医療界の当面の中心課題と言えば、新型コロナウイルスワクチンの迅速接種。「政治資金パーティー」「寿司デート」などで、日本医師会の中川俊男会長に関するスキャンダラスな週刊誌報道が続く中ではあるが、日医役員らも接種を終え、土日には自らの医療機関で「打ち手」に回るケースもある。【本根優】
関係者によれば、ある役員は接種後に「下血」する副反応が出たという(その後、回復)。また、週末には100人単位の接種に当たる役員もいる。
5月26日の中央社会保険医療協議会では、今村聡副会長が任期満了で、診療側委員を退いた。
厚生労働省は後任について「手続き中」としているが、日医内では長島公之常任理事の起用が内定している。本来であれば、副会長1人、常任理事2人の体制で臨むところだが、現任の副会長3人(今村氏、松原謙二氏、猪口雄二氏)は既に委員を経験しており、今後は常任理事3人の体制で論議に参加するもようだ。
松本吉郎氏、城守国斗氏、そして長島氏という布陣になる。
現在の日医の常任理事は、松本氏と釜萢敏氏の活躍が目立つ。松本氏は筆頭扱いと言える「総務」を担うほか、「医療保険」主担当で中医協の番頭役、さらに中川体制で新設の「医療機関経営」まで担う。釜萢氏は、「感染症危機管理対策・予防接種」を担う、いわばコロナ対策での「日医の顔」となっている。
今回、中医協委員に抜てきされる長島氏の担当は「医療政策」「情報」など。かつては「薬事」も担当した。今後の診療報酬改定で行方が注目されるオンライン診療の扱いなどの懸案で、存在感を発揮できるかが問われるところだ。