新型コロナウイルスの感染拡大に伴う医薬品の供給体制をどうするか。厚生労働省医政局経済課は3月27日、「医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議」の初会合を開始した。(新井裕充)
開会のあいさつで厚労省医薬・生活衛生局の鎌田光明局長は、この会議のきっかけとなった抗菌薬等の供給不安に触れながら、「さらに、それこそ新型コロナ関係の安定確保も大きな課題となっていると認識している」とし、「一定程度まとまるものがあればまとめる。忌憚のないご意見を頂きたい」と協力を呼び掛けた。
続いて、厚労省医政局経済課ベンチャー等支援戦略室の田中大平室長がこれまでの経緯や諸外国の動向などについて説明した上で「議論のポイント」を示し、意見交換に移った。
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議論に先立ち、座長の清田浩氏(日本化学療法学会理事長)は「抗菌薬に端を発したが、抗菌薬に限らない医薬品の供給停止の問題点、取組に関してお一人おひとりのご意見を伺っていきたい」と述べ、各構成員の意見を聴いた。
約1時間にわたる議論を終え、清田座長は次のようにまとめた。
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「この会は8月ぐらいをめどに、具体的とまではいかない一定の方針を提示することを目的としていると伺っているので、このスライドの5のイメージをもう一度、お持ち帰りいただいて、お考えいただく。次までに各委員の先生方から、この点をこうやったらいいんじゃないかと。こちらのほうは話題を絞っておくので、それに対して、ご意見を考えてきていただく形が効率がいいかなと思う。いろんな角度から問題点がいっぱいあると思うが、『どこからが可能なのか』というのが大事だと思う。各委員の先生方は、その辺にポイントを置いて、次回、ご意見を頂きたい」
会議の模様は以下のとおり。
〇厚労省医政局経済課ベンチャー等支援戦略室・田中大平室長
定刻をちょっと過ぎて申し訳ございません。ただいまから「第1回医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議」を開催させていただければと思います。
構成員の皆さま方におかれましては、大変お忙しい中、ご参集いただきまして誠にありがとうございます。
座長選任までの間は、進行を務めさせていただきます、厚生労働省医政局経済課の田中でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
この会議は、厚生労働省医政局長の意見聴取の場として医薬品の製造・流通に関するステークホルダーや有識者の先生から構成される会議を開催し、抗菌薬、これらをはじめとする医療用医薬品の安定確保策について議論することを目的として開催しております。
医政局長につきましては、大変申し訳ございませんけれども、新型コロナウイルス感染症への対応のため、急きょ参加することができなくなりました。大変恐縮ではございますが、ご了承いただければと存じます。
それでは、開催にあたりまして、鎌田医薬・生活衛生局長より、ごあいさつ申し上げます。
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〇厚労省医薬・生活衛生局・鎌田光明局長
皆さん、こんにちは。紹介賜りました鎌田でございます。本日は、本当にご多忙の折、またいろいろとご制約のある中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
まず冒頭、2つお詫び申し上げなきゃいけないんですが、今、事務局からございましたように医政局長が皆さまのご意見を伺いする場と申しておきながら、諸般の事情によりまいりません。本当に申し訳ございません。
また、代わりにというわけではありませんが、私がまいりましたけれども、実は私も火曜日に異動を告げられまして水曜日に着任したばかりでございまして、正直、医薬品のことはよく、まだ頭に入ってございませんので、とにかく皆さんのお話を聴くことに徹しましてですね、お許しいただければと思います。
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それで、まあ、長くは申し上げませんが、医薬品の安定確保、製薬企業の皆さまはじめ、関係者の皆さまのご努力により、日本では問題なく、大きな問題なく来ているところでございますけれども、この会議のきっかけになりました抗菌薬をはじめとする供給不安もございます。
さらに、それこそ、この新型コロナ関係でですね、そうしたことについても大きな安定確保についても課題となってるというふうに認識しているところでございます。
このため、医療現場あるいはさまざまな立場でですね、安定確保にご尽力いただいている皆さま方のご意見をですね、直接お伺いして、そしてそれをですね、一定程度まとまるものがあればまとまっていくことになるんだろうとは存じますが、
そういったことを目指してですね、安定確保を目指して、皆さまのお知恵を、ご意見、お知恵を伺いたいと思ってるところでございます。
従いまして、ご忌憚のないご意見をですね、頂けますようお願いいたしまして、簡単ではございますが、あいさつに代えさせていただきます。本日はありがとうございます。
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〇厚労省医政局経済課ベンチャー等支援戦略室・田中大平室長
ありがとうございました。本来であれば、構成員の皆さま、お一人ずつ、ご紹介させていただくところではございますけれども、時間の制約もございますので、お手元の座席表をもってご紹介に代えさせていただければと存じます。
また、本日の構成員の出席状況でございますけれども、日本精神科病院協会の平川構成員から、ご欠席のご連絡を頂戴しております。
それでは、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、ご協力のほどをよろしくお願いいたします。
1.座長の選任
続きまして、本会議の座長の選任についてでございますけれども、事務局としては、清田構成員に座長をお願いしたいというふうに考えておりますが、皆さまいかがでしょうか。
(「異議なし」との声あり)
それでは、本会議の座長は清田構成員にお願いしたいと思います。以降の議事運営につきましては、座長にお願いいたしたいと思います。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長、東京慈恵会医科大学葛飾医療センター泌尿器科教授・診療部長)
慈恵医大の清田でございます。ただいま、日本化学療法学会の理事長をやっておりまして、
昨年のですね、セファゾリンの供給停止問題に絡んで、抗菌薬のですね、安定供給の提言を提出させていただきました。その関係でのご指名だと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
今回の資料はもう既に皆さまに伝わってるんじゃないかなと思います。この資料をですね、今日、よく揃えていただきまして、この資料を中心に進めたいと思いますので、最初に事務局から資料の確認をお願いいたします。
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〇厚労省医政局経済課ベンチャー等支援戦略室・田中大平室長
資料の確認をさせていただきます。本日の資料でございますけれども、タブレットにはペーパーレスの会議としております。机の上にタブレットとその操作説明書を配布させていただいております。
現在、マイプライベートファイルという所に画面が開かれているかと思いますけれども、その中に入っている各資料が本日の資料となります。
本日の資料としては、上から議事次第、座席表、資料の1から3、参考資料が1、2-1、2-2-(1)、2-2-(2)、2-2-(3)(4)、参考資料の2-3と2-4、最後に参考資料の3でございます。
議題……。失礼しました。入ってるか、確認、お願いいたします。不備、ご不明な点などございましたら事務局にお声がけいただければと存じます。
2.資料の説明
〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
はい、ありがとうございます。それでは早速、議事に入りたいと思います。
本日の議題はですね、
1番目としまして、会議の趣旨等について
2番目は、これまでの経緯等について、
3番目は、議論のポイント(例)について、
4番目は、その他でございます。
議題1、会議の趣旨等について、事務局から「資料1」のご説明をお願いいたします。
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〇厚労省医政局経済課ベンチャー等支援戦略室・田中大平室長
それでは、ご説明させていただきます。資料の1をお開きいただければと存じます。
この会議の趣旨、背景と、その趣旨をご説明させていただければと思います。
まず、「問題の背景」という所でございますけれども、現在、抗菌薬等の比較的安価な医療用医薬品、こちらの構造的な課題をいくつか挙げさせていただいております。
まず採算性等の関係では、世界的に見て中国あるいはインド、そういった所の数社に医薬品の原料物質、あるいは原薬の製造が集中している状況でございます。
複数の国に、1国だけということではなくて、複数の国にサプライチェーン、製造のラインがまたがっているという状況でございまして、
さらに言うと、現地の環境規制の対策、こういったことで生産のコストが上昇しているという一方で、
市場実勢価格に基づく薬価改定によって採算性が悪化してきているという状況でございます。
さらには、品質基準に対する対応、あるいは追加のコストが発生するといったことで安定供給に関する構造的なリスクが存在しているというふうに認識しております。
先ほど、ございましたけれども、実際に抗菌薬のセファゾリンにつきましては、中国とイタリアでございましたけれども、中国等での製造上のトラブル、これに起因しまして、長期にわたって安定的な供給が滞ったという状況が昨年発生した次第でございます。
このほかのものにつきましても、さまざまな要因で供給不安に陥るという事案が発生してございまして、化学療法学会様ほか4学会から昨年の夏です、8月、安定的な医薬品の供給を求める要請を頂戴してございます。
政府の動きとしては昨年12月にですね、「全世代型社会保障検討会議」中間報告において、「医療提供体制の改革」として「必要不可欠な医薬品の安定供給の確保」という項目が盛り込まれている状況でございます。
こういった背景を受けまして、この医薬品の製造、あるいはその流通のステークホルダーの方、および有識者を集めた関係者会議を開催して、具体的な医薬品の安定確保策について議論したいというふうに考えている状況です。これが会議の設置の趣旨でございます。
同じ内容が、設置要綱ですね、参考資料としてお付けしている設置要綱に記載させていただいているという状況でございます。
事務局からの説明は以上でございます。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
はい、ありがとうございます。ただいまのご説明に対しまして、ご質問、ご意見ございますでしょうか。
これから本題に入っていくわけでございますので、ご質問がなければですね、次の議題にですね、「会議の趣旨等について」、
それから議題3「議論のポイントについて」、これをですね、事務局より資料2・3を使ってですね、ご説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
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〇厚労省医政局経済課ベンチャー等支援戦略室・田中大平室長
まず資料の2「これまでの経緯」ということで、いくつか、事項に分けて、いろいろ分析も含めて事務局のほうで資料をまとめましたので、その資料をご説明させていただければと思います。
1ページ目でございますけれども、目次として、
医薬品の供給の現状、
安定確保を図るための現在の取組と、
諸外国の状況についても少しお調べしてまとめましたので、
この3つについて、ご説明させていただければと思います。
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ページ、次に進んでいただいて、医薬品の供給の状況でございます。
こちらの分析については、厚生労働省のほうに、各製薬企業のほうから自主的に供給不安、欠品に陥りそうな事案が報告されてくることになっておりまして、
例年、50件から60件程度の報告が寄せられている状況でございます。
ここ数年のですね、この2年ですね。平成30年度と今年度に報告があったものについて、原因別、あるいは後発か先発か、そういった分析をですね、経済課のほうで行いました。その結果をまとめたのが資料の2ページの所でございます。
円グラフから順にご説明したいと思いますけれども、まず合計としては2年間で112件報告がございまして、それを原因別に円グラフにしたのが①の所でございます。
