中央社会保険医療協議会の雰囲気がこの秋から様変わりすることになる。発言の量や存在感で、最近の中医協を代表する2人の委員が去ることになるからだ。【本根優】
ひとりは診療側の松本吉郎氏(日本医師会常任理事)。今村聡氏(日医副会長)と同じ17年7月に就任。その際に、中川俊男氏(日医副会長=当時)、松原謙二氏(日医副会長)の残存任期(17年10月まで)を今村氏と松本氏が引き継いだため、その3ヵ月余りが1期目とカウントされる。
よって、松本氏は21年10月で最大の3期を終えることになるという。
そうした交代を見据えて、7月7日の中医協総会でコロナ対応や外来の「第1ラウンド」が始まったタイミングで、日医の“主戦闘士”が松本氏から城守国斗氏(日医常任理事)へと交代した。
今後は城守氏、松本氏、そして新任の長島公之氏(日医常任理事)の3人体制となるが、ほどなく、城守氏、長島氏、さらにX氏の体制に移行する。
そのX氏は誰になるのか。日医の現副会長3人(今村氏、松原氏、猪口雄二氏)はすでに中医協委員を経験済み。常任理事の中で、有力なのは「中川会長の信頼が厚い橋本省氏、それでなければ薬事などに強い宮川政昭氏だろう」(日医関係者)との見立てがある。
もうひとり、中医協を去るキーパーソンが幸野庄司氏(健康保険組合連合会理事)だ。15年11月から白川修二氏(健保連副会長・専務理事=当時)の後を受けて、委員に就任し、3期6年の任期を終える。
幸野氏の後任には、現在、社会保障審議会医療保険部会の委員などを務める佐野雅宏氏(健保連副会長・専務理事)の名が挙がる。