コロナの影響、「診療報酬を絡めて議論するのは反対」 ── 2020年7月22日の中医協総会で保険者代表

2020年7月22日の中医協総会

 新型コロナウイルス感染症の影響について、保険者の代表から「診療報酬を絡めて議論するならば明確に反対したい」との意見が出ている。厚労省の担当者は、コロナの影響について「資料を集めた上で提示する」とした上で、「どのような議論をするかは中医協で決めていただく」としている。(新井裕充)

 7月22日の中医協総会で日本医師会の委員は、新型コロナウイルス感染症による影響等について「今後、幅広く議論できるよう、事務局で資料を準備していただくことを要望する」と述べ、厚労省側の見解をただした。

 厚労省の担当者は「私ども事務局として把握できるところを、できる範囲で出したい。今後の議論の参考となるように資料を集めたい」と応じた。

 これに対し、支払側の保険者代表は「医療機関が厳しい状態であるのは理解している」としながらも、「医療機関の経営状況を中医協の場で把握するというのは、どういう意図なのか」と疑問を呈した。

 日本医師会の委員は、これまでの診療報酬による特例的な措置などを挙げた上で、「そういった対応が果たして十分だったかどうか。そういったことも含めて幅広い資料を集めていただきたい」と求めた。

 保険者代表は「ちょっと分からない」と不満を表した上で、「もし、医療機関の経営状況を診療報酬を絡めて議論するということであれば明確に反対したい。中医協は、そういう場ではない」と述べた。

 詳しくは以下のとおり。

〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 (前略) 本日の議題は以上ですが、事務局から「その他」として資料が提出されていますので、事務局より説明をお願いいたします。

 じゃ、医療課長、お願いします。
.
〇厚労省保険局医療課・森光敬子課長
 医療課長でございます。資料「総-6」をご覧いただきたいと思います。

 先ほどから話題になっております、令和2年7月豪雨による被災に伴う医療保険制度の主な対応状況について、まとめたものでございます。

 日本全国各地で豪雨の被害が出ておりまして、今回、これまでの災害にならいまして、そこに資料としてまとめておりますとおり、対応を行っております。

 1ページ目のほうでございますけれども、「被災者の方の支援に関すること」と申しまして、被保険者証の提示がない場合の受診の取扱い、それから、一部負担金の取扱い等を示したところでございます。

 また、「被災地の医療機関等への配慮に関すること」ということで、診療報酬の請求の取扱いですとか、診療報酬の算定といったようなものにつきまして、特例的な対応を示したところでございます。

 (中略)

 特例的な取扱いをどれぐらい延長するのかというところにつきましては、中医協にお諮りしたいというふうに考えておるところでございます。以上でございます。
.
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 はい、ありがとうございました。それでは、ただいまの説明につきまして、ご質問等ございますでしょうか。

 佐保委員、お手が挙がっているようです。お願いいたします。
.
〇佐保昌一委員(日本労働組合総連合会総合政策局長)
 はい。ありがとうございます。

 7月豪雨の被災者の方の支援、被災地の医療機関等や被災地以外の医療機関等への配慮については、もちろん異論はございません。

 その上で、被災地の医療機関等については、医師、看護師をはじめ、医療従事者への健康等配慮も、併せてお願いをしたいと思います。

 医療従事者の中には、自宅が被災された方もいらっしゃると思いますので、心身等の不調を生じさせないよう、超過ワーク把握等、対応が必要と考えております。

 厚生労働省内の関係課へお伝えいただければと思いますので、よろしくお願いします。

 私からは、以上です。
.
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 はい。ありがとうございます。
.
〇厚労省保険局医療課・森光敬子課長
 はい。そのようにさせていただきいと思います。
.
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 ほかにご質問等、ございますでしょうか。

 はい、それでは本件に係る質疑はこのあたりといたします。

 そのほか、何かご発言はございますでしょうか。松本委員、お手が挙がっています。よろしくお願いいたします。
.
〇松本吉郎委員(日本医師会常任理事)
 はい、松本でございます。ありがとうございます。

