厚生労働省保険局医療課は6月17日、中医協の改定結果検証部会、薬価専門部会、総会の閉会後、報道関係者を対象とした説明会(記者ブリーフィング)をオンライン形式で開催した。(新井裕充)
記者の質問は、Skypeのチャット機能を用いて受け付け、これに厚労省の担当者が答えた。
ブリーフィングの模様は以下のとおり。なお、記者の質問部分に黄色の蛍光線を引き、チャット画面の記載どおりに表記した。
〇奥山晃正氏(保険局医療課課長補佐)
それでは、ただいまから本日午前中に開催されました中医協のブリーフィングを始めたいと思います。
本日、ブリーフィングを行いますのは、保険局医療課課長補佐の奥山、柳沼、喜多、木下の4名で行います。
まず全体ですが、本日まず10時から診療報酬改定結果検証部会が開催されて、そのあと、10時半ごろから薬価専門部会が開催されました。
その後、11時過ぎぐらいから総会のほうに移ったという状況です。
オンライン開催でして、YouTube で配信させていただきましたので、皆さん、観ている前提でブリーフィングをしていきたいと思います。
まず、診療報酬改定結果検証部会について、部会長の選任がございまして、永瀬部会長と関部会長代理が決定いたしました。
そして、令和2年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査の実施について議論があったところです。
また、この内容については、その後に開催された総会のほうにも報告させていただいたという状況です。
診療報酬改定結果検証部会の議論と、あと、その後に行われた総会での議論、合わせて何かこの検証部会について、ご質問等あればお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。
はい、(週刊社会保障の)高木さんより、
総会で松本先生から質問がありましたが、新型コロナの感染の状況によっては、今年度に調査を実施しないこともありうるのでしょうか。
というご質問です。
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〇木下栄作氏(保険局医療課課長補佐)
・・・のお話になりますんで、コロナが、感染が非常に広がって、医療機関のほうにどうしても無理というような状況があれば、可能性としてはあり得ると思いますが、
現段階では調査の準備、制度設計のほうを進めていくという状況かと認識しております。
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〇奥山晃正氏(保険局医療課課長補佐)
よろしいでしょうか。ほかに何か、ご質問等ありますでしょうか。
よろしいでしょうか。
はい、それでは続きまして、そのあと、薬価専門部会が開催されまして、令和2年度医薬品価格調査について議論がなされました。
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〇厚労省の担当者
鳥海さんから。
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〇奥山晃正氏(保険局医療課課長補佐)
あ、すいません。(GHCの)鳥海さんより、
電話等再診について、樋口室長が別途調査とおっしゃられましたが、医政局のオンライン診療検討会の調査でしょうか?
というご質問です。
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〇木下栄作氏(保険局医療課課長補佐)
樋口(室長)のほうから説明した調査は、ご指摘の、医政局のほうの調査のことです。
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〇奥山晃正氏(保険局医療課課長補佐)
はい、失礼いたしました。ほかにはいかがでしょうか。
結果検証部会について、ご質問をお受けしたいと思います。
よろしいでしょうか。
それでは、続きまして薬価専門部会のほうにまいります。令和2年度薬価調査について議論が行われて、本日、結論は出ずに引き続き検討ということになっておりますが、これに関して、ご質問等ございましたら、いかがでしょうか。
はい、(週刊社会保障の)高木さんより2つ頂いております。
1 薬価部会で調査内容を固める時期を6月中からもう少し後ろに倒せる見込みがあるのでしょうか。
2 従来、薬価調査の計画を中医協に諮る段階では、取引への影響を懸念する観点から、(おそらく皆さんがわかってはいたものの)調査月を明確にしていなかったのですが、今回からは調査月を事前に明らかにされるのでしょうか。
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〇柳沼宏氏(保険局医療課課長補佐)
はい、医療課の柳沼です。
薬価部会の時にですね、経済課長からも少し話がありましたけれども、最初の(質問の)調査内容を固める期限、時期の話ですが、例年どおりのスケジュールで考えた場合に、6月中に固めて、そのあと、統計調査の承認ですとか、調達をしなければいけないということで、これまでそのように申し上げてまいりました。
で、それらの準備ですね、それについて、もう少し短縮できないかというのが別途、経済課のほうで検討させていただくというふうに申し上げたところですので、
そういう可能性ですね、後ろに倒せる可能性というのは、なくはない、というふうに考えています。
で、2番目ですけれども、これもおっしゃるとおりで、これまで調査、いつやるかというのは明示はしていなかった、事前には明示をしていなかったわけですけれども。
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今回、そういうケース、そういうその、コロナの状況にありまして、いつ調査をするかというのは、ある程度、見越した上でないとなかなか議論ができないということもありまして、今回の資料には9月というふうに書いておりますけれども、
今後、何月に調査をするかを明示するということを特に決めたわけではございませんので、今回、特例的にそのようにやっているというふうにご理解いただければと思います。
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〇奥山晃正氏(保険局医療課課長補佐)
はい、続いて(GHCの)鳥海さんより、
幸野さんがおっしゃられた「薬価調査はするが、結果が不確かなので、2021年度改定は行わない」という選択肢はあり得るのでしょうか?
