厚生労働省保険局医療課は8月19日、中医協総会の閉会後、報道関係者を対象とした説明会(記者ブリーフィング)をオンライン形式で開催した。【新井 裕充】
記者の質問は、Skypeのチャット機能を用いて受け付け、これに厚労省の担当者が答えた。
ブリーフィングの模様は以下のとおり。なお、記者の質問部分に黄色の蛍光線を引き、チャット画面の記載どおりに表記した。
〇厚労省保険局医療課・木下栄作課長補佐
保険局医療課でございます。本日、開催いたしました中医協のブリーフィングを始めさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
本日、議題に沿って、順にご質問をお受けしたいと思います。まず、「総-1」(部会・小委員会に属する委員の指名等について)ですが、中医協委員の交代ということで、猪口先生から池端先生に交代となりました。また、専門委員も赤名委員に交代があったところでございますが、ここはもう報告なので、次に行かせていただきます。
2つ目の議題の「医療機器の保険適用」について、ご質問ございますでしょうか。
【週刊社会保障・高木信昭記者の質問】
カタナ アベンシアで間宮委員とやりとりがありましたが、小椋歯科医療管理官は、CAD/CAM冠の施設基準を説明されていたのでしょうか。
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〇厚労省保険局医療課・青木仁課長補佐
そうです。施設基準で、院内にCAD/CAMがある場合は歯科技工士がいることっていう施設基準がありますので、その内容について説明しておりました。
▼ 質疑で、支払側の間宮清委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)から「従来は歯科技工士が作っていたと思うが、これは歯科技工士が取り扱うのか」との質問があった。小椋正之歯科医療管理官は「こちらの製品は患者さんの歯の形に合わせて歯の形を作るという形になるが、歯科技工士が行うか、あるいは歯科医師本人が行うということでも問題はない」と答えた。そこで間宮委員は「歯科技工士を介さないで、クリニックなどで、できちゃうというものなのか」と尋ね、小椋管理官は「クリニックで作成することもあるが、その場合には、院内の歯科技工士がいるという場合に限定して保険では認めている」と答えた。
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〇厚労省保険局医療課・木下栄作課長補佐
そのほか、ご質問ありますでしょうか。
続きまして、議題の3つ目の「医薬品の新規薬価収載」について、ご質問ありましたら、お願いします。
【週刊社会保障・高木信昭記者の質問】
有澤先生とやり取りがありましたが、ダーブロックとバフセオを院外処方した場合は、人工腎臓の「慢性維持透析を行った場合1~3」の「ニ~ヘ」を算定するということでよろしいでしょうか。
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〇厚労省保険局医療課・岩瀬怜課長補佐
すいません、その答え、直接、これに該当するか、・・・できないんですけども、エベレンゾと同じ扱いであるというのは間違いないです。ちょっと今、そのテキスト、持ってないので、この1~3の「ニ~ヘ」だとかは、ちょっと、・・・です。すいません。
▼ 質疑で、有澤賢二委員(日本薬剤師会常務理事)は次のように質問した。
「こちらのほうはエベレンゾを対象に出てる薬ですけれども、透析施行の患者に対しての院外処方に出す手順、あるいは、そういう算定についてはですね、エベレンゾと同等で考えていいのかということが1点。それから、一番最後の28、29(ページ)の所(バクスミー点鼻粉末剤)で、『低血糖時の救急処置』ということでグルカゴンが出ておりますけれども、これについてはですね、院外処方に出す際にですね、当然、こういった低血糖が予測される患者さんに対しての応急処置ということで処方箋を出すということで理解していいかどうかを確認させていただきたいと思います」
これに対し、紀平哲也薬剤管理官は次のように答えた。
「こちら、先行するエベレンゾ錠と同じような取扱いで行っていただくということで相違ございません。それから、最後の『バクスミー点鼻粉末剤』につきましては、こちら、実際に症状が出る前に処方されるということになりますけれども、医師のほうで適切にご判断いただいた上で、患者さんに持っていただくために、数も、処方する数量につきましても、きちんと考慮いただいた上で処方いただくということで、これからお願いをするということで考えております」
【週刊社会保障・高木信昭記者の質問】
エンレスト、エナジアは費用対効果評価の分析はせず、エンレストはコラランに、エナジアはテリルジーに準じて価格調整をするということでよろしいでしょうか。
これはH5でございますので、そのように理解しております。
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〇厚労省保険局医療課・木下栄作課長補佐
そのほか、ご質問ありますでしょうか。新薬の関係、よろしかったでしょうか。
続きまして、(議題4)DPCの新規の医薬品への対応につきましては、通例どおりの対応でしたので、ちょっと飛ばさせていただきまして。
議題の5つ目で、DPC対象病床数の変更に関しまして、2つの医療機関につきまして個別に審査を行って問題ないという旨のご報告をさせていただいたところでございます。
議題の6つ目で、新型コロナウイルスの診療報酬の対応についてご議論いただいたところにつきまして、ご質問ありましたら、お願いいたします。
【週刊社会保障・高木信昭記者の質問】
会長一任になったため、次回の中医協でもう一度議論をすることはないという理解でよろしいでしょうか。
はい。座長預かりですので、改めて議論することは今のところ予定しておりません。
そのほか、ご質問ございますでしょうか。
(以下略)
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