「田村インナー」

日比谷公園_2021年10月8日

 自民党の厚生労働族を長年率いてきた伊吹文明元衆院議長が、衆院解散をもって政界を引退した。同様に医系で最長のキャリアを持っていた鴨下一郎元環境相も退いた。そんな中、麻生太郎氏の義弟で、社会保障分野にも精通する鈴木俊一氏が財務相に就いた。【本根優】

 では、党内で今後、厚労族を率いるのは誰になるのか。厚労族中堅議員によれば、伊吹氏から田村憲久元厚労相に対し、「次はよろしく」と、事実上の後継指名があったという。その通りになれば、これまで「伊吹インナー」と呼ばれていた厚労族の幹部会は「田村インナー」となって新たなスタートを切ることになる。

 岸田文雄首相が行った閣僚・党役員人事のなかでは、これまで安倍・菅政権で、厚労相を2回ずつ務めた田村氏、加藤勝信氏という厚労族のツートップの名前が挙がってきていない。

 加藤氏周辺は、閣僚や党総務会長といった要職をずっと任されてきたため「今回は一回休み」と語る。田村氏も今回、長く務めた党政調会長代理を外れた。

 田村氏の代わりに、政調会長代理に就いたのが高鳥修一氏だ。現状で22年度診療報酬改定のキーマンは政府側が後藤茂之厚労相、鈴木財務相、自民党側が高鳥氏、そして厚労族の幹部会を率いるとみられる田村氏と言えるだろう。

 残る注目ポイントは、党厚労部会長、党社会保障制度調査会長の人事だ。自民党が政権を奪還した後の厚労部会長は、福岡資麿氏、丸川珠代氏、高鳥氏、古川俊治氏、渡嘉敷奈緒美氏、橋本岳氏、小泉進次郎氏、平口洋氏と1年ごとにバトンをつなぎ、現在は福岡氏が異例ながら2度目の登板となっている。

 前述の厚労族中堅議員は、次の厚労部会長人事について「牧原(秀樹)さんや小島(敏文)さんあたりではないか」と予想する。社会保障制度調査会長に関しては「座りがいいのは田村氏、加藤氏以外では、大臣経験者の根本匠氏くらい」と見ている。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. お台場海浜公園_2021年1月1日

    新薬の薬価収載「時期」

  2. 財務相前_2023年7月20日

    財務省の95年入省組

  3. 暗雲

    ゾコーバへの懸念

  4. 皇居前東京停車場線_2022年6月30日

    日医・松本執行部

  5. 厚労省前_2021年7月12日

    バイアグラの保険適用

  6. 黒船橋_2022年3月28日

    自見氏は大丈夫か!?

  7. 日比谷公園の噴水_2020年11月11日

    田村憲久君を応援する会

  8. 平川門_2021年7月20日

    自見氏再選

議事録のページ総合
総会議事録のページ
材料専門部会議事録のページ
■ 議事録のページ【小委・分科会】

第587回中医協総会(2024年4月10日)【速記録】

第587回中医協総会(2024年4月10日)【速記録】

第586回中医協総会(2024年3月22日)【速記録】

第586回中医協総会(2024年3月22日)【速記録】

第224回中医協・薬価専門部会(2024年3月22日)【速記録】

第224回中医協・薬価専門部会(2024年3月22日)【速記録】
PAGE TOP