低調な社会保障論議

低調な社会保障論議

 自民党総裁選(9候補)の主要テーマを挙げるならば、政治とカネ、賃上げ・経済成長、安全保障・憲法改正、防衛増税、選択的夫婦別姓、解雇規制の見直し、規制改革といったところか。世論調査では「議論してほしいこと」の上位に必ず食い込む「年金・医療などの社会保障」は、ほとんど議論がなく、争点としては霞んでいる。 【本根優】

 9月14日に都内で行われた日本記者クラブ主催の討論会で小林鷹之氏は、現役世代の社会保険料の負担軽減に関して問われ「今の制度をベースにせず、より広く社会保障制度を捉えるべき」と主張。「『社会保障未来会議』を立ち上げて、すべての選択肢を俎上に載せたい」と述べた。また「医療DXを進めて、重複する検査・投薬を回避しつつ、健康増進にインセンティブを与えて予防に舵を切るべき」と持論を展開した。

 上川陽子氏は、予算規模が大きい社会保障分野に関して「給付と負担の関係の見直しは極めて重要」と発言。高市早苗氏は「あくまで経済成長を最優先し、税収を増やす」と述べ、「強い経済」が全世代に必要な社会保障を充実させるためにも不可欠との認識を示した。

 候補者間で考え方の違いが出る争点として、マイナンバーカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」をめぐる問題を除けば、医療など社会保障分野の論議は、低調なまま推移している。

 なぜか。ある陣営幹部は「社会保障に触れると、どうしても国民の負担増が付きまとう」と、テーマとしての難しさを打ち明ける。医療費・薬剤費をはじめ、膨張し続ける社会保障関係費の財源捻出や負担の在り方について、踏み込んだ発言がないのは、そうした理由からだろう。

 一方で、河野太郎氏は9月16日、金沢市内で行われた討論会で「電子処方箋が広まるとドローンが届けるようになる」と指摘。飛行難易度「レベル3.5」の運用により「薬だけでなく買い物に行けないものをドローンで配送する。そういう物流をどんどん規制緩和していきたい」と意欲を示した。
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