ポイントとなる「維新」

ポイントとなる「維新」

 自民党内で総裁選前倒しという事実上の「石破降ろし」の風が強まっている中でも、報道各社の世論調査では、石破内閣の支持率が上昇するという現象が起こっている。石破氏を追い詰めれば追い詰めるほど、追い風が吹き石破氏が浮上するという交錯した状況が起きている。8月末までの参院選総括で、森山裕幹事長が自身の進退をどう判断するかが注目点となる。【本根優】

 社会保障改革をめぐっては、自民党、公明党、日本維新の会の3党合意で医療法改正案に病床削減方針や医療DXの加速化などを盛り込む修正を加えたうえで、年内に成立を図る方針を確認している。

 さらに、維新は合意書の付属文書で「低価値医療の保険適用のあり方の見直し」「真の応能負担の実現」「中央社会保険医療協議会のあり方の見直し」「後発医薬品へのアクセス向上、バイオシミラーの使用促進」「医療機関の外来診療における診療報酬体系のあり方の改革」など20以上の項目を列挙している。

 維新は「25年末までの予算編成過程(診療報酬改定を含む)で論点の十分な検討を行い、早期に実現可能なものについて26年度から実行に移す」と説明している。新共同代表の藤田文武氏ら新たな執行部で、自公との協議に臨む見込みだ。

 一方、立憲民主党の野田佳彦代表は「政治改革」「物価高対策」で石破首相に直接協議を呼び掛けている。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は「石破政権と組むことはあり得ない」と強調し、距離を置いている。

 少数与党化でのこれまでの石破首相の政権運営術は、議席や政策の関係から「103万円の壁」見直しを求めた国民民主と「教育無償化」を掲げた維新を互いに競わせるというものだった。財政的負担の小さいところで着地することで、不安定な中でも、のらりくらりと前に進めてきた。

 自民は現実的な選択肢として、藤田氏ら新執行部の陣容などを踏まえると、維新に接近する可能性が高い。吉村洋文代表(大阪府知事)の言動からは「副首都構想」実現のための与党入りが取り沙汰されるが、肝心の自民党の体制が定まらないだけに、政局が不透明なまま、当面は推移しそうだ。

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