政府は通常国会を1月26日に召集する方針を固めた。24年度予算案とともに、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた政治資金規正法改正、能登半島地震の被災者支援・復興復旧策が当面の目玉となる。厚生労働省の提出法案は少なめとなる見通しだ。【本根優】
岸田文雄首相が本部長を務める「政治刷新本部」は11日に初会合を開催。26日の通常国会召集までに中間報告をまとめる方向で調整している。
東京地検特捜部は7日、還流(キックバック)分計約4800万円を安倍派から受け取りながら政治資金収支報告書に記載しなかったとして、安倍派所属の池田佳隆衆院議員らを政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で逮捕した。安倍派の事務局長経験者や複数の幹部も任意で事情聴取している。
安倍派では還流のほか、一部議員はノルマ超過分を安倍派に納入せず「中抜き」した疑いが持たれている。厚労関係でも、還流や中抜きを行った可能性が高い人物として、元閣僚経験幹部や医師資格を持つ議員の名が取り沙汰されている。
野党の追及などで冒頭から荒れる展開が予想される通常国会について「そうした影響を加味したわけではない」(厚労省幹部)とのことだが、厚労省が予定する提出法案は4本と、例年よりも小ぶりで数も少ない。
医療と直接関連するのは「再生医療等の安全性の確保等に関する法律及び臨床研究法の一部を改正する法律案」のみ。再生医療法の対象を「細胞加工物を用いない遺伝子治療等」にも拡大する。
このほか「生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案」(生活困窮者の転居費用にも給付金の支援を拡大)、「雇用保険法等の一部を改正する法律案」(雇用保険の適用対象の拡大)、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律案」(労働者が柔軟な働き方を選択・利用できるよう事業主に義務づけ)の3本を提出する。
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