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〇柳沼宏氏(保険局医療課課長補佐)
結果がどのような形になるのか、とかですね、調査はするけれども、どのように回収がなされるのか、そういったところはですね、実際、そのデータをよく見てみないと、なかなか判断が付かないのではないのかっていう、ご懸念を持っていたんだと思います。
で、そういう選択肢があり得るのかというのを、現時点でなかなか予断することは難しいのですけれども、場合によっては、調査の時期にですね、感染が拡大して、全然データが集まらないとかですね、
そういう可能性まで含めて考えた場合に、結果が不確かになるという可能性までは排除できないんじゃないかなあ、と考えています。
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〇奥山晃正氏(保険局医療課課長補佐)
ほかにはいかがでしょうか。
ほかに薬価部会についてご質問等、ありませんでしょうか。
それでは、よろしければ続いて総会にまいりたいと思います。
総会のほうで、まず「医療機器及び臨床検査の保険適用」と「先進医療会議からの報告」がございました。
まとめてご質問をお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。
はい、(じほう・田部井記者の質問)
保険適用が了承された臨床検査に関する質問です。
資料p4の検査基準(青背景の図)のうち、『or(and)』の解釈の仕方なのですが、
一番上のループスアンチコアグラントに加えて、本日の総会で保険適用が了承された4種類のマーカー(計5種類)のうち、『マーカーの種類にかかわらず初回、2回目ともに1種類以上(2回以上)検出される』、、と理解しても誤りではないでしょうか?
というご質問です。
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〇喜多昭介氏(保険局医療課課長補佐)
保険局医療課の喜多でございます。
こちらにお示しさせていただいている診断基準は、国際血栓止血学会や難病情報センターが定めている診断基準でして、この5つの項目のうち、どれか1つが12週以上空けて連続で検出されることが診断基準になっています。
ですので、今、ご質問いただいた「マーカーの種類にかかわらず」というわけではなくって、
例えば、1回目の検査で「ループスアンチコアグラント」が陽性だった場合に、12週以上空けて、もう一度、その「ループスアンチコアグラント」が陽性であれば、診断検査基準を満たすという形の診断基準になっているかと思います。
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〇奥山晃正氏(保険局医療課課長補佐)
いかがですか。
はい、それでは、ほかにはいかがですか。よろしいでしょうか。
はい、それでは続きまして、総会のほうで、令和2年度改定を踏まえたDPC/PDPSの現況について報告がありましたが、これについて、ご質問等あったらお願いいたします。
はい、続いて(CBニュース・兼松記者の質問)
地域医療係数による新型コロナへの対応に対する評価を、次の診療報酬改定を待たずに検討することもあり得るのでしょうか。
というご質問です。
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〇木下栄作氏(保険局医療課課長補佐)
ないです。
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〇奥山晃正氏(保険局医療課課長補佐)
ほかにはいかがでしょうか。
それでは、最後になります。
新型コロナウイルス感染症に伴う医療保険制度の対応について、現時点での状況の報告がございましたが、これに関して、ご質問等ありましたら、お願いいたします。
よろしいでしょうか。
もし、質問等ないようでしたら、これで終了したいと思いますが。
はい、分かりました。それでは、これで本日の中医協のブリーフィングを終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
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〇木下栄作氏(保険局医療課課長補佐)
ありがとうございました。
(配信終了)
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