7月の参院選で注目される選挙区の1つ、岡山選挙区(改選数1)の候補者が出揃いつつある。岡山市議の國友彩葉氏が2月1日に岡山市内で記者会見を開き、立候補を表明。公認した立憲民主党の野田佳彦代表も同席し「中国地方の1人区で勝負になる選挙区が岡山だ」と述べ、國友氏を強力にバックアップする姿勢を示した。 【本根優】
自民党岡山県連は昨年11月、元岡山県議で医師の小林孝一郎氏を擁立する方針を決め、党本部に公認申請している。派閥をめぐる裏金事件で還流を受けた現職の石井正弘氏(元岡山県知事)が「新しい感覚を持った方にバトンタッチをする時期が来た」と不出馬を表明したことを受け、公募を実施。小林氏が選出されていた。
小林氏は24年1月の「日本医師連盟」組織内候補(比例)選びの公募に応じたが、小林氏ではなく当時日医常任理事だった釜萢敏氏(現副会長)に決まった経緯がある。その後、小林氏は岡山選挙区の公募に挑んでいた。
過去を振り返ると、岡山選挙区は、定数2(改選数1)となった01年以降、自民党と民主党が激しい議席争いを繰り広げてきた。
とくに07年には自民党参院幹事長だった片山虎之助氏(元総務相)が、民主党新人の姫井由美子氏に敗れる波乱があり「姫の虎退治」と話題を集めた。16年までは参院議長、法相、民主党最高顧問などを歴任した江田五月氏も君臨していた。
國友氏は元中学校教諭。「教育改革や子育て改革とともにジェンダー平等を実現したい」と意気込む。
一方で、医師の小林氏は「地方をいかにして創生していくか。国の方でしっかり議論し、手当てすることが求められており、国政で社会課題の解決に取り組みたい」と抱負を語っている。
岡山と言えば、昨年の自民党総裁選にも出馬した、元厚労相で現財務相の加藤勝信氏のお膝元でもある。衆院選で落選し、浪人中の橋本岳氏や、岡山県医師会を中心とする地元医療関係団体などが総力を結集して、小林氏の当選を目指すことになる。
國友氏、小林氏のほか、参政党新人の廣森志穂氏も立候補を表明している。