日本医師会の定例会見が注目の度合いを高めている。新型コロナウイルスの感染拡大で、政府の対応は各種「Go Toキャンペーン」を諦めきれず、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるように、国民からは映る。【本根 優】
そんな中、日医・中川俊男会長は「Go Toトラベル」が感染拡大の「きっかけになったことは間違いない」と豪語した(ただ、その後、菅義偉首相との面会後には「気の緩みにつながったという意味だった」とトーンダウン)。政府に“物申す”存在として、テレビのワイドショーが中川氏の発言をそのまま取り上げている。
TBS「ゴゴスマ」に至っては「午後3時から、日本医師会、中川会長の会見の模様を生中継します」とアピールするほど。視聴者の関心が高い、食いつきがいい、といった判断が働いているのだろう。
一方で、医療界の評価と言えば、中川氏に対し、厳しいものが少なくない。医師会関係者によると、中川氏は21年の年頭所感のドラフトに「今後の医療政策決定にあたっては、初期段階よりしっかりと関与していくことはもちろん、適切な合意形成プロセスに則り、政策遂行にあたって行く所存」とつづっているという。
同関係者は「今後も」でなく「今後の」であることに着目。「今年(20年)はそれができなかったという反省か」と大いに皮肉る。