「費用対効果評価において介護費用を考慮することは現時点では課題が多く、解決までの道のりは長い」(診療側)、「引き続きデータの集積や研究の進展をもって改めて検討するのが現実的」(支払側)──。介護費用の取扱いに関する分析結果が示され、「引き続き議論を進めていく」との方針で合意しました。【新井裕充】
7月9日から16・23と3週続いた中医協ですが、30日の開催はなく2週間ぶりとなりました。総会、費用対効果、材料、薬価の4つです。
1.総会 (9:00~9:24)
2.費用対効果評価専門部会 (9:28~10:43)
3.保険医療材料専門部会 (10:49~11:01)
4.薬価専門部会 (11:07~11:36)
1.総会 (11:39~12:42)
午前9時から始まり、途中休憩を挟んで3時間半を超える長丁場となりました。費用対効果部会の業界ヒアリングが長引きました。
【議 題】
① 入院・外来医療等の調査・評価分科会からの報告について
② 医薬品の新規薬価収載について
③ 医療機器及び臨床検査の保険適用について
④ DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について
⑤ 保険医が投与することができる注射薬について
⑥ 令和8年度診療報酬改定におけるDPC制度への参加又はDPC制度からの退出に係る届出の受付期間について
⑦ 費用対効果評価の結果を踏まえた薬価の見直しについて
⑧ 高額医薬品(認知症薬)に対する対応について
議題①では、入院外来分科会の尾形裕也分科会長が中間とりまとめの概要を報告。これを承認して総会は一時中断し、費用対効果部会、材料部会、薬価部会と進み、総会は議題②から再開しました。
【今回の内容】
① 入院・外来医療等の「中間とりまとめ」を承認
② 8月14日収載予定の新医薬品(8成分10品目)の保険適用を承認、費用対効果評価の対象品目等を報告
③ 9月1日収載予定の医療機器(C1=1製品、C2=1製品)、臨床検査(E3=3件)の保険適用を承認
④ 次期改定まで出来高算定する高額な新薬等への対応案を承認
⑤ 訪問看護等での使用が想定される注射薬の対象薬剤に「ポムビリティ点滴静注用105mg」を追加する案を承認
⑥ 令和8年度DPC届出の受付期間に関する対応方針(案)を承認
⑦ フォゼベル、レクビオ、ウゴービ、レケンビの費用対効果評価結果に基づく改定薬価のほか、レケンビの介護費用の取扱いに関する対応案を承認
⑧ レケンビ、ケサンラについて市場規模への影響、価格調整等に関する対応の必要性などを報告
質疑で複数の委員から発言があったのは、① ② ⑦ ⑧ です。このうち、①は7月31日の入院外来分科会で大筋了承された「中間とりまとめ」に関する審議です。同日の分科会での議論を踏まえて加筆・修正されています。
例えば、「1-2.拠点的な急性期機能について」の項目で示された「分科会での評価・分析に関する意見」では、「今後、拠点としての機能を強化するためには、救急搬送件数4000件という数が基準値として考えられていくのではないかとの意見があった」との記述が削除されています。
また、同日の分科会での意見を踏まえ、「5-3.廃用症候群リハビリテーション」(P17)、「12-2.かかりつけ医機能」(P34)について、「分科会での評価・分析に関する意見」が加筆されています。廃用リハは井川誠一郎委員(日慢協副会長)、かかりつけ医機能は今村英仁委員(日医常任理事)の意見が追記されました。
総会の質疑では、加筆された「かかりつけ医機能」に関する意見について、支払側(健保連)が「この点については最終的には中医協総会で議論するものだ」と指摘しました。
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議題②では、開示度が低いために加算係数がゼロとなった「ウェリレグ錠」と「エアウィン皮下注用」に関連して、「革新的なものが評価できないのは非常に残念」との声がありました。
また、企業から不服意見が出ていない理由について質問がありました。厚労省の担当者は「開示度の50%未満については加算がされないというルールになっていますので、申請される企業の方もそれを前提に申請をされている」と説明しました。
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議題⑦では、まずフォゼベル錠、レクビオ皮下注、ウゴービ皮下注、レケンビ点滴静注について「費用対効果評価結果に基づく価格調整係数」「価格調整後の薬価」などを提示。続いて、「レケンビの費用対効果評価に係る『公的医療・介護の立場』の取扱いについて」と題する45ページの資料(総-7-7)について説明がありました。
最初に、厚労省の担当者が介護費用に関する議論の経緯を紹介した後、「公的分析」について国立保健医療科学院の福田敬参考人が検討内容を報告。「重症度別の介護費というような分析ができなかったという状況」「家族介護者のQOLについては、まだ正直なところ、学術的に確立されたコンセンサスというものは存在していない」と述べました。
続いて、費用対効果評価専門組織の田倉委員長が「専門組織の決定事項」「今回の分析で新たに生じた課題」を提示。「介護費用については、分析ガイドラインに則って、公的医療と介護の立場で公的介護費用を含めた分析を行いましたが、仮定や推計を重ねたものであったこと。また、家族介護者のQOL値については、介護負担の軽減により生じるQALYの計算方法に関わり、学術的に確立されたコンセンサスは現時点では存在しないことなどが課題」と述べました。
最後に、厚労省の担当者が介護費用の取扱いについて「引き続き議論を進めていく」「『公的医療の立場』の費用対効果評価結果に基づく価格調整の改定薬価を採用」との対応案を説明し、了承されました。
■ 議題⑦の質疑(PDF:1MB)
質疑では異論がなく、「今回示された分析結果により、介護費用の取扱いについては、さまざまな課題があることがわかります」などの声がありました。











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