続く「かかりつけ医」論議

桜田門_2020年10月28日

 政府の全世代型社会保障構築会議の清家篤座長(日本赤十字社社長)は12月16日、岸田文雄首相に、かかりつけ医機能が発揮される制度整備の在り方などを盛り込んだ報告書を提出した。その後の会見で、清家座長は、地域中心の医療・介護提供体制の構築に向けて「かかりつけ医機能が地域で実効性あるものになることが大切だ」と述べた。【本根優】

 ただ、かかりつけ医の認定・登録については、社会保障審議会医療部会だけでなく、構築会議でも触れられていない。他方、医療部会では、かかりつけ医機能が発揮される制度整備の一環で「かかりつけ医機能報告制度」に関して、25年度をメドに医療機関からの報告を受け付けるスケジュールを描く。

 構築会議は、かかりつけ医について「医療機関、患者それぞれの手上げ方式」を提案していた。清家座長はこれに関連して「これから少しずつ、かかりつけ医機能を持った医療機関、医師が地域の医療提供体制に浸透していくプロセスが必要」との認識を示した。

 一方で、日本医師会(松本吉郎会長)は「国民がかかりつけ医を選ぶことが大事。権利はあっても義務はない」と繰り返し強調している。「面としてのかかりつけ医機能」の重要性を主張。緩やかに、かかりつけ医機能を浸透させていく政府の方向性は、これまでのところ、日医が目指す姿とも概ね合致している。

 日医は、かかりつけ医機能が発揮される制度整備について「細部の議論はこれから」と捉え、23年以降の検討への参画に身構える。

 というのも、健康保険組合連合会が、認定や登録の必要性を訴え「我われが求める形にどこまで持っていけるか。今後、主張していきたい」と意気込んでいるからだ。

 日医関係者は「背後にいるのは財務省だろう。マイルドに進めるように見せて、いつのまにか強制的な仕組みが導入されていないよう、警戒が必要だ」と語る。

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