10月31日投開票の衆院選に立候補している自民党の医師候補(小選挙区)は7人いる。国光文乃氏(茨城6区)、松本尚氏(千葉13区)、三ッ林裕巳氏(埼玉14区)、安藤高夫氏(東京9区)、今枝宗一郎氏(愛知14区)、清水鴻一郎氏(京都6区)、大隈和英氏(大阪10区)の7人だ。【本根優】
中山太郎氏や自民庄三郎氏の引退後、自民党医系議員の中心だった鴨下一郎氏は政界を引退した。
マスコミ各社の調査、自民党の調査などから、「7人を3つのグループに分けることができる」(日本医師会関係者)という。
①優勢―2人
②拮抗―3人
③劣勢―2人
①の筆頭は今枝氏。自民党支持層を手堅くまとめ、優位に立っている。三ッ林氏も日本共産党や国民民主党の候補を大きく引き離している。
次は②。国光氏は元厚生労働省医系技官で、課長補佐時代には保険局医療課にも所属し、費用対効果評価制度の創設などに携わった。
丹羽雄哉元厚相の地盤を引き継ぎ、2期目当選をめざす中、前回同様、立憲民主党の候補と接戦を繰り広げている。
残る2人はともに、不祥事議員の後を受ける。安藤氏は、公職選挙法違反で議員辞職した菅原一秀元経済産業相の後釜。松本氏は、緊急事態宣言中に高級会員制ラウンジで遊んで離党した白須賀貴樹氏の後継だ。松本氏はドクターヘリの第一人者として知られ、ドラマ「コード・ブルー」の医療監修も手掛けている。
安藤氏は立民候補との戦い。松本氏も立民候補と激しく競り合っている。
③に当たり、落選危機と言われるのが、清水氏と大隈氏。清水氏は立民のベテラン、山井和則氏に大きくリードを許す展開。大隈氏も、全国的な知名度を誇る立民の辻元清美副代表が優位に立つため、日本維新の会候補と争い、辻元氏の背中を追う状況。府医関係者は「相当厳しい」とこぼしている。