6月25日の日本医師会会長選挙に出馬する松本吉郎氏(現常任理事、埼玉)の陣営は、1日までに推薦する副会長3人、常任理事10人の候補者(松本キャビネット)を決定した。果たして、どんな顔ぶれが名を連ねたのか。【本根優】
副会長候補は茂松茂人氏(大阪府医師会会長)、角田徹氏(東京都医師会理事)、そして現任の猪口雄二氏(全日本病院協会会長)の3人だ。すなわち、現在の中川執行部から今村聡氏(東京)、松原謙二氏(大阪)の2人が、外れたことになる。
それを受けて、松原氏は会長選、今村氏は副会長選にそれぞれ単独で打って出る構えだ。松原氏はかつての植松治雄執行部(04~06年)から、今村氏は唐澤祥人執行部(06~10年)から日医役員に起用されてきた大ベテランだ。
それに比べれば、茂松氏、角田氏は霞が関や永田町との人脈づくりは「これから」という状態で、その実力は全くの未知数。猪口氏がすでに経験済みの中、中央社会保険医療協議会の委員を、副会長としてどちらかが務めることになるのか。
関係者によれば「日医の内規に70歳ルールがあるので、それを考えれば、まだ60代の角田氏が有力」ということになる。
ただ、現行の城守国斗氏(京都)、長島公之氏(栃木)、江澤和彦氏(岡山)の体制が続く可能性もある。
一方で、松本キャビネットの常任理事候補で、新人は細川秀一氏(愛知県医師会理事)、今村英仁氏(鹿児島、慈愛会理事長)、黒瀬巌氏(東京都医師会理事)の3人。中川執行部から松本氏に、羽鳥裕氏(神奈川)、橋本省氏(宮城)を加えた3人が外れる。
これは、非常にわかりやすい人選と言える。というのも、松本氏をトップに担ぎ、中川氏を追い落とす今回の「クーデター劇」で、支持を鮮明にした九州、東京、愛知という大票田の意向がそのまま、論功行賞的に常任理事人事となっているからだ。