「3つ」の論点

東京駅前_2023年9月27日(中医協の帰り)

 日本医師会の松本吉郎会長は10月25日の記者会見で、岸田文雄首相の所信表明演説(10月23日)を受ける格好で、24年度診療報酬改定への考え方を説明した。そこで強調したのは「医療従事者らの賃上げが必要」ということだ。【本根優】

 日医は「従来の改定」(通常の診療報酬改定)は「改定財源の確保による政策対応」で実施しつつ、賃金上昇などへは「従来の改定とは別に対応する必要がある」と主張。24年度改定を「新型コロナウイルス感染症への対応」と合わせた3つの論点が存在する「異次元の改定」と位置付けている。

 日医は10月5日、武見敬三厚生労働相に要望書を提出。入院患者らへの食事療養などに対する補助金での財政支援、継続的な対応として医療機関・介護事業所の光熱費など物価高騰に対する交付金での財政支援を要望した。

 政府の秋の「総合経済対策」に関する要望を終え、次に見据えるのが診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬のトリプル改定になる。

 3つの論点への対応の中で、最も重視するのが「賃上げ」だ。松本会長は「医療・介護従事者約900万人の賃金を上げることで、日本全体の賃金上昇と地方経済の成長が実現し、経済が活性化する」と説く。所信表明演説で「経済、経済」と連呼した岸田首相の発言内容にも沿った考えだと訴える。

 手法として日医は、賃上げ分を「従来の改定」とは別枠で確保し、初・再診料、入院基本料などの基本診療料の引き上げに充てたい考えだ。

 従来の改定については「高齢化に伴う自然増、医療の高度化、医療DXの推進」なども含んでおり、中央社会保険医療協議会や社会保障審議会医療部会・医療保険部会で継続中の議論のなかで主張しつつ、診療報酬本体(技術料)のプラス改定に向けて、財源確保に注力する。

 ただ、先行きは不透明な状況が続く。岸田政権が支持率低下で弱体化する中にあって、日医幹部でさえも「政策の優先順位がコロコロ変わり、ロビー活動の軸が定まらない」と嘆く始末だ。

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