日医会長2期目の難しさ

誰もいない深夜の東京タワー前_2022年5月13日

 日本医師会長選挙(6月25日)をめぐる状況が混沌としてきた。現職の中川俊男会長(北海道)の再選出馬のほか、5月の大型連休明けには、松本吉郎常任理事(埼玉)、そして松原謙二副会長(大阪)の出馬が判明した。【本根優】

 医師会関係者によれば、この構図自体は三つ巴だが、松原氏はバックアップする組織(都道府県医師会など)が存在しないため、事実上は中川氏と松本氏の争いになる見通しだ。

 松本氏は常任理事からの出馬で、過去の日医会長選を振り返ると、非常に珍しいケースとなる。16年に当時の石井正三常任理事(福島)が横倉義武会長に挑んだものの、横倉氏の317票に対し、石井氏は41票しか獲得できず、惨敗している。

 松本氏は中央社会保険医療協議会委員で日医の筆頭席に座るなど「主戦」として、診療報酬改定を乗り切り、評価を高めた。

 中川執行部では「総務」「医療保険」「医療機関経営」「医療政策」などを担当し、中川会長が最も信頼を置いた常任理事と言っても過言ではない。

 これまで「副会長選」への出馬が有力視されてきたが、今回、中川氏を押し退けてトップを目指すことを決断したことになる。

 日医では96~04年の坪井栄孝会長(福島)以降、長期政権(複数期)と1期のみというのが繰り返されている。その流れだけで考えれば、中川氏は「降板」となる。

 坪井氏の後に就任した植松治雄氏(大阪)は、小泉政権に史上最大のマイナス改定を食らい1期で終了。その後、唐澤祥人氏(東京)が06~10年に務め、その後の原中勝征氏(茨城)は民主党政権の失速とともにやはり1期で退いた。

 原中氏を破った横倉義武氏(福岡)は12~20年に4期8年の長期政権を築いた。その後、中川体制に移行し、1期2年を終えようとしている。以下は自民党厚労関係議員の見方になる。

 「植松氏、原中氏、中川氏に共通することはなにか。自民党と一定の距離を置いたことだ」

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