まず一番、原因別に見ると、品質問題のところが3割、30%。で、需要増への対応、つまり急激に需要が高まったため、それに対応できず供給不安に陥ったという状況でございますけれども、これも約3割。
GMP基準等への対応。これは環境規制への対応も含まれておりますけれども、製造ラインの移設とか変更に伴うGMP基準の対応、ございますけども、その対応の遅れに起因したものが約2割、21%と、これらが上位を占めている状況でございます。
その右側でございますけれども、先発医薬品・後発医薬品の別ということで、その属性ごとに分析したところでございますけれども、後発医薬品の報告が半数を超えておりまして、先発医薬品は34%。その他、先発・後発の別がない長期に収載されている医薬品について11%でございました。
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次のページに、3枚目に移っていただければと思いますけれども、投与形態の別ということで分析した結果でございます。
内用薬で62%。注射薬が次いで30%。残りが外用薬という状況でございます。
薬価収載からの期間別にまとめたものがその次でございまして、5年ごとに期間、区切っておりますけれども、「5年以内」と「5年超から10年以内」のものが同程度ぐらい。これがだいたい、これで足して半分ぐらいになりまして、
「10年超15年以内」のものがそれよりもやや多いという状況、35%でございました。
コストの面でも分析しておりまして、1日薬価が100円以内のもの、こちらの構成が最も高く、約4割を占めておりまして、500円未満のものがそれに次いで多いと。コストが低いものについて割合が高かったという状況でございます。
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次の4枚目でございますけれども、これが冒頭、ご説明申し上げましたセファゾリンの事例の経緯をまとめたという資料でございます。
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続きまして、現在の「医薬品の安定確保を図るための取組」をまとめたものが5枚目の資料になります。
それぞれフェーズごとに対応をまとめておりまして、全ての医療用医薬品を対象にしてですね、フェーズ、3つに分けて、
まず、供給不安を予防するための取組として3つ。
供給不安の兆候をいち早く捕捉して早期の対応につなげるための取組が2つ目。
最後に、実際に起こってしまった場合の対応として3つ目として、それぞれ図にしてまとめております。
詳細については、それぞれ次ページ以降におまとめしておりますので、それを実際にご説明したいと思います。
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まず、「供給不安を予防するための取組」として、まず製造工程の把握に関する取組でございます。これは6枚目を見ていただければと思います。
個別の医薬品の製造工程については、各製薬企業のほうで把握なり、あるいは管理をされている状況でございますけれども、
今回、抗菌薬に関する4学会からの提言を受けまして、10品目、キードラッグとして重要なものとして提言を頂いておりまして、
それについて経済課のほうで各社さん、あるいは各原薬メーカーのほうに個別に聴き取りをしまして、実際にサプライチェーンがどういうふうになっているのかというところを品目横断的にマッピングをしたものでございます。
資料としてお示ししているものは実際の例というわけではございませんで、こういうふうなイメージで、実際には各企業の情報になりますのでお出しはできていないんですけれども、
こういった形でこう、原料の製造、これで各国、製造ラインがどういうふうに枝分かれしてつながっているかといったところをまとめている状況でございます。
原料製造、で、それを使って原薬製造して、それを最終的に製剤化すると、この3つのフェーズに分けてまとめたものでございます。
現時点で、マッピングした結果の気づきというところ、下にございますけれども、ご提言いただいた10のうち1成分、このベンジルペニシリンを除いて品目横断的に見ていくと、各工程について複数のソース、ルートが確保されている状況でございました。
ただ、このベンジルペニシリンにつきましては、どうしても1ラインになっていると。複数ルートが確保されていないという状況でございましたので、これについては安定確保について検討が必要というふうに考えております。
ただ、複数ルートがあるとはいえ、実際の供給量、あるいは供給のキャパシティ、どれぐらいの供給の量ができるのかといったところをまだ精査できておりませんので、その辺を今後、精査していく必要があろうかというふうに考えております。
原薬製造については真ん中のですね、この緑色の部分については日本国内のほか、南欧あるいは東南アジア、インド、韓国などが散見されている状況でございまして、
一番左の原料の製造。原薬の原料の製造につきましては、この10成分に限った話ではございますけれども、中国が大部分を占めているかなといったイメージでございました。
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次でございますけれども、7ページに移っていただきまして、「予防するための取組」の2つ目でございますけれども、
供給継続の要請と、製造の複数ソース化の推進ということで、こちらについては必ずしも明示的に先発医薬品に対してはお願いしていない状況でございますけれども、
後発医薬品について安定供給の要件について、通知により明確化しておりまして、
例えば、少なくとも5年間は製造販売を継続。収載後5年間は製造販売を継続いただくと。必要な在庫もしっかり確保いただくといったところをお願いしてございます。
実際に、薬価収載する前の、その事前のヒアリングを実施しておりまして、ここで安定供給できるかどうかといったところを確認させていただいているという状況です。
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次の8枚目に移っていただいて、3ポツとして、「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」といったものを作成してございます。
この中で原薬の調達経路、これを複数化することを推奨してございます。
現状のデータがその下の表にまとまってございまして、平成25年度に比べると14%です。3割弱だったところが複数化できている後発医薬品の割合として4割を超えてくるといったところまで上昇してきている状況でございます。
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次に、薬価上の措置ということで9枚目でございますけれども、「低薬価品等の特例」ということで3つ、主に分けられるかと思いますけれども、基礎的医薬品、不採算品再算定、最低薬価と枠組みがございます。
いずれも薬価を下支えする取組でございまして、基礎的医薬品については次の次の11コマ目になりますけれども、
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長期にわたって薬価収載されているもので、累次にわたる薬価改定を受けているもののうち、臨床上の必要性が高い医薬品。
こちらについては、継続的な安定供給が必要ということで、いくつか要件を定めて、その下支えをするという取組でございます。
要件としては、
収載後25年を超えている、あるいは
一般的なガイドラインに記載されていて広く医療機関で使用されている、
過去に不採算品再算定品目になった、あるいは抗菌薬とか、あるいは医療用麻薬、
こういったものが対象になっているという状況でございまして。
平成30年度の改定時点のデータになりますけれども、合計で261成分660品目が対象になっているというものでございます。
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この次の12コマ目、こちらは不採算品再算定ということで、実際に薬価改定を経る中で不採算になっていくといったものが実際にございまして、
それをこう、企業のほうから実際の製造費用のデータを頂いて、それら不採算のものについては薬価の引上げを行うという対応を行っております。
その実例を示しているものが12コマ目でございます。
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13コマ目でございますけれども、こちら、最低薬価ということで、これ以上は下がらないといったボーダーラインを示しているものでございまして、
各規格ごとに局方品と、そのほかの通常のものと、それぞれ最低の薬価が設定されているという状況でございます。
これ以下は下がらないというのを原則として実施しているという状況でございます。
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14コマ目については、昨年の中医協での業界団体からのヒアリングで提出されている資料でございますけれども、
実際、不採算品の再算定の適用で薬価を引き上げるといった取組を行ったあとでも、実際にその後、また下がっていくという状況が起きてしまっているといったところが説明されている資料でございます。
これについて、業界のほうから「下がらないような仕組みが欲しい」と、「仕組みを検討してほしい」といった要望が寄せられているというものを紹介したページになります。
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続きまして、実際にどれぐらい薬価が変わっているかといったところを具体的にグラフにしたのが15コマ目以降のものでございまして、
この4学会の提言を頂いている10成分について、薬価の推移を示させていただいております。
この青いラインが先発品。緑のラインが後発品の1例でございます。代表的なものを選んで示させていただいているものでございます。
いずれもだいたい数パーセントずつ、毎回の改定で下がっていっているという状況が見て取れるというふうに思います。
一部、ベンジルペニシリンについては不採算の再算定を実施して、平成26年から28年にわたって、ここで引上げが行われているという状況です。
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続いて、17ページ目までがその薬価の推移でございます。
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18コマ目が、実際の薬価算定の方式ということで、これは市場実勢価格を薬価調査で調べたものを、実勢価格に基づいて2年ごとに薬価改定を行っているというものを示したものでございまして、
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平均的な乖離率というものを毎回示していて、だいたい8%から9%、全体としての乖離率はあるというのを示しているものでございます。
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次に、「早期の対応に繋げるための取組」として紹介しているのが19コマ目でございます。
これもセファゾリンの事案を踏まえ、受けて、厚生労働省と業界団体のほうで相談した上で作ったものでございますけれども、
各社でのリスク評価ということで、去年の7月からですね、こういったチェックリストを作って、
それぞれの医薬品について、そのリスク、安定供給のリスクがないかといったところを定期的にチェックをお願いしているというものでございまして、
チェックリストの1としては、原薬の安定確保の調達に関するところで、業者がしっかりしているかと、そういったものです。そういった業者の観点からっていうのが左側のチェックリストの1。
チェックリストの2というところが、モノとしての代替性も含めて医療上の必要性、そういったものを、そういう観点でのチェックリストが右側のリストでございまして、
これは各社さんにも定期的にやっていただいて、欠品のリスクがないかといったところを確認いただいて、リスクがありそうということであれば早期に経済課のほうに相談いただくという仕組みをとっておるところでございます。
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次に、20コマ目でございます。これが実際に供給不安に陥った際の対応、これの一例でございますけれども、これは昨年に取った対応でございますけれども、
セファゾリンの欠品に伴って、一部の医療機関において手術を実際に延期したといった深刻な事案が報告されてございまして、
それを受けて、直接ですね、厚労省のほうに医療機関のほうから求めを受けてですね、各社に対応をお願いして、医薬品を提供したといったスキームでございまして、その模式図を示しているのが次の21コマ目でございます。
