に関わる項目を引き上げることは今後、より魅力があり、働きがいがある職場への一助」「今回のご提案に賛同」──。薬価の引き下げによる財源を医科・歯科・調剤に配分する方針に診療側が謝意を示しました。支払側は「改定の効果を検証した上で見直しの必要性を判断することが本来の流れ」と不満を表しました。 【新井裕充】
今回の開催予告は前日午後でした(通常は前週金曜)。当日、開始時刻になっても資料がアップされず、予定よりも遅い開始となりました。
1.薬価部会(11:43~11:56)
2.総 会(12:04~12:37)
診療報酬改定のない年の薬価改定(中間年改定)の実施に向けて検討を重ねた薬価専門部会では、先週金曜日(12月20日)に「骨子(たたき台)」をまとめ、今回の部会で「骨子(案)」を了承。続く総会(議題①)で承認されました。
【議 題】
① 令和7年度薬価改定の骨子(案)について
② DPC/PDPSにおける令和6年能登半島地震等を踏まえた対応について
③ 中間年改定の年に行う期中の診療報酬改定について
20日の3大臣合意を踏まえて同日の「骨子(たたき台)」、25日の大臣折衝を踏まえて同日の「骨子(案)」、そして診療報酬の期中改定(議題③)となりました。
【今回の内容】
① 令和7年度薬価改定の骨子(案)を了承
② 令和7年6月1日予定の医療機関別係数の改定について被災地病院の対応方針(案)を了承
③ 期中改定(入院時の食費基準、歯科衛生士・歯科技工士の評価、服薬指導の評価)を了承
議題③の質疑で、診療側の代表(日医)は「医療の質の維持・向上のために時機に即した評価」と賛同。「現場は大変苦労している」(日薬)、「この方向で進めていただきたい」(日歯)と歓迎する声が相次ぎました。
支払側(健保連)は冒頭、議論の進め方について意見。「中医協の役割として、緊急的に対応すべき課題が明らかになった場合には政府の決定を待つのではなく、まずは議論の俎上に載せ、丁寧に議論に入るべき」と苦言を呈しました。
その上で、歯科と調剤について「技術料の改定そのものであり、改定の効果を検証した上で見直しの必要性を判断することが本来の流れ」と指摘。「今後、この基本的なサイクルを崩すことのないよう、事務局には、くれぐれもお願いしたい」と述べました。
25日の大臣折衝事項(医薬品関係)には、「令和7年度において、薬剤費2,466億円(国費648億円)の削減とする」と記載されていますが、すでに18日の時点で「薬価2500億円引き下げ 国費600億円減、25年度」との報道がなされています。