 本日の議題にはありませんけれども、各種、報道でもありますように、新型コロナウイルス感染症は、ほとんど全ての医療現場にさまざまな影響を色濃く与えております。

 そこで、新型コロナウイルス感染症が医療現場にどのような影響を及ぼしているかを把握することは、大変重要と考えています。

 これまで、中医協といたしましても、新型コロナウイルス感染症への臨時的な対応として、さまざまな特例的な評価を行ってきたところではあります。

 それらの対応の影響等も含め、今後、幅広く議論できるよう、事務局で資料を準備していただくことを要望いたしますが、この点につきまして、事務局の回答をお願いいたします。
.
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 はい。じゃあ、医療課長、お願いいたします。
.
〇厚労省保険局医療課・森光敬子課長
 はい。新型コロナウイルスの影響がどのような、医療機関にどのような、どのように影響を及ぼしているのかという点につきましては、今、私ども、事務局として把握できるところをですね、お出しするということは、できる範囲で行っていきたいというふうに思っております。

 今後の議論の参考となるようにですね、その点、資料を集めて、次には準備をしたいというふうに思っております。
.
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 はい。松本委員、お願いします。
.
〇松本吉郎委員(日本医師会常任理事)
 ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
.
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 はい。ありがとうございます。

 ほか、よろしいでしょうか。幸野委員、お願いいたします。
.
〇幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)
 すいません、今の発言について、ちょっとお伺いしたいんですが。

 確かに医療機関、厳しい状態であるというのは理解してるんですが、医療機関の経営状況を中医協の場で把握するっていうのは、どういう意図なのか、そこらへんについて、ちょっとお伺いしたいんですが、松本委員。
.
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 はい。松本委員、じゃあ、お願いします。
.
〇松本吉郎委員(日本医師会常任理事)
 はい。これまでもですね、中医協として、例えば新型コロナウイルス感染症の患者さんに対しては、例えば入院料、基本料をですね、3倍等に引き上げたりとかですね、いろんな対応を行ってきたところでございますけれども、そういった対応が、果たして十分だったかどうかということもございます。

 そういったことも含めて、幅広い資料を集めていただきたいということでございます。
.
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 はい。幸野委員、お願いします。
.
〇幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)
 ちょっと分からないんですが、そういったコロナを受け入れたICUの入院料を3倍にする、したとか、そういうものについては、しっかりと検証していくべきだというふうに思うんですが。

 医療機関の経営状況を中医協の場で話すということについては違和感、感じますし、もし、この医療機関の経営状況を、診療報酬を絡めて議論するということであれば、これは明確に反対したいと思います。

 中医協は、そういう場ではないと思いますので、そういった診療報酬を絡めて、経営状況を議論するっていうことであれば、明確に否定したいと思います。
.
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 松本委員、いかがでしょうか。
.
〇松本吉郎委員(日本医師会常任理事)
 はい。「経営状況」という言葉は今、使ってはおりません。あくまで全体的に及ぼす、医療機関、あるいは医療現場に及ぼす状況をですね、まず把握するということから始めさせていただきたいというふうな議論でございます。
.
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 幸野委員、いかがでしょうか。
.
〇幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)
 はい。状況を把握するということであれば、否定はしません。ただ、診療報酬にそれを絡めるということは、明確に否定しておきます。
.
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 佐保委員、お願いします。
.
〇佐保昌一委員(日本労働組合総連合会総合政策局長)
 はい、ありがとうございます。

 先ほど、松本委員がおっしゃったのは、新型コロナ下での医療機関の状況については、私のほうも理解をしております。

 地域で必要な医療提供体制をどう維持するかというのは、これは患者、被保険者にとっても大事な問題であるというふうに認識しております。

 医療提供体制をどうするかというとこでいけばですね、医療部会でも議論が必要ではないかというふうに考えております。

 そういったことを、ちょっと付け加えて発言させていただきました。以上です。
.
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 はい、ありがとうございます。
 はい、じゃあ、医療課長、お願いします。
.
〇厚労省保険局医療課・森光敬子課長
 はい。事務局といたしましては、コロナの影響下、感染症が広がってる、その医療現場の状況ということで資料を収集した上で、お出しをさせていただきたいというふうに思っております。
.
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 佐保委員、よろしいでしょうか。はい。
 間宮委員、お手が挙がっています。お願いします。
.
〇間宮清委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)
 はい。ありがとうございます。

 コロナ下における医療機関の状況というの、調査という話ではありますけれども、これ、医療機関だけの話ではなくて、患者ですね。患者が医療機関に行かないとか、そういうような状況も実際ありますので、

