一般的にジェネリック医薬品と言えば、新薬の特許が切れた後に、続々と出てくる新薬と同じ有効成分を持つ医薬品を指す。後発医薬品、後発品とも呼ばれる。開発費が掛からないことなどから、新薬より価格が安く、医療費の抑制にも寄与するとして、国は20年来、インセンティブを設けて使用を推進してきた。【本根優】
話は変わるが、全国に量販店「ドン・キホーテ」を展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは2月1日から系列の店舗で「アレルギー専用鼻炎薬 鼻炎錠『CX』」の販売を開始した。
これは、第2類医薬品のアレルギー薬「アレグラ」(一般名・フエキソフェナジン塩酸塩)のプライベートブランド(PB)品と言える。花粉症シーズンを狙って市場投入してきた。
大手ネット通販が、久光製薬の「アレグラFX」28錠を1200円程度(税込)で販売する中、ドンキは30錠を、税抜798円(税込878円)で販売している。
「驚安の殿堂」を謳い文句にするドンキらしい価格設定で、大手ドラッグストアの関係者らを驚かせている。
同社は「21年中にジェネリックな医薬品の発売を約20アイテム予定しており、今後もお客さまの暮らしに寄り添った商品ラインアップをさらに強化していきます」と意気込む。
ここで言う「ジェネリック」の意味は、前述の医療用医薬品の先発薬に対する後発品とは異なる。OTC薬の世界で、先行するブランドに対し、ドンキ流に価格を落とした戦略商品という意味だ。いわゆる「ジェネリック家電」の文脈に近い。果たして、患者・消費者はドンキが仕掛けるジェネリックにどのような反応を見せるのだろうか。