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前提としては、抗菌薬の適正使用を行っていただくということでございますけれども、
その上で、欠品等に伴って重大なケースが起きるという状況になった際には、厚労省のほうに情報提供いただいて、
代替薬のメーカーさんも含めて約20社に集まっていただいて、協力いただいて、そのお困りの医療機関に直接、卸さんを通じて納入したというものでございます。
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22コマ目以降が、最後に諸外国の状況についても簡単にご説明させていただければと思います。
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これがまず英米独仏、日本に限らず欠品の問題も大きな問題となってございまして、
「後発医薬品の(供給が不安定になる)背景は以下のとおり」ということで、原薬を供給できる企業というのは限定されていると。
売る企業としてはいくつかあるというところでございますけれども、根っこをたどると限定されてきているといったところで、採算性を理由として設備投資を絞り込んだり、撤退するといった状況にあるという分析がされていて。
国別の状況がその下に簡単に紹介されていますけれども、アメリカ、イギリスともに……。
まず、アメリカでございますけれども、アメリカにおいては欠品が生じた際は製薬企業からFDA、規制当局への報告が義務付けされてございます。
そのうち、アメリカにおいては欠品をリストアップして、全てではおそらくないと思いますけれども、計80の医薬品のリストが公表されているという状況でございます。
そうした場合に、FDA直接、各製薬企業と調整して増産を打診する、そういった対応が行われているという状況でございます。
イギリスについて、ここは義務では必ずしもないんですけれども、保健省のほうに欠品の予兆、欠品が起きるといったときには自主的に届出を行うといったところで情報を集約している。
これが平成25年度の調査の結果でございますけれども、その時点では必ずしも公表はされていないという状況でございました。
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次の23ページでございます。ドイツとフランスの状況についても記載させていただいていて、
フランスについて、こちらについても企業に対する欠品の報告が法令で義務付けされております。
それについて、これについてもですね、米国と同様、ホームページに欠品等のリスクの情報、そういったものが公表されているという状況でございます。
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より最近の情報として、最後の2ページにまとめておりますけれども、米国のFDAで昨年10月に取りまとめたレポートがございます。それを最後に紹介したいと思います。
24コマ目でございます。10月に取りまとめられておりまして、グラフを2つ載せておりますけれども、
先ほど紹介した分析に似てございますけれども、FDAにおいても原因別に分析を行っていて、2013年から17年のデータでございます。
163件を解析した結果、品質問題が一番多く6割。次いで需要増が12%という状況でございます。
コストの面で見ても、中央値が9ドルを下回る、安いものについて起きやすいという状況になっているというふうに分析されています。
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続いて25枚目でございますけど、それを受けてFDAの分析でございますけれども、
利益が少ない医薬品、これを製薬企業が提供するインセンティブはなかなかこう、不足していると。
で、サプライチェーンで継続して品質向上するといった取組が確立されている中で、なかなか評価されていないというところも課題ではないかといったところが指摘されてございます。
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この資料の残りは参考資料でございますので、適宜、閲覧いただければと思います。
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議論のポイントを先に、「資料3」として、今日、フリーディスカッションということで、いろいろご指摘いただきたいと思っておりますけれども、
「資料3」として、議論の中でのポイントとして、事務局として、こういったポイントがあるかなというところをまとめさせていただいたのが「資料3」でございます。
ポイントとしては、
安定確保に特に配慮を要する医薬品としてどのようなものが考えられる
か。どのような観点で優先順位を付けることができるか。
2ポツとして、それぞれのフェーズでですね、予防するための取組としてどのようなことが考えられるか。
で、早期の対応につなげるための取組としてどのようなことが考えられるか。
実際に供給不安に陥った際の対応として、どういったことが考えられるか。
こういった視点で、ご議論いただければというふうに考えております。
長くなりましたけれども、説明は以上でございます。
3.意見交換
〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
はい、ありがとうございます。
まず確認させていただきたいのは、抗菌薬に端を発してこういうことが出てまいりましたけど、
抗菌薬も含めてですね、そのほかの種類のお薬ですね、そういうのも含めて供給停止がないようにするにはどうしたらいいかという、一般的なですね、大きな方向性をですね、この会で煮詰めておきたいというのが趣旨でございますので。
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個々のものはもちろん議論しても構わないと思いますけれど、大きな流れをちょっとご理解いただいて、ご議論に参加していただきたい。そのための、各方面の先生方にご参加いただいたということでございます。
ですから、それぞれのご専門の立場からですね、この抗菌薬に限らない医薬品の供給停止の問題点を、ご理解いただいていると思いますけれども、
先ほどのですね、取組に関してお一人おひとりのご意見を伺っていきたいと思いますけど。
まず手を挙げていただいて……、あ、どうぞ。
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〇長島公之構成員(日本医師会常任理事)
はい。日本医師会の長島です。現在、新型コロナウイルスがパンデミックになっているということ。
影響が全世界的に起こるし、なおかつ、かなり長期間に及ぶと想定しなければいけません。
そうしますと、原料、原薬、製造化、全てのところが今、さまざまな国にわたっている。
あるいは、日本国内ですら影響を受ける可能性があるということで考えますと、最悪の事態を想定した危機管理に今、入ると。それもできるだけ早く対応を考え始めるべきだろうと思っております。
1つは、心理的な不安の解消をしなければいけない。実際に医薬品が不足することを予防しなければいけない。3つ目は、残念ながら不足が起こった場合の対応と、これを考える必要があるだろうと。
3つの観点が必要です。まず製造、それから使用、それから流通です。
製造ということに関しては、まず現時点の全ての医薬品の在庫がどれぐらいあるかだけではなくて、製造に関わる各段階における各国の問題が、例えば3カ月、6カ月と長期化した場合に、実際にどのような影響があるかということの予測。これをしっかりしておく必要がある。で、それに基づいた対応が必要になります。
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次に、使用ということであれば医療機関での使用なので、これは学会等にお願いして、キードラッグ、これについて抗菌薬に限らず全ての医薬品に関して、それぞれの病気の治療に関するキードラッグというのをリストアップを始めていただく必要があるだろうし、それの不足が起こった場合の代替策というのも同時に考えていただく必要があるだろうと。これはなるべく早く始める必要があるだろうと思っております。
3つ目が流通ですけれども、これは本当に不足という事態が起こるといけません。まずはトイレットペーパーのように不安によって過剰な在庫を確保しようという動きがあるといけないということで、さっき言った心理的な不安の解消という意味で、きちんと情報を提供するとともに、「しっかり対策します」ということを打ち出す。あるいは、「不必要な在庫の確保はお避けください」というしっかりした働きかけが重要になります。
それから、それでも、ちょっといろいろなトラブル、問題が起こる可能性があるので、しっかり監視して、それに対して調整する必要がありますけれども、
これ、状態が進めばやっぱりアメリカのFDAのように国が一定限の強制力を持って、そこのところの監視をしたり調整するということまで、今のうちから想定した仕組みというのを考えておく必要があるだろう。
いざ、起こってからその仕組みをつくろうとすると時間的に間に合わないので、いま現在働かせる必要はないけれども、それを想定した仕組みは準備しといて、いざとなったらすぐ動かせるという必要があるだろうと思います。
そしてこれは、先日、立ち上がりましたコロナ本部としっかり連携していただく必要がありますし、全世界的な問題ですから、欧米、アジアとしっかり情報連携とかも必要でしょうと。
それから、各企業単独でいろいろな調査とか対策は無理ですので、業界団体、あるいは国として、そこのところをしっかり支援するし、特措法等を用いて、もしも予算措置が必要なら、しっかり予算を付けて対応するということが重要かと思っております。
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今回の議論のポイント、1から4というのを踏まえると、今言ったような新型コロナウイルスという、今そこにある危機というものに対するリスクマネジメント、これを直ちに始めるべきだというように考えております。以上です。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
はい、ありがとうございます。長島先生のご意見に対して何か、「こうしたらいいんじゃないか」とか、あるいは「私もこう思っている」とかって、そういうご意見ございましたら、ぜひ頂戴したいと思います。いかがでしょう。どうぞ。
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〇坂巻弘之構成員(神奈川県立保健福祉大ヘルスイノベーション研究科教授)
神奈川県立保健福祉大学の坂巻でございます。先ほど、諸外国の状況についてご説明ありましたけど、この後、平成25年の調査につきまして、実は私が委員長として実施させていただきました。
今から7年前で、ややもう古い資料でございますけども、当時で、もうすでに諸外国では医薬品の安定供給に関する懸念というものが非常に強く持たれてたということがまず第一でございます。
この状況に関しましては、特に今、改善しているわけではなくて、根本的な原因が改善してるわけではなくて、
安定供給に関してはまず第一に、日本だけの問題ではなくてもうグローバルの構造的な問題であるということをまず共通の理解として持つことが重要だろうというふうに思います。
もちろん、今、長島先生からお話あったように、コロナ対策ということも大変重要な問題ですし、検討すべきですけども、コロナが仮に終息したあとでも、こういった問題は継続して起こる。
この原因の1つは何かと言いますと、やはりその価格の問題です。さまざまな安定供給、欠品の問題の理由はありますけども、価格全体が今、世界的に、特に特許切れ製品に関しては大きく下がってきてるということがございます。
これはもちろん、一面ではバイオ医薬品や再生医療等の高額な医薬品が出てくることによって薬剤費全体をコントロールするために長期収載品、特許切れ医薬品の価格を下げなきゃいけない。このプレッシャーがものすごく今、強くなってるってことがございます。
一方で、特許切れ医薬品に関しても、このコストの部分の高騰というのが非常に大きな問題になってる。
1つは、中国の環境対応に対して原薬を作るための原材料ですね。これは「スターティング・マテリアル」って言葉を使いますけども、「スターティング・マテリアル」のコストが上がってきている。その調達のためのサプライチェーンのコストが上がってきている。
それから医薬品全体がGMP対応で、このGMPが非常に進歩する中で特許切れ医薬品といえども、GMP対応のコストが上昇している。
こういったコストの増加というものが片方であって、一方では薬価が下がるというような、これ、日本だけの問題ではなくて、グローバルで起きてるということです。
こういう中で、原薬を供給する企業も数も減少してきてしまっている中で、単純にソースを複数化できれば、すればいいという議論ではなくて、そもそもソース自体でもう、限定された会社からしか提供できない。
あるいは、ある国において、その国その制度の中で魅力がある市場であれば原体を優先的に出すけども、
