二階派を巡る動向

逢坂_2022年4月22日

 安倍晋三元首相の盟友で、保守派の論客として知られる衛藤晟一参院議員(元首相補佐官、元少子化相)が4月8日、自民党本部で二階俊博元幹事長と面会し、二階派(志帥会)を退会する意向を伝え、そのまま受理された。背景には、どのような事情があるのか。【本根優】

 衛藤氏の退会で、二階派の所属人数は42人となる。自民党内の6派閥のうち、安倍派、茂木派、麻生派、岸田派に次ぐ第5派閥という順位に変わりはない。

 しかし、岸田政権誕生と二階氏の幹事長降板により、その影響力は低下の一途を辿る。衛藤氏がなぜこのタイミングで二階派を離脱するのか。他派閥の関係者は「(二階派幹部の)武田(良太)さんとの折り合いが悪いからだろう」と推察する。

 一方で、議員バッジを外してもなお元気な姿を見せる伊吹文明氏(元衆院議長)の言動とも、衛藤氏の退会はリンクしている。

 二階派はもともとは伊吹派。伊吹氏は二階派の最高顧問を長く務め、現在でも自民党内に出入りし、強い影響力を持つ。

 伊吹氏は4月14日の二階派例会で、岸田文雄首相や茂木敏充幹事長の年金問題への対応、さらには細田博之衆院議長の衆院定数是正「反対」に対して、舌鋒鋭く批判を繰り広げた。

 党内では、反主流派が菅義偉前首相をトップに立て「菅勉強会」を発足させる準備が進んでいる。二階派の武田氏、麻生派を離脱した佐藤勉氏らのほか、すでに存在する菅グループのまとめ役である坂井学氏らに、森山派、旧石破派などの面々が加わり、総勢80人規模になるとの観測も出ている。

 衛藤氏の二階派離脱、伊吹氏の首相ら批判は、「反岸田」で一大勢力が結集する兆候という見方もできる。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 大物の間に「医系議員」

    大物の間に「医系議員」

  2. 一色海岸_2021年7月25日

    厚労族・大物議員の「引退」

  3. 桜田門から国会_2023年5月10日

    「骨太に盛り込んで」

  4. 日銀通り_2021年3月26日

    コロナ専用病床へのバラマキ政策

  5. 国会前_2021年11月25日

    調整幅+一定幅

  6. 日比谷公園_2021年3月23日

    「テリルジー」の価格が下がった理由

  7. 渋谷道玄坂下_2022年2月21日

    参院選「定年制」対応は?

  8. 霞門_2020年10月25日

    バイク便は「不可」

議事録のページ総合
総会議事録のページ
材料専門部会議事録のページ
■ 議事録のページ【小委・分科会】

第587回中医協総会(2024年4月10日)【速記録】

第587回中医協総会(2024年4月10日)【速記録】

第586回中医協総会(2024年3月22日)【速記録】

第586回中医協総会(2024年3月22日)【速記録】

第224回中医協・薬価専門部会(2024年3月22日)【速記録】

第224回中医協・薬価専門部会(2024年3月22日)【速記録】
PAGE TOP