岸田首相の判断は!?

国会前の並木道_2021年12月9日

 12月17日までにケリがつくと目されていた22年度診療報酬改定率を巡る政府・与党内の調整は、膠着状態のまま、週末を迎えることとなった。【本根優】

 診療報酬技術料(本体)に関して、すでに2つのプラス要因が出ている。

 菅義偉前首相時代に決めた不妊治療の保険適用(0.3%程度)と、岸田文雄首相肝煎りの看護職員の処遇改善(0.2%程度)だ。これを足して、計0.5%程度の引き上げは織り込み済みということになる。

 日本医師会の中川俊男会長は15日の定例会見で、それを踏まえて「0.5%ちょっとで終わるのであれば、改定財源が見当たらなくなる。大幅なプラス改定が必要と思っているし、そう要請している」と述べた。

 さらに、岸田文雄首相に直談判する予定があるかと問われると「直接会うかはわからないが、いろいろなかたちでコミュニケーションはとっている。そういう意味では意思疎通は取れている」と語った。

 しかし、自民党関係者は首を捻る。

 「中川さんは岸田首相と面会が果たせてないばかりか、茂木(敏充)幹事長や、高市(早苗)政調会長とも会えていない」

 厚労関係の幹部議員らは、17日夕時点で、改定率をめぐる攻防は「財務省と厚労省の事務レベルではどうにも溝が埋まらない状況」に陥っていると明かす。

 「あとは総理の判断になるだろう」との観測が根強い。

 状況としては、プラス要因が計0.5%程度ありつつも、財務省は入院医療の見直しで0.2%程度の適正化を図り、トータルで0.3%程度の引き上げまでは容認する姿勢だ。しかし、それでは「看護・不妊」を除くと、実質マイナス改定になってしまう。

 厚労省は改定財源確保に向けて、上積みを目指す主張を続けているものの、旗色が悪い。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 伊達政宗終焉の地_日比谷公園_2021年10月5日

    落選した自民・厚労関係議員

  2. 桜田門_2022年9月5日

    自公ともに窮地

  3. 日比谷公園の噴水_2020年10月25日

    「医務技監」降板説!?

  4. 霞門_2021年3月20日

    送別会ショック

  5. 平川門_2021年7月20日

    自見氏再選

  6. 日銀通り_2021年3月26日

    コロナ専用病床へのバラマキ政策

  7. オブリーンから約10年

    オブリーンから約10年

  8. 厚労省前_2020年10月25日

    その後の2人

議事録のページ総合
総会議事録のページ
材料専門部会議事録のページ
■ 議事録のページ【小委・分科会】

第592回中医協総会(2024年7月17日)【速記録】

第592回中医協総会(2024年7月17日)【速記録】

第225回中医協・薬価専門部会(2024年7月17日)【速記録】

第225回中医協・薬価専門部会(2024年7月17日)【速記録】

第223回中医協・基本問題小委員会(2024年7月3日)【速記録】

第223回中医協・基本問題小委員会(2024年7月3日)【速記録】
PAGE TOP