厚生労働省保険局医療課は6月10日、中医協の薬価専門部会と総会の閉会後、報道関係者を対象とした説明会(記者ブリーフィング)をオンライン形式で開催した。(新井裕充)
記者の質問は、Skypeのチャット機能を用いて受け付け、これに厚労省の担当者が答えた。
ブリーフィングの模様は以下のとおり。なお、記者の質問部分に黄色の蛍光線を引き、チャット画面の記載どおりに表記した。
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〇奥山晃正氏(保険局医療課課長補佐)
それでは時間になりましたので、ただいまより本日行われました中医協のブリーフィングを始めたいと思います。
私、医療課課長補佐の奥山と、医療課課長補佐・柳沼、木下がブリーフィングさせていただきます。
まず、本日10時から、少し機器の不具合がございまして申し訳ございませんでした。薬価部会が開催され、関係業界からの意見聴取が行われました。
▼ 開始後、25分間ほど無音状態が続くトラブルが発生し、業界代表の意見陳述をやり直した。
また、そのあと、引き続いて中医協総会が行われ、「地域包括ケア病棟の取扱いについて」と、「薬価専門部会からの報告について」を議題といたしました。
▼ 議題は「地域包括ケア病棟の取扱いについて」、資料のタイトルは「地域包括ケア病棟入院料の取扱いについて」となっている。
まず、中医協の薬価専門部会において関係業界から意見陳述、ございましたが、まず、その件についてご質問等ございましたら、お願いいたします。
いかがでしょうか。特に、ご質問等なければ……。
はい。社会保険旬報の手塚さんより、
薬価調査実施に懸念の声が出ていますが、中医協として、「薬価調査を実施すべきではない」という結論を出す可能性もあるのでしょうか。
というご質問です。いかがでしょうか。
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〇柳沼宏氏(保険局医療課課長補佐)
はい、医療課の柳沼です。
今回、いろんな先生からですね、中医協として、いろいろ専門家として考えるべきじゃないのかというご意見は出ております。
一方で、(田宮憲一・薬剤)管理官のほうからも説明したように、政府の方針として、まあ昨年、一昨年の骨太で、中間年の薬価調査、薬価改定をするということになっていて、その政府の方針なども踏まえて考えていくということで、
途中、(支払側委員の)幸野さんなどからもコメントございましたけれども、
やる場合には、どのように薬価調査を設定していくのかというところについては、基本的に議論いただくことになると思いますけれども、その中でですね、この薬価調査の実施についても、まあ、ご意見は頂くものと考えてます。
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〇奥山晃正氏(保険局医療課課長補佐)
ほかにはいかがでしょうか。
じほうの大浜さんより、
総会で林課長から中間年改定の報告がありましたが、その質問はいましても良いでしょうか。
そうですね、すいません。同じ内容ですので、まとめて、すいません、総会のほうの薬価部会の報告についても今、ご質問いただいて結構です。
今後の検討について2点お願いします。林課長が「通常年と同じようなタイミングの調査実施を考えれば、6月中には調査内容のある程度の方向性を固めたい」と話されていました。「ある程度の方向性」のテーマは、総会資料(総-2)の各論点で良いでしょうか。
また、6ページ目の論点のところに「遅くとも6月中旬には実施準備を開始する必要がある」とありますが、今月中に方向性を固めるという課長のご発言が今時点の厚労省としてのスタンスなのか、ご見解をお願いします。
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〇柳沼宏氏(保険局医療課課長補佐)
はい、医療課の柳沼です。
経済課長のご発言の所ですけれども、まず1点目のですね、その、論点に関してはですね、そのとおりでございまして、
抽出率、どのようにするのかとか、あと購入側調査の規模をどのようにするのかとかですね、
そういったところが薬価調査の実施にあたって必要な論点ということになりますので、
この「総-2」の資料の各論点というふうに考えていただければと思います。
あと、その、2つ目のご質問ですけれども、「今月中に方向性を固める」というのは、逆算すると今月中に薬価調査のその内容ですね、どういうふうな薬価調査になるのかというのは、ある程度、固めた上で、その実施の準備、調達ですとか、そういったところを進める必要がありますので、可能な範囲で、そういうのを議論をして固めたいというのはそのとおりでございます。
