25年参院選に向け、日本医師連盟(委員長=松本吉郎・日医会長)の組織内候補というバトンは、羽生田俊氏(75=元日医副会長)から釜萢敏氏(70=現日医常任理事)に渡される。奇しくも、群馬県医出身者が2代続くことになる。【本根優】
1月30日に行われる日医執行委員会で正式に釜萢氏が選出される。これに先立って開かれた16日の会議で、釜萢氏を組織内候補に選ぶことが内定している。
候補者の公募は12日締め切られ、2氏が届け出ていた。それが、群馬県医師連盟の推薦を受ける釜萢氏と、岡山県医師連盟の推薦を受ける元県議の小林孝一郎氏(46)だった。
東京都医師政治連盟が推す元自民党衆院議員の安藤高夫氏(64)も公募に応じる準備を進めていたが、次期衆院選に向け、東京28区の支部長を務めている関係で「自民党から(公募への)ゴーサインが出なかった」(都医関係者)。このため、断念せざるを得なかったという。
釜萢氏は日本医科大卒。小児科医。高崎市医師会長などを経て、14年から日医常任理事。現在は総務、感染症危機管理対策・予防接種などを担当する。新型コロナウイルス禍に「日医の顔」としてメディア出演が多かったため、一般の知名度・認知度は高い。
一方の小林氏は岡山大学医学部卒。血液内科医として病院などで勤務後、11年に県議初当選。3期務めた後、21年10月の衆院選に自民党比例中国ブロックから出馬したものの、落選した。
経験豊富な釜萢氏か、若さをアピールする小林氏か、全国の医師連盟の支持が割れそうなところではあるが、16日の会合では「満場一致」で釜萢氏に内定したという。
選考が行われるより前の根回し・多数派工作の結果、「より多く票を集められる候補」として釜萢氏支持が大勢を占めるような状況になっていたためだ。日医連としては「若さ」や「世代交代」よりも「経験」や「集票力」を重視した格好だ。
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