「10人と14人ではえらい違いだ。3人の副会長の位置付け、筆頭の常任理事の重みなど、さまざまな影響が出るだろう」(厚生労働省幹部)。1年以内に日本医師会の執行部に変化が起こることについて、さまざまな憶測が霞が関や永田町で出ている。【本根優】
日医執行部は現在10人の常任理事の増員を図り、14人体制とする方針だ。会内に「定款・諸規定検討委員会」を立ち上げ、必要な定款改正を議論し、23年3月を目途に定款を変更。同年6月の代議員会で、選任・選定すれば、松本吉郎会長の任期中(24年6月まで)に常任理事14人体制が実現する見通し。
松本会長は、22年6月の会長就任後の代議員会などで「多様化する会務に資する有能な人材を全国から広く発掘、登用し、適材適所に配置することは会務遂行能力を一段の向上を図るためにも避けて通れない」と表明。加えて「できた余力を組織力強化とか、政界、財界、関係団体とのコミュニケーションを図ったり、勉強をさせていただいたり、そういったところに力を注げたらいい」と語っていた。
関係者によると、増員となる4人の常任理事に対しては、職務分担を割り振るほか、日医から都道府県、郡市区に至るまで、医師会の組織強化の一環として、全国を回ってもらうことも想定しているという。
日医の常任理事ポストは、厚生労働省にとどまらず、国のさまざまな審議会や検討会などで委員を務める、いわば“実働部隊”。全国のブロックが推す候補が常任理事入りするケースも多く、4人増員で人材輩出の流れや地域バランスに変化が起こる可能性が高い。
こんな話もある。医療関係の自民党議員の1人は「そろそろ日医は次の参院選に出る組織内候補、つまり羽生田(俊)さんの後任も決める時期では? その4人からの起用もあるのではないか」と予想する。