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〇奥山晃正氏(保険局医療課課長補佐)
厚労省のスタンスというかですね、事務局として、リミット、まあ、今月中に方向性を固めなければならないのでいかがでしょうか、という提案させていただいたということなので、何か「厚労省のスタンス」ということで……、まあ……、「ある」ということではございません。
ほかにはいかがでしょうか
総会での発言も含めて、薬価……。
医薬品価格調査関係のご質問等あればと思いますが、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、引き続いて総会のほうにまいります。
総会では、2つの議論について行われました。地域包括ケア病棟の取扱いについて、ご質問等ございましたら、お受けしたいと思います。いかがでしょうか。
はい。すいません、2つ、頂いてます。ちょっと、もう少し上に……。あ、はい。
週刊社会保障の高木さんから4点ということで。
1 事務的には、基本診療料の施設基準通知の届出事項の部分の改正ですむのでしょうか。施設基準告示の改正も必要ですか。
2 幸野委員から提案がありましたが、総合入院体制加算のように、合意を得た調整会議の概要をまとめた書面を添付して届出するということになるのでしょうか。
3 通常の増床について伺います。改定前に400床以上・地ケアあり病院が増床した場合は、改定前に届出していた地ケア病棟をそのまま維持できるのでしょうか。吸収による増床でも取り扱いは同じでしょうか。
4 念のための確認です。入院料1、3の200床要件は今回の見直しとは関係なく、そのまま適用される(調整会議の合意を得た再編統合であっても200床未満から200床以上になると算定できなくなる)ということでよろしいでしょうか。管理料2、4についても同様でしょうか。
いかがでしょうか。
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〇木下栄作氏(保険局医療課課長補佐)
医療課の木下でございます。まず順に、1つ目ですが、今のところ通知の改正を想定してます。
2点目の、幸野さんからの「概要の添付」は、ご意見を踏まえて、手続きの中で明確にして、総合入院体制加算と同じ対応を想定してます。
3つ目で、通常の増床……。
今回は医療機関、複数の医療機関の再編・統合を対象にしてますので、単一の医療機関の増床は対象になりません。
吸収……。
吸収は、今日のパターンの2の話であれば、複数の医療機関が関係してるので該当します。
4番目は、今回のとは関係ないので従前の取扱い、今の現行の取扱いのとおりになります。
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〇奥山晃正氏(保険局医療課課長補佐)
もともと3番って、改定前400床で、そのまんま、いけんじゃないの?
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〇木下栄作氏(保険局医療課課長補佐)
あん?
改定前400の地ケアあり病院がさらに増床した場合、改定前に届け出ていた地ケア病棟をそのまま維持できる……。
ああ……。
3番目のやつは、経過措置の対象になってるのであれば特段、何も関係ないです。
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〇奥山晃正氏(保険局医療課課長補佐)
吸収による増床……。
あ、だから、400が……、450になる。そのままいけんの?
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〇木下栄作氏(保険局医療課課長補佐)
改定前、420とか30で増床した場合、対象になるかっていうのは、対象とは関係なく、それは従前の規定で、3月31日時点で1病棟持ってれば、そのまま持てるっていう取扱いの対象になります。
だいじょぶ?
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〇奥山晃正氏(保険局医療課課長補佐)
はい。
はい、続きまして、(GHCの)鳥海さんから、
P4の事例ですが、地ケア設置が認められないことで「合併が暗礁に乗り上げた。合併スケジュールに遅れが出た」などの実際の弊害が出たのでしょうか?