ある国で、例えば日本で薬価がどんどん下がっていけば、そこに対して、魅力的な原体を供給するための、魅力的な国ではないという判断されれば、またこういった欠品のリスクが高まるし、実際に供給不足っていうことが起こってくると思います。
ということで、まず第一に、先ほど座長がおっしゃったように、この問題に関しては日本特有の問題ではない。
あるいは、ジェネリック医薬品が経営的にリスク管理を怠っていたから起きている問題ではないということを共通の理解として議論を進めるということが重要だろうというふうに思います。
あと、諸外国の事例に関しては直近の取組として、フランスあるいはオーストラリアが昨年5月に新しいガイドラインを提示しております。
こういったものも参考にしながら、今後、議論していただけばというふうに考えております。以上でございます。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
ありがとうございます。とても重要なポイントだと思います。
とにかく、「何がなくなったら困るんだ」というのは、はっきりさせておきたいとこですね。
医薬品の中で、これがもう、セファゾリンでほんと困っちゃったわけなんですけれども、
各領域の薬剤で、とにかくキードラッグですね。エッセンシャルなものを把握する。これは各学会にこれから厚労省のほうから問いかけていただくということになろうかと思いますし、
コストがどんどんどんどん安くなると。これはもう、コスト……。
医療のですね、コストを下げていこうっていうのはもう大原則になってますので、その中で、どう救っていくのかっていうのはあろうかと思いますね。
先ほどのご意見に対しまして、何かほかの……、はい、どうぞ。
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〇藤川伊知郎構成員(日本薬業貿易協会会長)
日本薬業貿易協会の藤川と申します。今、坂巻先生のほうから細かいご説明ありましたけれども。
まさに生産のコストとか管理のコスト、これは上がってるということについて目が向いてるっていうのは非常にいいことだと思ってます。
サプライチェーンって言うとですね、どうしてもこう、モノの供給っていうことに目が向きがちなんですけども、
サプライチェーンって、実は全部、売り買いでつながっているので、売る人と買う人っていうことで実はつながってて、一方的に供給を受けてるわけではないので、全部ビジネスなんですね。
なので、売る人と買う人、両方、メリットがないと、ビジネスとしては続いていかないという面がありますし。
何て言うんでしょうね。やっぱり、なかなかビジネスライクな部分っていうのもありますし。
われわれ原料を扱ってる、原薬を扱ってるわれわれでも、最終的にはこれは患者さんの体に入るもんだからって意識で仕事はしてますけども。
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これはたぶん、サプライチェーンの上に行けば行くほど、患者さんから離れれば離れるほど、たぶんそういう意識って薄くなっていって、どんどんビジネスライクみたいな形をするなって話になっていきますし、
先ほどおっしゃったように、上流のほうに行くに従ってどんどん、逆に産業的には集約されていって、たくさん作ってる人が多くの顧客に販売してて、まあ、スターティング・マテリアルとかですね、それの一部分をわれわれが買ってきて、最終的に薬になっている。
下手すると、上流の方はですね、薬になってることも知らないっていうようなことも起きてると思うんですね。
なので、われわれ下流のほうからいくと、「医薬品なんだから、ちゃんと供給してくれなきゃ困る」っていう思いはあるんですけども、
ちょっと上流はやっぱりビジネスで、たぶん、つながってるというところはやっぱり忘れないで対策を打たないといけないなというふうに思ってます。以上です。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
はい、ありがとうございます。はい、どうぞ。
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〇関健構成員(日本医療法人協会副会長)
医療法人協会の関でございますが。
三村先生がですね、座長をなさってる、ほかの流通に関する会議(=医療用医薬品の流通改善に関する懇談会)があるんですが、それに出てますとですね、メーカー、それから問屋、そして医療機関っていう、その医薬品の流れはですね、ある程度、追えるっていうか。
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だから現実的にですね、長島先生がおっしゃったように、ある医療機関がたくさんの薬を買い込むとかってことは把握できるんじゃないかと思うんですよね。
だから、それをぜひ、同じ経済課がちゃんとですね、どういうふうな流通になってるかってことを調べれば、ある程度、追えるんじゃないかと。
1つひとつに医薬品に、やはり、きちんとコード化されてるんで、それはどんな流通になってるかってことは追えるんじゃないかと思うんですが、三村先生、いかがなんでしょうかね、それは。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
いかがでしょう。
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〇三村優美子構成員(青山学院大学経営学部教授)
はい。ご質問、ありがとうございます。
今、これにつきましては、少し整理する必要があるというふうに思っております。
今、パンデミックどうするかで非常に大きな問題があるんですが、それはちょっと置いときまして。
最近は流通の世界において、1つは従来の流通のやり方とか方法論で十分なところと、
それから今回のような事例とか、
あるいは非常に高コストであるとか、ハイリスクであるとかっていう、
そういう薬剤がおそらく相当に入ってきて、そこでいろいろな供給上のミスマッチが起こりうる可能性がある。
つまり、全体として流通においても一種のハイリスクが起こってきてるという、少し、感じを受けております。
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先ほど、実はですね、お話の中で「キードラッグ」という言葉があったり、あるいは、ちょっと印象としてはなんか、「特別注意品目」といったような言葉が必要になるかもしれないんですけれども、
私が非常に興味を持ちましたのはここのところで、リスク評価をされている。このリスク評価は非常に重要な、あれだと思います。
それはおそらく従来のような「欠品が起こりそうな」っていう意味でのリスク評価も当然必要ですけれども、
おそらくこういったように、まあ、本当に原液の問題から来るような、本質的なリスクが抱え込んだ問題とか、
そういうことを踏まえましたときに、このハイリスクのものに関して、何か「特別の供給の体制」をちょっとつくっていく必要があるかもしれないというふうに思います。
メーカーさん、卸さん、医療機関の取引関係におきましては、どの薬剤がどのくらい、いつ、どのぐらいそこの所で納入されたかっていう情報っていうことは確かに大丈夫なんですけれども、
先ほど、セファゾリンのなんか、事例、ありましたよね。偏在とか、あるいは特定の時にちょっと供給がやっぱり止まったときに、そこにおいて、やっぱり偏りが起こったときにどうするかという大きな問題があります。
それは今の仕組みの中において、やっぱりどうしても起こってしまうという感じがいたしますので、こういったような非常にハイリスクの、そういった評価が出された品目、
あるいは厚労省側から非常に欠品が起こるような可能性があるといった品目については、メーカーと、それからここのところにありますように、
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卸と、このスキームの21なんですけど、医療機関全体として、実は情報共有という形をできるだけさせていただくような、そういう仕組みがあるだけで違ってきます。
それから在庫につきましても、できたらこれも、それから、特定のところに偏らないようにというようになりましたら、ここの卸さん、どうしても取引の状況中で特定の医療機関に約束したものを届けなきゃいけないという約束の中で動いてらっしゃるんですけれども、
ある特別品目に関しては、それを少し外していただいて、全体として、なんか融通できるような、そういったような形がもし、ここで例えば、ルール化できればとか、そういったような形の中で調整できる形があるだけでも、ずいぶん話が違ってくるかなという感じがいたしますので、
従来のものであればちゃんと追えるんですけれども、こういう緊急事態とか、緊急にこう、偏在が起こったときには、やっぱりそれなりのルール化とか仕組みは必要ではないかというふうに考えております。以上です。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
ありがとうございます。とても参考になるご意見だと思います。ほかに、どうぞ、川上先生、どうぞ。
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〇川上純一構成員(浜松医科大学医学部附属病院薬剤部長)
浜松医科大学で薬剤部長をしております川上と申します。
「資料2」の最初の所で、供給不安、欠品に陥った事案の製品について、いろいろ、先発・後発別とか1日薬価別などの分析していただいてて、どうもありがとうございます。
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なんとなくこういったものを見てて思ったんですけれども、
例えば、代替薬があるのかないのかとか、あるいは、
補充療法のような形で使っているもので、それが無くなったことが患者さんの病状とか、場合によっては生命に重大な影響がある薬なのかどうなのかとか、
あるいは逆に、市場占有率が、これ、先発でも後発でも同じだと思うんですけれども、極端に高いようなものがあれば、販売される企業さんにとってみると、
例えば、薬価戦略等で市場占有率を高めるとかいうのは、すごく企業活動としては有利なのかもしれませんけど、
そういうものが急に供給できなくなったときの現場へのインパクトはどうなのかとか、
やっぱり、個々の医薬品の置かれている位置付けとかですね、そういうものによっても供給不安とか欠品に陥った事案が現場から見たときにすごい重大なものなのか、それともほかでいくらでも補えるようなものなのかって、やっぱり変わってくるかなっていうふうに思います。
ですから、できたらそういった重大なものがどういう理由で起こったのかなっていうところも少し分析していただくと、今後の対応を考える1つの方策になるのかなと思います。
例えば、別にセファゾリンとかセファゾリンを作っているメーカーさんが悪いわけではないと思うんですけれども、
そういったセファゾリンの供給不安みたいなものが諸外国でも同時に起こったのか。
で、諸外国はじゃあ、どう対応したのか、みたいなことは参考になるかなと思いますし。
そういう意味では、諸外国で同じことが仮に起こってないんであれば、もしかしたら、原薬とか原料の供給は海外でやったとしても、もしかするとグローバルではない日本固有の問題がそこにあるのかもしれないかなあというふうに思いました。
それとあと、どうしても話をしてると、「メーカーさんが何をすべきか」とか、または「行政としてはどういうことを対応すべきか」という、
そういった大きな2つの視点でこう、資料がまとめられているなあという印象はあるんですけれども、
一方で、現場サイドとしてはですね、こういった企業さんから供給不安とか、あるいは出荷調整があるかもとか、いろんなそういう情報が入ったときに、実は医療機関の中で、ものすごく薬剤部門、薬務室とか医薬品管理室とか、名称はさまざまなんですけれども、対応しています。
実際にはメーカーさん、あるいは契約している卸、場合によっては契約していない卸さんからも、どういう状況で、いつぐらい、そういう状況なのか、いつ再開できるのかとか、実際、在庫あるのか、で、自分の所に納品していただけるか。
医療機関の中では、そういった患者がどのぐらいいるのか、いつどのくらい使用予定があるのか、これを各、使われる診療科の先生方、全てにこう、お聴きをしてですね、実際の使用状況に応じて確保ができるのかとか、
相当、いろんなことの対応をしています。場合によっては文書を発出するのか、処方オーダーとか注射薬オーダーのマスターを停止しなければいけないのかとか、ひとたび供給不安とか出荷調整という情報が入っただけで、すごい、中のスタッフがいろんな仕事をしているんですね。
だから、そういったところにも目を向けていただいて、逆に、またメーカーさん、行政として医療現場をどうサポートしていただけるかっていうあたりもですね、できましたらご議論いただけるとありがたいなと思ってる次第です。以上です。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
ありがとうございます。えーと……、先に……、どうぞ。
