「薬価財源につきましては、一部は安全・安心な医療提供に還元されるべきという日本医師会の長島委員、これまでもご発言いただいておりますが、その内容に賛同いたします」──。中間年改定による薬価引下げ分について、日本歯科医師会から発言がありました。 【新井裕充】
今週も中医協が開催されました。調査実施小委では医療経済実態調査の調査票案などを了承。続く総会でも承認されました。
1.薬価部会(10:00~10:32)
2.調査小委(10:36~10:47)
3.総 会(11:00~11:12)
薬価専門部会は3週連続の開催です。12月4日に論点整理、先週11日に業界ヒアリングを実施。そして今回、「令和7年度薬価改定について④」と題する資料の中で、7項目の論点が示されました。
4日の論点整理では、総論1項目、各論5項目の計6項目でしたが、今回は各論について1項目を削除して2項目を追加したため、合計で7項目となっています。
総論の1項目(診療報酬改定がない年の薬価改定、特に令和7年度の薬価改定について、どのように考えるか。)については変更ありません。
なお、削除されたのは、各論の最後の項目「令和7年度薬価改定を検討するにあたり、これまでの薬価専門部会での意見等を踏まえ、この他に留意すべき事項はあるか。」です。
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質疑では、新たに追加された2項目を中心に発言がありました。
診療側の日医委員は、平成28年の4大臣合意に盛り込まれた「医療の質の向上」を実現する観点に加えて、「医療の質の維持」も主張。「時機に即した評価が必要」と述べました。日歯からは、より明確に「一部は安全・安心な医療提供に還元されるべきという発言内容に賛同」との意見がありました。
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一方、支払側(健保連)は、薬価調査に基づくシミュレーション結果について「対象範囲を狭めるほど新薬が対象から外れて、後発品については大きな変動がない」と指摘。「患者負担の軽減、医療保険制度の持続性・可能性に寄与する観点からも、過去に実勢価改定で薬価の引下げが猶予された部分はしっかり還元すべき」と述べました。
これに対し、同じく支払側の経団連からは「国民負担の軽減とあわせて、製薬業界の取組意欲が阻害されないよう、改定対象範囲など、配慮することも重要ではないか」との意見がありました。この後、業界代表の専門委員や薬剤管理官の発言はなく、閉会となりました。
なお、共同通信は18日20時過ぎ、「薬価2500億円引き下げ 国費600億円減、25年度」という見出しで、「(政府は)約2500億円削減する方向で調整に入った」「複数の関係者が18日、明らかにした」との記事を配信しています。
前回の中間年改定(令和5年度薬価改定)を振り返りますと、今回と同様の形式で論点が示されたのが令和4(2022)年12月9日(金)。
1週間後の16日(金)に「令和5年度薬価改定について(骨子案について)」と題する資料が示され、21日(水)に「令和5年度薬価改定の骨子(案)」がまとまっています。
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