鼻息の粗い財務省

鼻息の粗い財務省

 財務省が医薬品・医療機器などの費用対効果評価制度の抜本的見直しに向けて、攻勢を強めている。4月16日の財政制度等審議会財政制度分科会で、製薬企業の国際競争力強化の観点から費用対効果評価の対象を拡大し、薬価配分にメリハリをつけるべきと主張した。 【本根優】

 具体的には、費用対効果評価を価格調整にとどまらず、保険償還の可否にも用い、収載されない医薬品の受け皿として「保険外併用療養費制度の柔軟な活用・拡大、民間保険の活用についても検討を行う必要がある」と打ち出した。

 これに対し、日本医師会の松本吉郎会長は4月17日の記者会見で、財務省の考えに異を唱えた。
 「保険償還の可否に用いるべきではない。医学的に安全性、有効性が確認されたものについては、保険収載を行うのが、国民皆保険制度の原則。あくまで保険収載された医薬品の価格調整を行うものだ」と述べ、現行の仕組みを維持すべきとの考えを示した。

 財政審は、医療現場や薬価算定においても経済性を重視すべきとの立場。松本会長は、経済的なことだけに着目して、(制度改革を)行うべきではない。必要なものに対しては、きちんと費用対効果評価を使って、しっかりと中医協で議論したうえで、適切な価格にしていくことを繰り返している。これを続けていきたい」と力説した。

 財務省と日医が2年後の制度改革に向けて、早くも牽制し合った格好だが、自民党厚労関係議員政策秘書は「財務省の本気度がいつもと違う」との感想を漏らす。

 また、ある財務省幹部は「費用対効果評価制度は抜本的に拡充しないといけない。保険償還の可否まで影響を深めてもいいのではないかという思い。議論を深めていきたい」と意気込む。

 さらに同幹部は「日本では保険者が弱すぎる。保険者に主権を戻せば、費用対効果評価が(加算部分に限定せず)価格全体に影響を及ぼすことが当たり前になる」とも語っている。
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