高市氏の善戦

皇居前・突入防止の置き石_2021年4月12日

 自民党総裁選は9月29日に投開票される。4候補が出馬する中、当初予想されたシナリオから大きくズレた展開を見せている。最も大きな要因は高市早苗氏の善戦だ。それにより、医療・医薬品業界の関係者からは「河野太郎政権」誕生への警戒の声が聞かれる。【本根優】

 当初、永田町の関係者間で現実視されていたのは「世論の人気ナンバー1の河野太郎氏と、議員票に強い岸田文雄氏の決選投票」という絵姿だ。

 そこで、3位に食い込むと目される高市氏の支援票が岸田氏へ流れ、「2位・3位連合」で岸田氏が勝利するというものだった。

 そうなれば、高市氏支援を鮮明にした安倍晋三前首相と、河野氏を自派閥に抱えながら岸田氏を事実上バックアップする麻生太郎財務相のタッグが、今後も影響力を行使するとの見立てがあった。

 ところが、選挙戦も終盤に差し掛かり、タカ派の論客で鋭い弁舌と、親しみやすい関西弁が持ち味の高市氏が当初想定された以上の善戦を見せているという。

 自民党の古参秘書は「議員票だけなら岸田氏100、河野氏80に対し、高市氏が70近くは積み上げている」と解説する。野田聖子氏の20を除けば、100票あまりの行先はなお不明ということになるが、今後も勢いを増せば、1回目の投票で地方票を稼いだ河野氏に次いで、高市氏が2位に食い込む可能性が浮上しているという。

 しかし、高市氏が2位に入った場合に、岸田氏の陣営が決選投票で高市氏支持に回るかと言えば、そこでは強すぎるタカ派色に対し、敬遠する向きが多く、河野氏に票が流れることが予想される。すると、河野新総裁・新首相誕生となる。

 日本医師会幹部の1人は「河野氏は、自らの政権浮揚のために医師会を抵抗勢力に位置付ける可能性がある」と恐れる。また、ある製薬団体幹部は「推薦人を見ても、一番パイプがないのが河野さん。菅(義偉)氏が背後におり、再び薬価(引き下げ)に手厳しい政権になるかもしれない」と嘆息する。

■ 中医協の速記録(非公式)をご希望の方は、こちらのページをご覧ください。

速記録のページへ .

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 厚労省前_2021年7月12日

    バイアグラの保険適用

  2. 国会前_2021年7月29日

    特例対応の継続

  3. 勝関橋_2022年3月14日

    福島県沖地震の影響

  4. 日比谷_2020年9月8日

    ワクチンの運び屋

  5. 2020年8月、皇居前にて

    お騒がせ自見氏の去就は!?

  6. 霞が関1丁目_2021年3月23日

    医療福祉人材確保のタテマエとホンネ

  7. 2020年末_江戸桜通り

    国会議員の会食

  8. 江戸城跡_2022年5月5日

    日医・中川会長の“反撃”

議事録のページ総合
総会議事録のページ
材料専門部会議事録のページ
■ 議事録のページ【小委・分科会】

第602回中医協総会(2025年1月15日)【速記録】

第602回中医協総会(2025年1月15日)【速記録】

第234回中医協・薬価専門部会(2025年1月15日)【速記録】

第234回中医協・薬価専門部会(2025年1月15日)【速記録】

第61回中医協・調査実施小委員会(2024年12月18日)【速記録】

第61回中医協・調査実施小委員会(2024年12月18日)【速記録】
PAGE TOP