「医歯看薬」のメンツ争い

佃大橋_2022年4月10日

 通常国会が6月15日に閉会し、参院選の日程は、当初言われていたとおり、「6月22日公示、7月10日投開票」に決まった。自民党の全国比例区では、医師、歯科医師、看護師、薬剤師ら医療関係職種の代表が同じ名簿上で当落、順位で激しい争いを繰り広げることになる。【本根優】

 なぜか。それが診療報酬改定をはじめとする予算措置、税制改正など、さまざまな影響を与えるからだ。各団体は「集票力」を与党に見せつけ、突きつけることで、自分たちの主張の反映を狙う。

 全国比例は「非拘束名簿式」のため、政党に割り当てられた議席数について、同じ比例代表名簿のなかで、候補者の得票順に当選者が決まっていく。

 振り返ると、19年の参院選では看護師12位(石田昌宏氏、約19万票)、薬剤師14位(本田顕子氏、約16万票)、医師16位(羽生田俊氏、約15万票)で、当選できたのは19位までだった。

 16年の参院選では、医師9位(自見英子氏、約21万票)、看護師11位(高階恵美子氏、約18万票)、薬剤師13位(藤井基之氏、約14万票)、当選できたのはやはり19人だった。

 今回は、9年ぶりに歯科が、山田宏氏を組織内候補として擁立する。日本歯科医師連盟を巡る迂回献金事件が起こったため、16年と19年は組織代表を立てるのを見送っていた。

 ちなみに山田氏は16年に約15万票を獲得し、得票順は高階氏と藤井氏の間の12位だった。

 今回22年の参院選には、自見氏、山田氏のほか、看護師の友納理緒氏、薬剤師の神谷政幸氏が、新人候補として自民党の比例名簿に名を連ねる。比例での出馬は合計で33人となる見通しだ。

 自民党の選対幹部は、岸田政権に対する追い風が吹き続ければ「前回の19議席を上回る可能性が高い」としつつ、細田博之衆院議長を巡るセクハラ問題など、世論の動向に目を光らせる。

 果たして、「医歯看薬」のうち、どの候補が一番上に来るだろうか。

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