自民党は、すでに決まった党役員以外の人事について、8月30日の総務会で了承することを目指している。旧統一教会との関係性をめぐって窮地に立つ、萩生田光一政調会長の下、厚生労働部会長には誰が起用されるのか。【本根優】
民主党政権から自民党政権に戻って、もうすぐ10年の節目を迎える。この間、自民党では福岡資麿氏、丸川珠代氏、高鳥修一氏、古川俊治氏、渡嘉敷奈緒美氏、橋本岳氏、小泉進次郎氏、平口洋氏、再び福岡氏、そして牧原秀樹氏が厚労部会長を務めてきた。
党人事に合わせて、ほぼ1年交代というサイクルが通例となっている。
厚労族中堅が語る。「次の部会長候補は田畑裕明氏、小島敏文氏、三ッ林裕巳氏あたりだろうが、小島氏は復興副大臣で政府入りした」
そこで、田畑氏か三ッ林となった場合、どちらも萩生田氏と同じ安倍派の所属。ただ、田畑氏は地元県議出身なのに対し、三ッ林氏は医師出身。「厚労副大臣に羽生田(俊)さん、政務官に本田(顕子)さんと、医師、薬剤師が入ったことを考えると、部会長まで医師(三ッ林氏)というのは、いかにもバランスが悪い。牧原氏の次では、埼玉・埼玉ともなってしまう」(同)。
そうすると「田畑氏が有力」となるが、旧統一教会問題の「炎上度合い」によっては、政府・自民党全体に関して、すでに決定、内定または調整中の人事に関しても、手を加える必要性が生じかねない。
党内でもう一つ重要な厚労関連のポストが社会保障制度調査会長。これまで加藤勝信氏が務めてきたが、加藤氏は3度目の厚労相登板が決まった。
後釜として、名前が挙がるのが、元厚労相で新たな「厚労族のドン」と言われる田村憲久氏、前厚労相の後藤茂之氏、元厚労相で岸田派事務総長の根本匠氏。岸田派関係者は「党内の社会保障論議云々より、まずはコロナ対策にどう人材をあてがうかになるだろう」と見通す。