防衛費と社会保障費

旧近衛師団司令部庁舎_2021年7月6日

 増やす予算と削る予算──。そうした方向性は決まっているが、果たして防衛費と社会保障費に相関関係があるのか。関係者が23年度予算の行方を固唾を飲んで見守る中、その関わりを明確に語った自民党幹部がいる。【本根優】

 それが自民党の宮澤洋一税調会長だ。宮澤氏は7月24日のBSテレ東の番組で、防衛費の国内総生産(GDP)比2%への拡充に向けた財源について「打ち出の小槌はない。本当に防衛費がそこまで必要であれば、社会保障の水準を少し切り下げてもいいのかどうかは、当然しなければいけない話」との認識を示した。

 宮澤氏周辺の解説では「社会保障カットの議論を望んでいるわけでなく、防衛費増の流れをけん制した発言」とのことだ。

 一方で、社会保障に使途が限定されている消費税を防衛費に充当することも考えられるのか。宮澤氏はこんな話をした。

 「なるべく防衛費で(消費税に)手を付けたくないのが正直なところだ」

 宮澤氏は故宮澤喜一首相の甥っ子で、岸田文雄首相のいとこに当たる。財政再建派で知られ、岸田首相からの信頼も厚い。

 政府7月29日、23年度予算の概算要求基準(シーリング)を閣議了解した。岸田カラーを鮮明にするため、「新しい資本主義」関連など重要施策に向けて、4.4兆円規模の特別枠を設けた。

 また防衛、脱炭素、物価高対策などの要求には上限を設けない。防衛費に関しては「中期防衛力方針計画」の改定議論と並行して検討することになっている。

 一方で、高齢化などに伴う社会保障費の自然増は5600億円となった。新型コロナウイルス禍での受診控えなどで医療費の伸びが低くなる影響が大きい。

 22年度予算では、概算要求段階の自然増6600億円から2200億円削減したうち、その7割超の1553億円を薬価の引き下げが占めた。23年度に2度目の薬価・中間年改定(毎年改定)が控える中、防衛費増との絡みもあり、製薬業界からは「薬価引き下げ財源が当てにされるのではなきか」と警戒する声が漏れる。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 財務省前_2021年3月23日

    消費税基金

  2. 国会前_2021年3月26日

    菅暫定総裁

  3. 瓦礫と共に残る砲座

    総裁選「前倒し」を求めない都道府県連

  4. 厚労省前_2021年8月6日

    1人にかかりつけ医は何人?

  5. 2020年8月、皇居前にて

    お騒がせ自見氏の去就は!?

  6. 維新「埋没」に危機感

    維新「埋没」に危機感

  7. 東京駅_2020年12月7日

    2期目に向けたテコ入れ!?

  8. 医療上の必要性と選り好み

    医療上の必要性と選り好み

議事録のページ総合
総会議事録のページ
材料専門部会議事録のページ
■ 議事録のページ【小委・分科会】

第648回中医協総会(2026年3月11日)【速記録】

第648回中医協総会(2026年3月11日)【速記録】

第246回中医協・薬価専門部会(2026年1月16日)【速記録】

第246回中医協・薬価専門部会(2026年1月16日)【速記録】

第135回中医協・材料部会(2025年12月26日)【速記録】

第135回中医協・材料部会(2025年12月26日)【速記録】
PAGE TOP