大型連休明けから、政府・与党全体で「骨太の方針2024」策定に向けた議論がスタートするのを前に、医療・医薬品関係の団体から自民党へのロビー活動が活発化している。長期収載品の選定療養や、薬価の毎年改定(中間年改定)などへの懸念が特に強い。 【本根優】
そうした団体の1つが主にパップ剤やテープ剤を扱うメーカーでつくる「外用製剤協議会」(会長=藤岡美佐子・帝國製薬社長)だ。
自民党の「日本が誇る医療用外用貼付剤の推進に関する議員連盟」(会長=衛藤晟一参院議員)は4月25日、外用協から意見を聴取した。
同協議会は、提出した資料で、医療上必要な製剤の安定供給や、外用貼付剤のイノベーション推進のため、中間年改定による薬価切り下げはやめるべきと訴えた。
長期収載品の選定療養にも言及。医師や薬剤師が「医療上の必要がある」と判断すれば、長期収載品を使用しても患者は追加負担を免れるが、外用協は貼付剤の“はがれにくさ”も医療上の必要性に該当すると指摘。単なる患者の「選り好み」と切り分けつつ、そうした考えを医療現場に周知する必要があると強調した。
外用協として「本来、患者が負担しなくてもよいはずの負担が、新たに生じることのないよう担保する必要がある」と主張した、
議連の出席者によると議論では「中間年改定の廃止を望むべき」といった意見のほか、長期収載品の選定療養では「医療上の必要性などについて、現場に明確に周知すべき」との意見が出たという。
骨太に向けて「近年の過度な薬価引き下げでは企業の体力を蝕んでいる」ことや、賃上げ・物価高への対応と「相容れない存在が中間年改定」などの認識から、議論として提言をまとめることを検討しているという。
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