後藤氏の台頭

箱崎町船着場_2022年10月4日

 自民党の社会保障制度調査会(会長=後藤茂之前厚生労働相)の人事が固まった。厚労省でかつて国会を担当したことのあるOBは、「出世欲の強い後藤氏が田村(憲久)氏より、『自分が上』という振る舞いをしはじめるのではないか」と予想する。【本根優】

 どういうことか。自民党が政権を奪還した12年、逸早く厚労相に抜擢された田村氏はこれまで、厚労行政を担当する与党議員の中心で居続けた。

 田村氏にやや遅れる格好で、安倍晋三首相(当時)の寵愛を受けた加藤勝信氏が厚労相を複数回経験し、官房長官まで務めたことから、党内でその存在感を高めた。

 途中で、塩崎恭久氏(政界引退)や根本匠氏を挟んだものの、「重たすぎる厚労相は加藤さんか田村さんしか担えない」と、事実上「田村&加藤」の2強時代を迎えた。

 昨年の大臣就任を経て、そこへ割って入ろうとしているのが後藤氏だ。大臣の座を加藤氏に譲りつつ、自身は念願だった社会保障制度調査会長のポストを手に入れた。前任者は加藤氏だ。

 そして、ポイントとなるのが、社会保障制度調査会長を、田村氏が経験していないことだ。前出のOBは「一時『首相を目指す』とまで公言していた田村氏は、党内政治のなかで埋没し、『厚労分野のスペシャリスト』から脱却するタイミングをすっかり失っている」と指摘する。

 後藤氏がトップに立つ社会保障制度調査会で、田村氏は指定席の「会長代理」。厚労官僚が頼りにしたいのは田村氏だが、重要案件の政府・与党調整は後藤氏が務める構図に変わる。

 一方、今回の社会保障制度調査会の人事で、厚労省OBが注目するのが「昨年からの変化で言えば、高鳥(修一)氏が幹事から幹事長代理に上がった」ことだ。加藤氏、後藤氏の次を担う面々として「橋本(岳)氏、高鳥氏、牧原(秀樹)氏、田畑(裕明)氏といった厚労部会長(経験者)のほかに、財務省出身の村井(英樹)氏の動向が気にかかる」と話している。

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