「著しく」の基準は?

「著しく」の基準は_20220510

 厚生労働省は23年度薬価改定を4月1日に実施する。21年度に続いて、2度目の中間年改定となる。新薬創出・適応外薬解消等促進加算で臨時・特例的な引き上げ対応を取ったほか、メーカーから報告のあった全1100品目に不採算品再算定を行った。この対応自体、場当たり的なものであったが、そもそもルールの基準さえも、実にあいまいだった。【本根優】

 医療費への影響額でみると、平均乖離率の0.625倍超である、乖離率4.375%超の品目を対象とし、単純に市場実勢価改定を行った場合、厚労省は全体で▲4830億円と推計した。これに対し、算定ルールの適用や、不採算品再算定や新薬創出加算の特例によって、実際は▲3100億円に縮まった。厚労省によれば、2つの特例で「700億円程度」が措置されているという。

 この恩恵は医薬品業界にとって、決して小さなものではないが、あくまでも23年度改定に限った特例的な対応であって、次の25年度改定以降、同様の手当てがなされる可能性はほぼない。

 3月17日の厚労省「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」では、後発品を中心に医薬品の安定供給に支障が出る事態が続いていることを受け、関係する薬価制度について議論を行った。

 その中で、構成員のひとりが、不採算品再算定の要件の「原価などが著しく上昇」「薬価が著しく低額」といった書きぶりに対して、「“著しく”の基準を明示すべき」と迫った。

 ところが、医政局の担当者の回答は、不採算品再算定はメーカーからの報告に基づいて「個別に判断している。数字的な基準は明確になっていない」というものだった。

 この日、厚労省が示した不採算品再算定の論点は「2年に1度の制度適用の場合、その間の原料等のコスト増の薬価への反映に時間を要するが、制度適用の頻度等をどう考えるか」だが、それ以前に、ルールの中身に関しては、厚労省が“恣意的に”運用しているところを見直すべきではないだろうか。

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