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〇安部好弘構成員(日本薬剤師会副会長)
はい。日本薬剤師会の安部でございます。私は町の薬局の薬剤師でありますので、今回、1つの問題になってるセファゾリン、オペとかですね、入院中に使う薬剤については薬局では取り扱いがなかったわけでありますけれども、大変大きな問題だというふうには認識してございます。
薬局の立場で、このような供給が不足して大変困った記憶がちょっとあるのはですね、東日本大震災の時にいわきの工場が閉鎖されて、レボチロキシンナトリウムは供給されなくなったと。
これも甲状腺の病気を持ってる患者さんにとっては大変、命に関わる問題でございましたので大変困った記憶があるんですが。
確か、その当時はサンド社のレボチロキシンを緊急輸入して供給して難を逃れたということの記憶があります。
今日の、この資料ですね、2日前に頂いて読んでいるうちに、それを思い出したわけでありますけれども。
そういった意味ではですね、レボチロキシンはどうなってるのかな。もちろん今は供給十分になっているわけですが。
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今日の資料の中にも「基礎的医薬品」というものがありまして、基礎的医薬品と薬価の関係というのも資料としてありますが、
実は私も今、ちょっと、うる覚えで十分調べてないんですが、レボチロキシンは基礎的医薬品になっていて局方品になっている。確か値段がですね、9.8円なんですね、25マイクロ、50マイクロ。
そうすると、最低薬価の以下になっているというような状況も、今、あれ、どうなってたかな、というのはちょっと、あとでもう少し調べてみたいなというふうに思っております。
それから、今日の資料の中で、開局薬局のほうから意見を言わせていただきますと、
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資料の2ページの所に、供給ができなかった原因というのの中にですね、「需要増」というのが29%、示されております。
これは薬局で仕事をしていると非常にイメージができるんですが、後発医薬品が販売されて、過去には2年も3年もかかって後発医薬品に切り替わったものが非常なスピードでですね、切り替わる。
そうすると、後発医薬品メーカーが予測してるような在庫量、流通量では十分に足りなくなって供給できなくなる。
これは、1社だけが供給する場合も、全然供給されなくなる問題がありますし。
それから、他社がたくさんの後発医薬品をいっぺんに作った場合にはですね、1企業の持っている在庫は当然少なくなるわけでありますから、そういう供給減が多くなる。
こういった面はですね、新たな後発品の使用促進に際して起きるような供給不足ということでありますので、これは新しい問題として分析せにゃいかんかなというふうに考えています。
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それから今日の資料で、セファゾリンの問題でありますが、6ページの所で、製造工程の把握の関係でマッピングをして調べていただいた、非常に分かりやすい資料を頂いているわけでありますが。
確か、セファゾリンについては中国で原薬の原料のテトラゾール酢酸が供給されない。それがほぼ1箇所でしか供給されなかったので、という問題があるんですが、それがもうすでに片付いているのかなあ。
ここでは、ベンジルペニシリンだけが重層化されてないというふうな記載があるので、もうそれが解決されてるのかなあっていうのが、ちょっと、知識として疑問なところがございます。
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それから関連して15ページにはですね、4学会さんが提言して、抗菌薬成分の薬価の推移を調べたデータがありまして、
15ページの④には、ベンジルペニシリンの薬価を引き上げているというデータが出ておりますけれども、
一方で、薬価の引上げをしたのに、ベンジルペニシリンだけが重層化の対応ができてないというところが、薬価の問題とどういう関係を考えればいいのかというのは少し疑問になってるところであります。
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それから、もう1つ、先ほど申し上げたレボチロキシンの問題もちょっと思い起こした上でですね、31ページの資料を見せていただきますと、
原料はどこから供給されているかということで、外国からの供給というのが問題、リスクが、今回のセファゾリンのような、ある、イメージでありますが、
一方ではやはり国内でですね、1箇所で製造していた、安定していても10年前には震災で供給されなかったっていう事実もありますので、
そういった意味で、どういう重層化が必要なのかというところは、そういったものを分析していく必要があるのではないかというふうに思っております。
それから、長島先生がおっしゃったコロナの問題について、大変重要な問題で、これと一緒に混ぜて議論してしまうといけないと思います。
何て言うんでしょうか、コロナのほうがより重要な、早急な問題かと思いますので、そこは整理して考える必要があるかと思っております。以上であります。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
はい、ありがとうございます。ただいまのポイントは、いくつかありましたね。
中国での製造の問題は解決されてるのか。
それからベンジルペニシリンですか、の件に関しては、薬価がすごい上がっているにもかかわらず、こういう動きしてるって、どうなんだっていうのは、田中さんのほうからちょっと、ご説明いただければと思いますけど。
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〇厚労省医政局経済課ベンチャー等支援戦略室・田中大平室長
まずセファゾリンの件でございますけど、テトラゾール酢酸の問題について、日医工さんにお伺い、確認させていただいたところですね、その件については現在は解決されているというふうに伺っております。
あともう1つのご質問、不採算(品再算定)で上げているのにソースが複数になっていないのではないかというご指摘について、
複数ソース化を前提にコストを調達しているわけでは必ずしもないので、その当時、不採算の状況にあって、その当時の製造のコストというところを踏まえて薬価を引き上げたものというふうに思いますので、
必ずしも、複数ソース化を前提とした薬価には必ずしもなっていないというところは、そうかなと理解はしています。
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〇安部好弘構成員(日本薬剤師会副会長)
はい。理解はしました。
もう1つ、お願いというか、今、忙しいので時間、かかってもよろしいんですが、
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この15ページの所の、薬価の推移が出てるんですが、この薬価の推移を見るときに、
後発医薬品と先発医薬品のシェアが分からないと、どのくらいの影響があるのかというイメージもつきませんので、
できればシェアなども教えていただければというふうに思います。これはお願いでございますし、急ぎませんので、よろしくお願いします。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
じゃあ、これは次回、もし次回までに間に合えば資料として提出させていただきたいと思います。
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〇厚労省医政局経済課ベンチャー等支援戦略室・田中大平室長
はい、分かりました。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
よろしくお願いします。
先ほど、お手を挙げられた……。ちょっと待ってください。
成川先生ですか。大丈夫か。ありがとうございます。ほかにご質問、ご意見ございますでしょうか。どうぞ。
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長島公之構成員(日本医師会常任理事)
先ほど、ご指摘がありましたけども、ここの会議は本来的には、根本的な構造的な問題をしっかり議論するということで、これは時間をかけてしっかりする必要はあると思いますが、
一方、コロナの問題はじっくり時間をかけていると間に合わないし、構造的な問題でも解決ができない問題なんで、
ここは、ここの会議体にはなじまないかもしれないので、また実務的な話でもありますので、厚労省の中にこれに関係するような部署なり担当者になりをしっかり決めていただいて、そこで迅速に対応していただければと思います。
さっき言った、この製造の面、それから実際に利用する医療現場の面、それから流通の面、ここのとこから、しっかり実務的な話を進めていただければと思います。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
はい、それはまあ、また、情勢がどんどん変わると思いますけれど。
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〇厚労省医政局経済課ベンチャー等支援戦略室・田中大平室長
はい、おっしゃるとおりなので、喫緊の課題として、コロナ対策について衛生材料とか衛生薬品と……。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
コロナは本当に余計で……。(苦笑) 困っちゃってるんですけど……。
まあ、コロナも含めてですね、しっかり危機管理をやっていかなきゃならないというふうに思います。
私からは先ほどですね、坂巻先生がおっしゃってた上流の問題ですね。確か、上流の企業が絞られてくると。藤川先生かな? 絞られてくると。
そこでコストが、コストを上げてくると。足元を見て。そういう感じなんでしょうかね?
そうすると、こっちは薬価が下がってるから困っちゃうと。
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〇藤川伊知郎構成員(日本薬業貿易協会会長)
そうですね。上に行けば行くほど、よりケミカルというか、化学品ですので大量に同じものを作って、たくさんの所に供給してて、そのうちの一部がたぶん、医薬品になったりしてるという状況なので、
向こうにしたら、たくさんあるお客さんのうちの、ちょっとだけ買ってくれる人っていうような位置づけになってるケースもあって。
なまじっか、例えば、「医薬品なのでちゃんと供給してください」って言うと、「じゃあ、買わざるを得ないんだな」って話になって、足元見られる時もありますし、ちょっとそこは難しいところなんですけども。
まあ、いずれにしても、上流に行けば行くほどビジネスで、例えば多く買ってくれれば安くなるとか、あんまり無理ばっかり言ってると、いざという時に分けてくれないとか、そういったことは起こりがちなんですよね、割とね。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
上流を、まあ、ダブルソースなり、上流を育てるっていうか、こちらのほう、日本のほうでですね、そういうような作業ってのは、行われないんですか?
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〇藤川伊知郎構成員(日本薬業貿易協会会長)
おそらくですね、技術的にはできるんですけど、投資、要するに設備とかの投資ができるかっていうと難しいと思います。
特に、上流は本当に大きな化学工場になりますので、かなり設備……、投資の金額ってのは大きくなると思います。
今でもですね、例えば、中国……。
インドの、よくあるのは、インドの中間体が中国のスターティング・マテリアル、使ったりとかしてるんですけども、
今回、こういう問題が起きたりとか、その前にも中国が値段を上げてきて、インドが自分で作ろうかっていう話とか、ヨーロッパの原薬メーカーが自分で中間体を作ろうかっていうような動きも、ここ1、2年であるんですけども。
例えば、ヨーロッパの原薬メーカーは、昔は中間体から作ってたので中間体を作る技術はあるし、
技術はあるんだけど設備を今から作るのはやっぱり現実的じゃないよねっていうことで、結局もう、買わざるを得ないっていうような状況になってますので、
まあ、なかなか、最初からとか途中からでも作るってのは難しい。コストの面ですけど、難しいんじゃないかなと思います。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
なるほど。この点に関しまして、よろしいですか。はい、どうぞ。
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〇長島公之構成員(日本医師会常任理事)
市場規模とかの点で日本の意見というかが、どれくらい反映させていただけるのかというような点はいかがなんでしょうか?