というご質問です。
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〇木下栄作氏(保険局医療課課長補佐)
「弊害が出た」というよりも、そういった事案のご相談があったという段階で、まだ弊害までは至ってないという認識でおります。
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〇奥山晃正氏(保険局医療課課長補佐)
はい、この件について、ほかにはいかがでしょうか。
はい、鳥海さんより、
「合併後に増床となる」ケースでもよいのでしょうか? 例えば「200床+200床→450床」となるようなケースなど。
ん?
合併……。ああ……。
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〇木下栄作氏(保険局医療課課長補佐)
うーん……。
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〇奥山晃正氏(保険局医療課課長補佐)
これは、あれですか。合併しただけでは400床を超えないんだけど、プラス、増床するから超えるという意味ですか?
はい、そういうケースがありますもので。
ただの増床っていう取扱いになる?
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〇木下栄作氏(保険局医療課課長補佐)
たぶん、個別の具体的な、その、地域医療構想の中で、どういう整理になってるかだと思いますけど。
地域で、まあ、その基準病床数よりも既存が余ってて増床するっていうケースで、地域としては、そこはどういう対象かっていうのを十分ご議論いただいた上での判断かと思いますけども。
だから、一概に数だけ見てオーケーっていう話じゃない、かと思います。
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〇奥山晃正氏(保険局医療課課長補佐)
構想の中に、増床まで含めてる?
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〇木下栄作氏(保険局医療課課長補佐)
・・・
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〇奥山晃正氏(保険局医療課課長補佐)
えと、(時事通信の)相京さんより、
通知の改正はいつ頃の見通しですか?
という質問です。
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〇木下栄作氏(保険局医療課課長補佐)
まだ、いつと決まってはないですけど、早めの対応をしたいというふうに思ってます。
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〇奥山晃正氏(保険局医療課課長補佐)
鳥海さんより、
2020年度予算で「合併後に病床数を1割以上削減した」場合の補助が設けられていますが、「ベッド数削減」などの要件は、検討の俎上にあがったのでしょうか?
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〇木下栄作氏(保険局医療課課長補佐)
俎上に……、俎上って、どういう……。
すみません。合併で「減少」となるケースの実(=のみ?)が例示されましたが、「減床」が要件なのかと思いまして。
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「俎上にあがった」というわけではないですけども、地域において再編・統合をするっていうことは、地域全体の将来の病床数をどうするのかってことで、必ずしも削減ありきっていうことでは考えてないですけども、普通に考えれば合理化という観点からすれば、減るっていうことが想定されるかなあと思ってますけど、要件化っていう話はしてないです。
減少を要件とするということは、想定はしてないです。
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〇奥山晃正氏(保険局医療課課長補佐)
(CBニュースの)松村さんより、
再編・統合に伴って400床以上になった病院による地域包括ケア病棟入院料の新規の届け出を認めるということですが、この「400床以上」も許可病床数という理解でよろしいでしょうか。
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〇木下栄作氏(保険局医療課課長補佐)
許可病床数です。
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〇奥山晃正氏(保険局医療課課長補佐)
はい、あと鳥海さんより、
通知改正から適用でしょうか? 遡及適用はあるのでしょうか?
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〇木下栄作氏(保険局医療課課長補佐)
通知改正以降ですね。
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〇奥山晃正氏(保険局医療課課長補佐)
ほかにはいかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
はい。(週刊社会保障の高木氏から質問)
最後に別件ですいません。昨日の訂正通知の重症度、医療・看護必要度の電算処理システム用コードの訂正ですが、A3からA6に移っただけなので、A得点への影響はないということでよろしいでしょうか。
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〇木下栄作氏(保険局医療課課長補佐)
(笑)
影響ないという認識でおります。
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〇奥山晃正氏(保険局医療課課長補佐)
先ほど薬価専門部会の関係もお聞きしましたので、もし、これ以上ないようであれば、これで終わりたいと思いますが、いかがでしょうか。
はい、ありがとうございました。それでは、これにて本日の中医協のブリーフィングを終わりたいと思います。ありがとうございました。
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〇木下栄作氏(保険局医療課課長補佐)
ありがとうございました。
(配信終了)
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