日本医師会の今村聡副会長は8月28日、投与1回の価格を60万円とする「コラテジェン」の保険適用を決定した中医協総会で、同日の資料と同様の内容が事前に報道されていたことを指摘し、「インサイダー取引にもなりかねないような事案だ」と厚労省の見解をただした。担当者は「これまでも情報管理には気を付けてきたつもりだが、今後、このようなことがないように、より一層、情報管理は徹底してまいりたい」と答えた。【新井裕充】
詳しくは、以下のとおり。
[今村聡委員(日本医師会副会長)]
今、松本委員からお話があったコラテジェンについて、ちょっと厚労省に伺いたいのですけれども、
これ、3月に製造販売が認められて、「国内初の遺伝子治療薬」ということで非常に世の中の注目を浴びていたということだと思います。
いつ保険収載されるのか、そして価格がいくらになるのか。
これ、医療関係者だけではなくてですね、非常に広い範囲でこの、注目をされていたというふうに思いますが。
昨日の朝日新聞で、記名、署名記事として本日、中医協で議論される資料と全く同じ中身が「決定」ということで価格まで示されて出ていたと。
あの、まあ、よくこういうことが最近起こっていて、厚労省の資料管理について、いろいろ、こちらの中医協の中でも意見を出させていただいているところですけれども、
ま、これ、中医協の議論と直接は関係はないにしても、昨日、この新聞記事が出たことによって、株価がストップ安になって、まあ、暴落したと。
これ、空売りをしてですね、下がったとこで買い戻すとですね、莫大な利益が出ると。ある意味、インサイダー取引にもなりかねないような事案だというふうに思っております。
厚労省、この価格のですね、この決定について、こういう資料がですね、知らない間に出ていて、もう決定っていうような形で出ることについてですね、どのようにお考えになっていて、これ、どのように対応されるおつもりか、ぜひ教えてください。
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[田辺国昭会長(東大大学院法学政治学研究科教授)]
では薬剤管理官、お願いいたします。
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[厚労省保険局医療課・田宮憲一薬剤管理官]
いま、今村委員からご指摘ありましたとおり、昨日の新聞記事におきましてですね、コラテジェンの保険適用について掲載されている事実でございますが、
当然、委員ご指摘のとおりですね、この本製品の保険収載および、その価格等を含めた保険収載の可否についてはですね、本日のこの中医協総会の場で、ご審議いただいた上で決定することになるというのが大前提だというふうに考えているところでございます。
あの、私どもとしても、これまでも情報管理には気を付けてきたつもりではございますけれども、今後、このようなことがないように、より一層、情報管理は徹底してまいりたいというふうに思っております。
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[今村聡委員(日本医師会副会長)]
あの、ま、中医協の権威というものがですね、まあ、要するに、うーん・・・、どうなのかという、そういう問題もあるんですけれどもですね、
こういう、その、公定価格を決定する場がですね、投機の場に使われるようなことがあってはならない、というふうに思います。
くれぐれもですね、厳重に管理をしていただきたいということを改めてお願い申し上げたいと思います。(後略)