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〇藤川伊知郎構成員(日本薬業貿易協会会長)
もちろん、モノにもよるんですけども、やっぱりアメリカとかのほうに、どちらかと言うと量が出るという意味では、目が向いてるのかなっていう気はします。
インドにしろ中国にしろ、原薬等を輸出するメーカーという意味ではですね。
なので、別に日本が決して小さいというわけでもないし、日本は非常に品質を重視しますので、日本に買ってもらってるっていうのは、ある意味、原薬メーカーにとっては、何て言うんでしょうかね、対外的に誇れることではあるんですけれども、
ビジネス的に量がどうかって言われると、やっぱり、そりゃ、アメリカとかですね、ほかの国に比べると若干少なくて、バイイング・パワーという意味では少し弱いというのは否めないです。
あともう1つは、さっきの、ダブルソースにしちゃうと、もっとバイイング・パワーは実は下がるので、必ずしもじゃあ、なんでもかんでも複数ソースにしたらいいかって言うと、そうでもないというような事情もございます。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
はい、どうぞ。
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〇坂巻弘之構成員(神奈川県立保健福祉大ヘルスイノベーション研究科教授)
今、アメリカの話が出ましたけど、アメリカが、価格が全く公定価格じゃなくて企業の売値で値段を決めることができるんですね。
ですから、供給が少なくなってくると、実際、数年前にテレビでもニュースでもやってましたけど、いきなりジェネリックの値段が400倍に上がったとかですね、そういう価格で、価格をつり上げることによって原材料を購入すると。そういうこともできる。そういった特殊な国なのかなっていうふうに思います。
で、ちょっとすいません、今まで長島先生、川上先生のほうからも情報提供については、おそらくこの中でも非常に重要であるということについてのコンセンサスはあると思うんですけども、
先ほどちょっと、オーストラリアが昨年5月にガイドラインを公表したという話をしましたけども、それを見ていくとですね、情報提供で2つあります。
1つは、全ての医薬品に関して供給不足が予想される場合には、それをメーカーが情報をTGA、日本でいうPMDAに相当するとこですけども、そこに情報を出せと。これが1つですね。
もう1つは、ウォッチング・リストっていうのがありまして、これは先ほどからお話あるように、日本でいうとキードラッグでしょうかね。特に医療上重要なものについて、その情報を常にウォッチングすると。
2つこう、分けてます。ですから、ここで議論するのは、日本においてはまず重要な薬について情報提供をどうするのかっていうのが1つ。
あるいは、そうじゃなくて全てのものについてそういった仕組みをつくるのかっていう議論。この2つに分けて考えることがいいんではないかと思います。
それから、このオーストラリアのガイドラインを見ますと、全ての医薬品についてそうなんですけども、
医療上の重要なものに関して、事前に予想された場合には、例えば、医療上重要なものに関しては12カ月前までに情報提供しろと。そうでないものは半年前でいいと。そういうようなことの記載があります。
原因によって、例えば、コロナであったり自然災害であったりっていうことについては事前に予測することは難しいわけですけども、
事前に予測することができる場合には、いかに早く情報を企業から当局にデータを出してもらうか。こういった、何か起きたとき、あるいは起きる直前にその情報を提供するんじゃなくて、そういったことが予防できるように、いかに早くその情報を提供してもらうか。こういった議論も少ししたほうがいいのかなっていうふうに感じております。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
ありがとうございます。いろんな方面からですね、ご提案いただいて。
はい、どうぞ。
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〇原靖明構成員(日本保険薬局協会・流通適正効率化委員会委員)
保険薬局協会の原と申します。先ほどのお話で、なかなか日本には原薬が入ってこないというお話があったんですけども、バイイング・パワーのお話が出ましたが、
たくさんの会社が作ると1個1個弱くなるのか、もしかして集中して買うと、それでも日本の規模だと駄目なのか。
分散化するという意味では、いくつかの会社があったほうが安心もすると思うんですけれども、
やっぱ、集中することによってコストもまた下げられたり、いろんなことが機動的に動けたりするのかなというのがまず第一点のところと。
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もう1つは、安部先生のお話がありましたけども、3.11の時に本当にいろんなことが起きまして、流通の話に関して言えば、あの時に起きたことがもしかしたら1つの対策になるのかなと。
あの時、起きたことはチラーヂンの問題が非常に大きくて、1箇所で物を置いてたために、そこから取り出せなくなったら、どんなことが起きたかっていうことが1つですし。
エンシュア・リキッドに関しては、物はあるんですけども缶がなくなったっていうことで、入れ物が無いだけで供給ができなくなったとか、そういうことがございましたので、
そういうところもまた見ながら、そこは今日、一條委員が、東北で一番活躍された卸さんがいらっしゃいますので、そういう情報がたくさんあるのかなと思っております。
それと今回のコロナの事件で吸入薬が効くということで一気に動きましたけども、先ほど長島先生がキードラッグのお話をされましたが、
キードラッグを大事にするんですけども、本当に足りなくなった場合の優先順位っていうのはもしかしてあるかもしれなくて、
例えば、今回の吸入薬も、ただの喘息の患者さんには申し訳ないけどコントロールはいいんだけど、ちょっと違う薬で代替できないかなとかいう考え方とか、そういうことも踏まえて原薬の複数ソース化というよりも、も大事なんですけども、
治療にあたっての複数の考え方とか、これはもしかしたら日本国中含めたフォーミュラリーになるのかもしれませんけども、そういうのはぜひ、学会とかでやられるといいと思いますし、
薬剤師は、やはりそういうところに関して言えば、体内動態とかが得意ですので、ぜひそういうところでも職能を発揮したいと思ってる薬剤師はいっぱいますので、そういうところで取り組んでいけたらいいかなと持っております。以上になります。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
ありがとうございます。いろいろな所からいろんなご意見を頂いて、皆さん、だいたいイメージができ上がってきたんじゃないかなと思いますけれども。
ほかに、はい、どうぞ。
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〇長島公之構成員(日本医師会常任理事)
情報提供、極めて重要なんですが、その出し方と、その時のサポートというか、なんか混乱が起こらないような対応性をしとかないと、
トイレットペーパーが品不足になるというようなことも起こるので、当然、当局にはしっかり、できるだけ正確に早く出してもらうけれども、それを一般に公開するときには十分な配慮が必要ですし、
特に、極めて異常な状態の時には、さっきも申しましたけれども、FDAのように国が一定の、ある程度の強制力を持って調整できるというような状態も事前に準備をしとかないと、なんか大きな混乱が起こると困ると。
その辺を、いくつかセットで考える必要があるかというふうに思ってます。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
この点につきましては、いかがでしょう。はい、どうぞ。
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〇蛭田修構成員(日本製薬団体連合会品質委員会委員長)
日薬連の蛭田と申します。よろしくお願いします。今の議論ですけれども、まず情報提供のところですけれども、
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お手元の資料の19ページにチェックリストがございますけれども、これは日薬連と厚労省と協力して、原薬の安定調達に関する視点と、この医療上の必要性に関する視点ということでチェックリストを作成して自己点検をお願いしてる件でございます。
このチェックリストの2番の「医療上の必要性等に関するチェックリスト」、このところをもうちょっと精査していって、本当に何が必要なのかということを今後見ていく必要がある。それに関しましては学会等と検討していきたいと思います。
このチェックリストに基づいてチェックをいたしまして、欠品の可能性があるという場合には、そのあとに出てきますセファゾリンのときの調整スキームがございますけれども、
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それを模した形でですね、現在、2月のコロナ以降、急きょ「安定調整スキーム」というのを日薬連の中で作っております。
それで、もしも欠品の情報があるということが分かってきました場合は、行政と厚労省と日薬連と協力して、医療機関等へ情報提供していきましょう、というような、今、形を作っておりますけれども、
今後ですね、これに関して、もうちょっと今のご意見も入れて、行政とも協力をして、もうちょっとアジャストしていくというか、もっと実用……。
先生方にもご安心できるようなものというのを、これをベースに作っていけたらなというふうに業界では思っております。
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もう1つ、先ほど、1つだけ、先ほどの議論で、バイイング・パワーの件ですけれども、もう1つ、われわれが問題だと思ってるのが医薬品の規格の問題がございます。
医薬品、ほとんどが欧米向けということで……。
欧米のバイイング・パワー、強いんですけども、日本向けの部分だけ、どうしても規格が厳しい部分がございまして、欧米向けの原薬とは別の規格のものを作ってくれっていうような発注の仕方をすることが多いんですね。
そうしますと、やはり、同じものを作っていて、7割、8割は欧米向けで、日本向けの1割だけ別の規格で作ってくれって言うと、やはりそこは欧米向けに比べて相当、値段を上げられてしまう、というような現実があるということも、ちょっと付け加えさせていただきます。以上でございます。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
はい、ありがとうございます。ほかにどうなたか、ご意見。はい、どうぞ。
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〇成川衛構成員(北里大学薬学部教授)
先ほどの情報提供の問題は非常に重要でありまして、やはりこういう場で、きちんと議論したほうがいいと思ってるんで。
その前提として、きちんとした情報をどう集めるかというところも重要だと思っていて。
先ほどの事務局からのご説明ですと、さっきの調査結果は自主的な報告だっていうことがあったんですけれど、
今、何て言うんですかね、企業の方から供給が今後不安になるような懸念があるときに、なんか、どんなルールで、どれくらいの強制力をもって報告をしてもらってるのか、詳細は知らないんですけれど、
その辺をきちんと把握をできるようなシステムをこの際に、事前につくっておくということも1つ重要なことかなっていうふうに思ってます。以上です。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
ありがとうございます。ありますか。どうぞ。
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〇松本哲哉構成員(国際医療福祉大学医学部感染症学講座主任教授)
国際医療福祉大学の松本と言います。4学会の提言に関わらせていただいたので、セファゾリンに絡んで少しお話をさせていただきたいと思いますけども。
基本的に、日医工さんとよくお話をさせていただいて、基本的にはもう、もともとの薬の、中国ですとか、あるいはイタリアですとか、そういったもう、外国に頼るしかない。
で、それ以外の、ほかの抗菌薬もほぼほぼ、もう国内で作られているのはないというような状況で、
先ほどおっしゃられたように、日本はかなり製品の基準に対して厳しい条件を課してるっていうのもありますし、
さらに薬価もどんどんどんどん下げていくということで見ると、かなりその、抗菌薬を作っている企業からすると、もう、ある意味、「撤退したい」っていうぐらいの所も多々あるんじゃないかと思われます。
.
