「松本日医」2期目への布石!?

2年前の元旦_2021年1月1日

 日本医師会の松本吉郎会長は1月11日の記者会見で、新年の抱負や今年の重要課題について説明した。抽象的な原則論が多かったが、組織強化に関しては力を込めた。これに関しては「2期目、それ以降を見据えている証拠」(北日本の医師会関係者)との見方が出ている。【本根優】

 医療界の重要課題として、松本会長は①新型コロナウイルス感染症、②かかりつけ医機能、③医療DX、④医師の働き方改革、⑤診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬のトリプル改定を挙げた。

 かかりつけ医に関しては22年の議論で「日本の医療の良さを残しつつ、かかりつけ医機能の在り方を検討する方向性が共有されたことは大変良かった」と感想を述べた。トリプル改定に向けては「医療と介護が連携して、すべての世代が安心して暮らせる地域づくりの礎にすべき」との考えを示した。「22年度診療報酬改定が医療現場に与えた影響を検証したうえで、24年度改定を考えることが基本」とも語った。

 これらとは別に、会内的な課題については「組織強化」を掲げた。地域医師会との連携をより緊密にして、現場の声を踏まえた政策提言を行うことが狙い。会長就任時に、全国の医師会を訪問し、意見に耳を傾ける目標を立て「半年間で30以上の都道府県を回り、残りの地域の訪問も予定している。それが終われば、さらにもう1回、全国を訪問したい」と意欲を示した。

 さらに、松本会長は「増大かつ多様化する会務に当たる有能な人材を広く登用し、適材適所に配置することは会務遂行能力の一段の向上につながる」と、早ければ6月に常任理事「4人増員」を行うと明言した。

 前述の北日本の医師会幹部は「これら組織強化は、次の24年の日医会長選への“選挙運動”のようなものだ。今年は2期目に向けた準備の年という位置付けなのだろう」と推察する。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 増える「特例的な対応」

    増える「特例的な対応」

  2. 日比谷公園_2022年8月2日

    幻となった「上川厚労相」

  3. 桜田門_2022年9月5日

    自公ともに窮地

  4. 国会前_2021年7月29日

    特例対応の継続

  5. 日比谷公園「自由の女神像」とバラ園_2021年6月29日

    新薬創出加算の“逆転現象”

  6. 「著しく」の基準は_20220510

    「著しく」の基準は?

  7. 日比谷公園のはにわ_2021年3月20日

    政争の具「こども庁」

  8. 日医会長選の動向

    日医会長選の動向

議事録のページ総合
総会議事録のページ
材料専門部会議事録のページ
■ 議事録のページ【小委・分科会】

第587回中医協総会(2024年4月10日)【速記録】

第587回中医協総会(2024年4月10日)【速記録】

第586回中医協総会(2024年3月22日)【速記録】

第586回中医協総会(2024年3月22日)【速記録】

第224回中医協・薬価専門部会(2024年3月22日)【速記録】

第224回中医協・薬価専門部会(2024年3月22日)【速記録】
PAGE TOP