自民党は9月29日の総務会で、政務調査会(萩生田光一会長)などの人事を決定した。厚生労働部会長には古賀篤氏、厚労部会長代理に大串正樹氏、副部会長に本田太郎氏を充てた。24年度の診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬の「トリプル改定」を控えており、政府内での経験が豊富な人物の起用に至った。【本根優】
前回18年度の同時改定時は、厚労副大臣を務めていた橋本岳氏がその経験を買われ、厚労部会長を担った。同様のキャリアとして、厚労副大臣経験者の古賀氏が今回抜擢された。
古賀氏は岸田文雄首相の宏池会(岸田派)所属で、当選4回。東大法学部を卒業し、財務省に15年勤務後、12年に初当選した。これまでに総務大臣兼内閣府大臣政務官、衆院環境委員長などを歴任。保育士の資格を持っている。永田町関係者はこんな解説をする。
「厚労族のボス格の田村憲久氏は、石破派(現・石破グループ)を離れ、無派閥だったが、最近岸田派入りした。実質的に、政調会長代理である田村氏が党内論議のまとめ役で、その実務担当に同じ派閥に所属する古賀氏が選ばれたということだ」
部会長は党役員人事に合わせて、ほぼ1年のサイクルで交代するのが通例となっている。
自民党が民主党(当時)から政権を奪還した12年以降、厚労部会長は福岡資麿氏、丸川珠代氏、高鳥修一氏、古川俊治氏、渡嘉敷奈緒美氏、橋本氏、小泉進次郎氏、平口洋氏と交代してきた。
その後、福岡氏が再登板し、牧原秀樹氏を経て、田畑裕明氏がこれまで務めてきた。田畑氏は今回の人事で衆院厚労委員長に回る。
このほか、医系のベテラン議員である櫻井充氏が財務金融部会長に就く。同じく医系の国光あやの氏は外交副部会長に回る。
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