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ましてや、セファゾリンなんかはもう1グラム108円だったということで、全然、採算にも見合わないぐらいの状況まで下げられてきておりますので、
このままずーっと、ほかの抗菌薬もですね、同じように値段を下げられて……。
一部、ちょっと今回、改定して見直していただきましたけども、このまま、ほかのお薬と同じようにずーっと下げられていきますと、もう新しい薬もほぼほぼ出てこないような状況の中で、かなりもう、すでに、
例えば、お金の問題ではないのかもしれませんけど、薬としてかなり肺炎球菌に有効なカルバペネムでもありましたが、もう使えなくなってしまいましたし、
アジスロマイシンの1回の内服も、もうなくなったと思います。
そういうことで、表にはあんまり出てきませんけども、抗菌薬、だんだん種類が減ってきております。
その中で、さらに厳しい状況の中で作っていただいて頑張っておられる会社もありますけど、
そのまま企業努力の中に、お願いし続けたままでいいのか。
ある程度は、特定の薬品に関してはサポートしていただくような……。
今回、ちょっとは見直してはいただきましたけども、そういうような、こう、キードラッグをもうちょっとですね、厚くやっていただけるようなことをぜひ、ご検討いただければと思っております。
▼ 正論すぎたか。しばらく沈黙。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
失礼しました。えーと……。これは田中さん、いかがでしょうか?
ある程度、上げていただいて、今回はですね。
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〇厚労省医政局経済課ベンチャー等支援戦略室・田中大平室長
はい。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
えー……。頑張っていただいたとは思いますけど。
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〇厚労省医政局経済課ベンチャー等支援戦略室・田中大平室長
今回の4月からの薬価でございますけど、改定の時に不採算再算定を実施した抗菌薬、3つございました。
この10個のキードラッグのうち3つ、対象となったもの、ございます。それ、紹介させていただければと思いますけども。
まずセファゾリンナトリウムでございますけども、改定前の薬価が107円のところが改定後が180円。はい。
で、セフメタゾールナトリウム、こちらについても243円だったところが449円。
あと、メロペネム水和物、こちらについても866円だったところが887円という形で、不採算再算定で対応させていただいているという状況でございます。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
はい。ああ、あの、いっぺんにではなくて、徐々に可能な所から上げていただいてるというような状況だろうと思いますけど。
まあ、先ほどの……。
川上先生もそうでしたね。
長島先生なんか、トイレットペーパーの話、なさっていて。
▼ 今後の議論の流れを模索しているのだろうか。日本の制度がガラパゴスで海外から相手にされない、グローバルスタンダードではないというような話題に展開するかどうか注目。
結局、足りなくなっちゃった、足りなくなりそうだ、というのを早く教えて欲しいと。これはまず1つありますね。
ですけど、それはどれだけ、それを国内に在庫があるのかっていうのも不安を払拭するのに大事だと思うんですけれど。
備蓄っていうのは、スウェーデンなんかでやってるっていう……。
日本では今、アビガンを備蓄してるんじゃないかと思いますけど、国が備蓄するっていうのは一般的にですね、まあ、どこまで何が可能か、考え方とか基本的な考え方あるかどうかは、ちょっと、林さんあたりに伺いたいんですが。
▼ ちょっと無茶ぶりに近い。
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〇厚労省医政局経済課・林俊宏課長
は……。
あの……、すいません、詳しくは調べていないんですが、私の承知している限りでは、今、国が特定の医薬品を備蓄しているのは新型インフルエンザの発生した際に、インフル薬ですね、こういったものが確保できるようにですね、一定量の備蓄をやってるということはやっておりますが、
それ以外のものについては特段、国が薬を、一定の薬剤を備蓄するということはやっていないということです。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
どうぞ。
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〇長島公之構成員(日本医師会常任理事)
キードラッグに関しては、理想的には国内生産にできれば理想的だと思いますが。
あと、業界の方に教えていただきたいのは、どういう状況、条件になれば国内生産にできるのかと、どう、お考えか、教えていただければと思います。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
いかがですか。あ、どうぞ。
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〇蛭田修構成員(日本製薬団体連合会品質委員会委員長)
とりあえず私のほうからお答えさせていただきますけど、やはり基本的には価格だと思います。
同じもの、例えば、ペニシリン等、20年前まで国内で作ってましたけども、国内で作ることを試算しても、だいたい海外で作る価格の4倍から5倍ぐらいの価格になってくるんじゃないかなというふうには試算されてます。
そういうこと考えますと、やはり、まずは国内で作っても、国内で作った原薬を使っても十分に、まあ、少なくとも、「儲かる」とは言いませんけども、赤字にならないレベルの薬価を付けていただくということが必要なんじゃないかなというふうには思っております。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
だそうです。はい、どうぞ。
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〇藤川伊知郎構成員(日本薬業貿易協会会長)
あと、例えば抗生物質とかですと、やっぱりコンタミの問題とかもありますので、例えば専用棟を作んなきゃいけないとか、いうことになると、おそらくまた国内でね、作るってのは非常にコストの面では難しいというふうに思います。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
抗菌薬以外の薬剤は、ほかの生産ラインを応用したりなんかはできるんですね。
ありがとうございます。はい、どうぞ。
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〇寺島徹構成員(日本ジェネリック製薬協会薬制委員会副委員長)
ジェネリック医薬品協会(ママ)からまいりました寺島でございます。
国内生産への移行に関してはですね、抗生剤以外でもちょっと検討したことがございまして。
例えば、H2ブロッカー、まあ、古い薬なんですけれど、昔は日本で作ってましたけれど、今も海外から輸入ばっかりですと。
それを具体的に引き戻すことを試算したことがあります。10倍の値段になりました。
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理由は、全世界に供給している製品、それが何十トンもありますと。日本で生産しようと思うと、たかが1トンぐらいのものをですね、上流の原料を少量買ってくるためにですね、その原料の値段が海外に出している製剤の値段と同じ値段から始めるというような状況になりましたので、そっから作り始めると、もう、とんでもなく高くなりますというのが原薬メーカーからの回答でした。
それに対して設備投資をするということになると、もうそれに対して耐えられないというような話がございました。それが現実の話でございます。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
はい、ありがとうございます。どうぞ。
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〇坂巻弘之構成員(神奈川県立保健福祉大ヘルスイノベーション研究科教授)
ちょっと、薬価の話、出たんで一言……。一言で済むかな。(苦笑)
やはり価格が下がると安定供給に影響を及ぼす。これは冒頭、申し上げましたけども、世界的なと言うか、特にヨーロッパでは見られてることです。
こういう状況に関して、やはり、「ヘルシー・コンペティション」という言葉をヨーロッパで使ってましたけども、健康な競争が必要であると、こういう議論があります。
先ほど、チラーヂンの話、何でしたっけ、甲状腺ホルモンの話、出ましたけども、最低薬価を下回ってしまうようなものがどうして出てくるんだろうか。
今の薬価制度をどうするかっていうのはおそらく医療課の議論で、ここでなじむかどうか分かんないですけども、
ここの議論としては、ヘルシー・コンペティションが起きてない、例えば、AGの問題だったり3価格帯の問題だったり、あると思うんですけども、
そういった、ヘルシー・コンペティションが起こらない、阻害するような要因は何かということをやはり議論していかないと、どんどんどんどん値段が下がってて、また撤退してるものが出てきてしまうという議論になってしまうんではないかと思います。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
はい、ありがとうございます。はい、どうぞ。
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〇成川衛構成員(北里大学薬学部教授)
先ほどの製造の話なんですけれど、理論的には確かに国内で原体が製造できれば一番いいということ。
ただ、コストの問題があるということなんですけど、そこはすぐに対応できる話でもないし、この委員会で議論すべき問題ではないかもしれないんですけど、
最近の技術の発展のあれでね、連続生産のフロー合成とか、そういったものをきちんと日本でも前向きに取り組んで、それで低コスト化を図るというふうなことは、ちょっと長い目で見たら、やっぱり国としても取り組んでいってほしい問題だなあというふうに思ってるんですけど。
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このあたり、もしかしたら伊豆津先生がご専門ですけど、なんかございます?
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〇伊豆津健一構成員(国立医薬品食品衛生研究所薬品部長)
私たちもそれは重要なことだと思ってます。
それから先ほど、日本の規格基準が違うから日本だけ特別高い価格で買わなくてはいけない、または入手できないっていうことが発生するというお話もありましたけれども、
そういった規格だとか基準については、本当に医療上、また価格上、必要だから別に分けてるものと、単に歴史的な経緯で違ってるというものがあると思いますので、
そういったものは1つひとつ見直していくことも、これから大事になってくるのではないかというふうに考えております。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
はい、ありがとうございます。ほかにどなたかご意見、ご質問ございますでしょうか。はい、どうぞ。
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〇長島公之構成員(日本医師会常任理事)
先ほどご指摘のあった備蓄の問題で、国、自治体ではなくて、キードラッグに関しては業界のほうで、今より少し長めに持っていただいて、
で、それが例えば期限が切れそうになってしまった場合、国が一定、保証するとか、そういう形での、ある意味の、「備蓄」というのは現実的ではないでしょうか?