 そういう意味では、患者側の調査というかね、状況の把握というのも必要だと思いますので、そのあたりも考えていただけるといいかなというふうに思います。以上です。
.
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 ありがとうございます。よろしいですか。
.
〇厚労省保険局医療課・森光敬子課長
 直接、ちょっと、患者さんに何か調査をしたというのは、今のところ、私ども承知はしておりませんけれども、何か分かるようなものがあれば、集めたいというふうに思っております。
.
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 はい。島委員、お願いします。
.
〇島弘志委員(日本病院会副会長)
 ありがとうございます。今回のコロナのですね、患者さんをいろいろ引き受ける、あるいはコロナ患者さん自体を診てないといった医療施設でも、診療の内容は随分変わってきております。

 従って、いろんなですね、まあ、お金の、経営の問題も、もちろんありますが、そういう患者さんたちの受療行動の変化、それから医療施設の、医療提供体制の在り方というのが大きく変わらざるを得ない事態に陥っておりますので、

 そのへんを含めてですね、きちんとこの場で、いかにきちんとした医療を提供していくかということが、ここの中医協の大きな主題の1つのはずですので、そういった資料はどんどん出していただいて、前向きに検討していければいいなというふうに、私自身は思います。

 それから今回の改定で、新たに重症度、医療・看護必要度等も設定を変えましたけれども、このへんもですね、コロナの影響で受け入れる患者さんの内容が変わってきますと、せっかく決めた基準値が満たせないというようなこともあろうかと思っております。

 それで、そういった調査等も含めてですね、この場で検討していければいいんじゃないかなというふうには思っております。以上です。
.
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 はい。ありがとうございます。
.
〇厚労省保険局医療課・森光敬子課長
 さまざま、ご意見頂きましたので、それも含めてですね、事務局としても検討させていただきたいというふうに思っております。
.
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 ほか、よろしいでしょうか。幸野委員、お願いします。
.
〇幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)
 再度、事務局のほうに確認したいと思います。

 情報共有するっていうことは否定しませんが、診療報酬を絡めて議論することが前提でないということをはっきりと明言していただきたいと思います。
.
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 はい。お願いします。
.
〇厚労省保険局医療課・森光敬子課長
 はい。基本的にはですね、コロナの影響が医療現場にどのようになっているのか、どういうふうに、その状況がなってるのかということを情報として集めてくるということでございます。

 どのような視点で議論をするのかというのは、まさに中医協として、やらなければならない議論というのは当然あるとは思いますけれども、それは中医協としてしっかり議論、どのようなことを議論するのかということは、まさにこの場でも、しっかり考えていただくことでございまして、それは事務局としては、まずコロナの影響、どのような影響が医療現場に与えているのかと。

 それを今、幾つかの委員がおっしゃられた視点から資料を集めた上で、ご提示をするということをさせていただきたいというふうに思っております。
.
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 よろしいでしょうか。幸野委員、お願いいたします。
.
〇幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)
 なんか、あの、ちょっとよく分からない言い方なんですけど、まあ、診療報酬を前提としないということを確認したいと思います。
.
〇厚労省保険局医療課・森光敬子課長
 あの、すいません、よろしいでしょうか。

 診療報酬で、どう対応するかどうかというか、もしくは、その資料の状況を受けて、この中医協で、どのようなことをですね、議論とするべきかというのは、まさに、この場で考えていただくことでございまして、

 資料を提出する、今、言っていただいたように、医療現場がどのような状況になってるのかについては、ある程度、把握すべきだというご意見を幾つかの先生方から頂いております。

 その資料を提示した上で、どのような議論をするかというのは、まさに中医協の中でお決めいただくことだというふうに思っております。

 ですので、この場で何か、どういうことは、どういうふうに議論してはいけないとか、するべきだというようなことは、私の口からは申し上げることではないというふうに思っております。
.
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 はい。よろしいでしょうか。この点につきまして。
 幸野委員、お手が挙がっているようですけど。お願いいたします。
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〇幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)
 はい。まあ、今日は、これまでにしようと思います。「前提にしない」ということで、私は認識しておりますので。

 分かりました。
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〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 はい。ありがとうございます。ほかに何かご意見、ご質問等ございますでしょうか。

 この資料、いつからですか?
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〇厚労省保険局医療課・森光敬子課長
 できる限り、急ぎですね、収集して、まとめたいというふうに思っております。次の、次回には、提出できればというふうに思っております。
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〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
 はい。よろしくお願いいたします。

 本日の議題は以上です。なお、次回の日程につきましては、追って事務局よりご連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

 (閉会)

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