「予想できた人事」
こう語るのは厚生労働省の審議官級幹部だ。衆院選後の自民党人事で、政務調査会(高市早苗会長)の厚労部会長に牧原秀樹氏が就任した。【本根優】
牧原氏は当選5回。名門麻布中・高を卒業後、東大法学部に入学。在学中に司法試験に合格している。2001年には米ジョージタウン大学を卒業。02年にはあの小室圭さんが“合格しなかった”ことで話題の、ニューヨーク州司法試験にも合格している。渉外弁護士として数多くの国際案件に携わった。
その後、経済産業省を経て、05年に衆院初当選。09年の民主党大勝時には落選を経験したが、12年から4回連続で当選を果たしている。
ただし、小選挙区(埼玉5区)で議席を獲得したことはない。同じく弁護士出身の立憲民主党・枝野幸男代表(11月12日付で辞任)がいるからだ。このため牧原氏の5回の当選は、すべて比例復活だった。
牧原氏はこれまでに党環境部会長、経済産業副大臣、衆院内閣委員長、厚労副大臣などを務めてきた。
11月12日には厚労部会長就任後、初の部会を開いた。会合後、自身のツイッターにはこう記した。
「厚生労働分野は巨額の財源が必要で、利害関係者も多岐に渡り、範囲も広いですが、副大臣も経験し新たに勉強するようなことはほとんどないのでフルスピードでやります。とはいえ時間がなさすぎ、本予算まで見据えて参ります」
こうした発言からは「自信家」であることが透ける。無派閥で二世議員ではない、たたき上げの議員として菅義偉首相に師事してきた。
弁護士出身の厚労部会長と言えば、医師で弁護士資格も持つ古川俊治参院議員以来(15~16年)。古川氏とは、選挙区が埼玉で「自信家」という部分も共通している。