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〇蛭田修構成員(日本製薬団体連合会品質委員会委員長)
ちょっと今、即答できる状態ではございませんけれども、
有効期限の問題もございますし、備蓄すると、それで、下世話な話でございますけども、税金っていうか資産税っていうか、税金も払わなければいけませんし。
ちょっと、そこは、ちょっと、また持ち帰らせていただきたいと思います。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
はい、ありがとうございます。ほかにどなたか。はい、どうぞ。
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〇一條武構成員(日本医薬品卸売業連合会副会長)
日本医薬品卸売業連合会の一條です。先ほどのお話、備蓄の話ですけども、卸の、だいたい在庫は0.6カ月ぐらい、今、持ってます。
特に、このコロナウイルスとか、この期末になりますと、在庫量を上げてます。
ただ、やはり流通しながらの中の在庫としてみてますので、それから、メーカーさんも卸も前年のデータをもとに再考して回すと。
ですから、どっかで1つ問題が起きると、その前年のデータをもとにやるもんですから足りなくなる。
でも、その中で回していかなきゃいけない。そうしますと、どうするかと言うと、やはり1品目ずつ、そういうものが出たときには担当者を決めてですね、1医療施設ごとにお話をしに行きます。
それによって、どういうスケジュールで治療をなさるのかということを聞きながら1軒1軒、1品1品、全部やらざるを得ない。ものすごいコストがかかってきております。
それから情報ですけども、もちろんメーカーさんと、それから医療施設の間にはわれわれ卸が入りますから、メーカーさんから聞いて、もう本当に、分単位で情報をお伝えするんですけれど。
それからあと、やはり医師会とか薬剤師会とか、その先生方に協力していただいております。
現実的に、3.11の時にはですね、医師会の先生に言いまして、卸には0.6カ月、モノがある。病院さんにも、どのくらいあるんだろうかと、ある程度の在庫はありますので、「シェアをしてください」っていう話をしました。
1週間の処方にしてもらえば、次のメーカーさんとの物流が再開できるまで、もつと思いますんで、1週間の処方にしてくださいということで、医師会から流してもらいました。
そしたら、1週間しかもらえないんで薬がないというふうな話も出たんですね。報道もあったんですが、実際には切らすことはなく、5日で物流を戻しましたので、そのあとはもう、「長期投与どうぞ」という話をしました。
やはり、そういう意味では全体、この医療に関する、われわれはチームとして、医師会、薬剤師会、メーカーさん、卸、とにかく医療施設、全てがチームとして一丸となってやってって情報をやって、乗り越えていったら、あの時は薬を切らさなかった。
あとそれから、九州の震災の時もそうでした。すぐに連絡を取りまして情報を流し続けるということです。
それで、厚労省の経済課の方にも常に連絡をしてですね、われわれが今どういうふうに動いてるかというのは報告しております。
ですので、やはり今回のコロナに関しても、いろんな情報が出てますけども、常に連絡を密にとって、
とにかく1軒1軒、1品1品、やっていかなくちゃいけないというふうにして、細かくやってますんで、大変、そういう意味ではコストが掛かって大変になってきておりますので、
ジェネリックの薬価が下がってくと、われわれ卸も一緒に大変になるということでございます。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
ありがとうございます。はい、どうぞ。
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〇蛭田修構成員(日本製薬団体連合会品質委員会委員長)
ちょっと先ほど、備蓄ということで、ちょっとお答えできなかったんですけども、
在庫という観点で申しますと、だいたい医薬品メーカーはもう、2カ月ないし3カ月の在庫は持っております。
それに加えてですね、最近、やはり原薬の安定供給という観点から、原薬の在庫も増やしておりまして、平均で6カ月ぐらい、6カ月分ぐらいの在庫は持ってるんじゃないかというふうに今、言われております。
合計ですと、原薬6カ月、製剤で2カ月の8カ月ぐらいの在庫はあるんじゃないかと思われます。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
はい、ありがとうございます。はい、どうぞ。
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〇藤川伊知郎構成員(日本薬業貿易協会会長)
原薬のほう、もう当然、原薬メーカーで原薬の在庫とかは持ってますし、中間体とか出発物質で在庫を持ってて、
で、これ、もう完全に、原薬も、言うたら工業製品ですので原薬メーカーっていうのはですね、お客さん、つまり製販さんからわれわれ通じて情報、
例えば、2021年にこれだけ買います、買う予定ですってフォーキャストを出して、その中で1年の生産計画を立ててもらって、原料を買っといてもらって作ってもらうっていう、そういう普通のほかの工業製品と同じような作り方をしています。
ちょっと、いつも思うのは、やっぱり医薬品って難しいなと思うのは、結局、需要が読めないじゃないですか。
それ、誰がどういう病気になるかって、全く分かんないので、どれぐらいの注文が来るかっていうのが、フォーキャストは頂いても、そのとおりになることはまずないんですよね。
なるべく多めに持っときたいし、基本的には、先ほど「なんで需要増に対応できないんだ」って話、ありましたけど、やっぱりキャパシティはもちろん確認してて、「ここまでいける」とかですね、確認してるんですけども、
例えば、じゃあ、もっと大きな設備、作っといていいのかって言われたら、それはまた別にお金掛かる話で、実際にそこまで作れなかったら設備が遊んでしまうということもあるので、非常にちょっと、まあ、難しいんですよね。
その需要増に対応できるだけ、準備しとけっていうのはなかなか難しいことで、あんまりやりすぎると、それもコスト増の要因になると。
また、もしかすると、備蓄とかいうものは、そういう需要をならすというような効果はちょっとあるのかなっていう気はしますけど、それはそれで在庫のお金とかね、コストがやっぱり掛かるのかなというふうには思います。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
はい、どうぞ。
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〇寺島徹構成員(日本ジェネリック製薬協会薬制委員会副委員長)
原薬の備蓄に関してはですね、生産量、消費、皆さんが使われる薬の量が多い場合、とにかく年中、ガンガン使うようなやつに関して6カ月の原薬を持つということはありません。
というのは、毎日毎日、作らないといけないのでですね、そんなに大量のものを備蓄するということはできないので、それは、備蓄量は少なくなります。
少ないものについてはですね、ロット単位が大きくなったりしますので、結構大きくなる、まあ、6カ月というのは十分あり得ると思います。
おそらく毎日作るようなやつはですね、3カ月がいいところだと思いますね。ちょっとこれ、感覚で申し訳ないですけど、それぐらいの感じです。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
はい、ありがとうございます。まあ、いろんな角度からですね、いろんなご意見を頂きまして、そろそろお時間も迫ってきましたので。
今日の時点でですね、全然、結論を出す必要、全然ないので、皆さまのいろんな各方面からのご意見を頂いて、各委員の先生方が一応、その状況をご理解いただいてっていうふうにして終わりますが。
だいたい、どういう方向に向かってくんだって話が1つありますね。
資料2の5枚目のスライドをご覧いただきたいんですけど。医薬品の安定供給が図るための取組ですね。
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このイメージというのは、これをですね、もうちょっと具現化していくという作業で、
この会は8月ぐらいをめどに一定の方針を、方針ですね、具体的までとはいかない、一定の方針を提示するというのを目的としてると伺っておりますので。
このスライドの5のイメージですね。これをもう一度ですね、お持ち帰りいただいて、お考えいただくと。
で、次までに各委員の先生方からですね、この点をこうやったらいいんじゃないかと。
こちらのほうは話題を絞っておきますので、それに対して、ご意見を考えてきていただく形が効率がいいかなというふうに思います。
いろんな角度からですね、問題点いっぱいあると思いますけれども、「どこからが可能なのか」というのが大事だと思いますね。
ですから、各委員の先生方におかれましては、そこら辺をポイントを置いて、次回ですね、ご意見を頂きたいというふうに思います。
はい、どうぞ。
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〇川上純一構成員(浜松医科大学医学部附属病院薬剤部長)
この資料2の5ページ目の(1)(2)(3)、
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「資料3」の議論のポイントの、確か2・3・4に相当してると思うので。
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「資料3」の1番ですかね、「安定確保に特に配慮を要する医薬品」をどう考えるとか、優先順位をどう付けるかとかいうのは、このたぶん、今おっしゃったもの以外の議論のポイントがあるかなあと思うので、
そこについてはどんな形で、われわれまた意見交換を進めていくとかいうのはあるんでしょうか。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
えーと……。いかがでしょう。田中さん、どうでしょうか。
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〇厚労省医政局経済課ベンチャー等支援戦略室・田中大平室長
今、ご指摘のとおり、この5ページの資料というのは、全ての医療用医薬品というところが対象になっていてですね、
今日、ご指摘があったように、重要なもの、特に留意を要するようなもの、そういった視点があるんじゃないかなというご指摘、伺いましたので。
より、こう、今後の議論になるとは思いますけども、どういう視点でそういったものを選んでいけばいいのかと。
具体的には、おそらく各専門家の、学会のほうに考え方をお伺いしながら、実際に出していただく、そういったイメージになるんじゃないかなあとは思いますけれども、
どういった視点で選んでいけばいいのかといったところについて、今日でもよいですし、次回以降、ご指摘いただければ、やりやすいかなというふうに思います。はい。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
いろんな薬がありますので、チラーヂンの件も1つの例だったんだと思いますけれども、
個々の薬によって、いろんな対策が違ってくるのは承知の上で集まっていただいてますので。
原則論ですよね。どうやってリスクヘッジができるのかっていうのが一番大事なポイントだろうというふうに思ってますけれど。
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ですから、さまざまな領域の方からご意見を伺って、優先順位。
になりましょうかね。個々の薬剤については今後、また学会におそらく問いかけていただくんじゃないかなと思います。
そういったような会議です。ここは。そうご理解いただければ。
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〇川上純一構成員(浜松医科大学医学部附属病院薬剤部長)
たぶん、なんか、考え方を整理するっていうのが大事なのかなと思うんです。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
そうですね。
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〇川上純一構成員(浜松医科大学医学部附属病院薬剤部長)
例えば、抗インフルエンザウイルス薬でも、例えば、いっとき、もうオセルタミビルぐらいしか治療薬がなかった時はもう、こぞってそれを皆さん、備蓄していた時代もありましたし、われわれ医療機関も毎日、県庁に今どれだけ持ってるっていうことを報告しながら確認をしてた時代もあるんですが、
今のように、こう、いろんな治療薬が出てくると、相対的にほかのものでも治療は可能とかっていうふうに、また、その、何て言うんですかね、
どんな薬がどんなふうに出てきたっていうことで、
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
そうですね。
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〇川上純一構成員(浜松医科大学医学部附属病院薬剤部長)
個別の品目の議論ではなくなってくる場合もあると思うので、そういう意味では、考え方が大事なのかなと思って、今、伺っておりました。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
はい、どうぞ。
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〇長島公之構成員(日本医師会常任理事)
今の点ですが、最初に申し上げましたように、医療の現場からの優先順位と、提供側、製造側で、
例えば、シングルソースなのか、シェア率が高いとか、ここの工場が非常にそこに関わってるから、そこが取り組んで、リスクをしっかり評価と、この両面からやらなきゃいけないだろうというように思います。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
はい、ありがとうございます。
それでは今日の回はそろそろまとめたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
次回のご案内ですかね。次回以降の開催予定につきまして、ご報告いただきたいと思います。
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〇厚労省医政局経済課ベンチャー等支援戦略室・田中大平室長
次回の開催の日程と、その中身については、今後、調整の上、改めて連絡させていただきたいというふうに考えております。
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〇清田浩座長(日本化学療法学会理事長)
ありがとうございます。
コロナが読めない状況でございますので……。
なんですか、無事開かれる、開けるかどうか分かりませんけれども、状況を見つつ、ご案内があるというふうに思います。
よろしいでしょうか。調整……。
まあ、今日はですね、この辺で、この会議を終了させていただきたいと思います。ありがとうございました。
(散会)
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