新型コロナウイルスのワクチン接種が2月17日、国内で始まった。第1例目は国立病院機構東京医療センター(東京都目黒区)の新木一弘院長となった。新木氏は接種後「30分以上経っても打った場所に全く痛みがない。これまで受けた予防接種の中で、一番痛みがない」と笑顔で語った。【本根優】
それだけではない。「ワクチンは新型コロナウイルス感染症への切り札。国民に広く使ってもらうための貴重なデータが、この先行研究で、我々のデータも含めて解析されれば大変ありがたい」と、厚生労働省から見て、まさに“優等生”といったコメントを残した。
それもそのはずで、新木氏は元厚労省の官僚。慶應義塾大学医学部を卒業後、85年に入省。06年に医政局研究開発振興課長、08年に文部科学省高等教育局医学教育課長、11年に社会保険診療報酬支払基金審議役などを務めた。17年から東京医療センター副院長に就き、20年4月に院長に就任していた。
翌18日には、菅義偉首相が同センターを視察。そこには、菅首相をエスコートする新木氏の姿があった。
さて、コロナワクチンをめぐっては、100医療機関約4万人の先行接種に続き、医療従事者470万人(当初予測は370万人)の接種に移る見通しだ。
「オレは“医療従事者”(の枠)なのか?」
周囲の関係者にこんなつぶやきをしているのが、日本医師会の中川俊男会長。数ヵ月前には「国内で一番は菅総理で、二番目は私」などと吹聴していたが、菅首相は医療従事者の後に行われる高齢者(約3600万人)枠で接種する意向。
一方で、中川氏は、医療界で指導的な立場にありながらも、コロナ患者の診察や搬送に関わる医療従事者には該当しない。よって、菅首相と同様に高齢者枠で接種することになりそうだ。