厚生労働省医政局地域医療計画課は3月19日、「地域医療構想に関するワーキンググループ」(WG、座長=尾形裕也・九州大学名誉教授)の第25回会合を開き、「今後の地域医療構想に係る議論の活性化に資する実態分析等について」と題する資料を示した。(新井裕充)
今回のWGは、公立・公的「424病院」を公表した昨年9月26日以来、約半年ぶりの開催となる。吉田学医政局長は欠席、迫井正深審議官の発言はなかった。
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会議前半の議論に使用した「資料1」(今後の地域医療構想に係る議論の活性化に資する実態分析等)は、表紙を除いて43ページ。
資料の説明や質疑応答を担当したのは、厚労省医政局地域医療計画課の松本晴樹課長補佐。昨年9月以降の動きなど、これまでの経緯を振り返った上で「新たな観点を加えた分析等」について説明し、最終ページで論点(今回議論頂きたい点)を示した。
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松本補佐の説明は、以下のとおり。
- これまでの経緯について
- 高度急性期・急性期 ── 新たな観点を加えた分析等について
- 回復期 ── 新たな観点を加えた分析等について
- 慢性期 ── 新たな観点を加えた分析について
- 地域の実情を踏まえた分析
〇厚労省医政局地域医療計画課・瀧主査
ただいまから、「第25回 地域医療構想に関するワーキンググループ」を開会させていただきます。構成員の皆さま方におかれましては、お忙しい中、ご出席くださいまして誠にありがとうございます。
また、本日は今村構成員(奈良県立医科大学教授)、野原構成員(岩手県保健福祉部長)より、欠席のご連絡をいただいております。
医政局は、公務のため欠席させていただきます。
また、総務省自治財政局準公営企業室から大塚室長にご出席いただいておりますほか、老健局介護保険計画課より佐藤計画官、老健局老人保健課より長江補佐が出席しております。
それでは、議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。
お手元に、議事次第、座席表、構成員名簿のほか、
資料1(今後の地域医療構想に係る議論の活性化に資する実態分析等について)
資料2(重点支援区域の状況について)
参考資料1(今後の地域医療構想に係る議論の活性化に資する実態分析等について)
をお配りしております。資料の不足等がございましたら、事務局までお申し付けください。
それでは、以降の進行は尾形座長にお願いします。なお、プレスの方のカメラ撮りはここまででお願いいたします。
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〇尾形裕也座長(九州大学名誉教授)
おはようございます。
前回が昨年の9月ですので、半年ぶりということでございますが、どうぞよろしくお願いをいたします。
早速、議事に入りたいと思います。
まず第一番目ですが、「今後の地域医療構想に係る議論の活性化に資する実態分析等について」ということで資料が用意されておりますので、まず事務局から説明をお願いいたします。
Contents
これまでの経緯について
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〇厚労省医政局地域医療計画課・松本晴樹課長補佐
おはようございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
資料1をご覧いただければと思います。「今後の地域医療構想に係る議論の活性化に資する実態分析等について」ということでございますが、
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おめくりいただいて、1ページ以降、まずは、これまでの経緯のおさらいを、半年ぶりということもございまして、させていただければと思います。
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まず2ページでございますが、これまでの経緯の確認をさせていただければと思います。
まず、2017年の3月からということですが、
まず地域医療構想、こちら、思い返していただきたいんですが、2017年3月までに全ての都道府県で策定をいただきましたけれども、
これは地域ごとの医療機能ごとの病床の必要量と、それを実現するための施策という形で策定をいただいているというものでございます。
この年にですね、公立・公的の医療機関につきましては、「新公立病院改革プラン」とですね、「公的医療機関等2025プラン」を、策定をいただいているというところでございます。
この2017年のうちにですね、公立・公的医療機関等において、先行してですね、具体的対応方針の策定をするということと、
それを地域医療構想調整会議で合意をいただくというふうな方針が決められまして、2年間の集中的な検討というのを行っていただきました。
「具体的対応方針」というのは、すなわち、2025年における、その構想区域における各医療機関の役割と、果たすべき機能に応じた病床数というふうな形になります。
これを2年間で合意をいただきまして、2019年の3月までにですね、およそ95%程度の公立・公的医療機関で具体的対応方針の合意をですね、いただいたものでございます。
しかしながら、2019年の1月以降、こちらのワーキングにおきまして、この具体的対応方針に関する議論ということで、
特にですね、「議論の活性化がなされていない」というご指摘に基づきまして、
縷々、実績等に基づいた議論をしてきたわけでございますけれども、
3月にですね、急性期機能、高度急性期機能に着目した再検証の基本的フレームワークについて合意をして、
そのあと、4月から9月にかけて分析のロジックについて議論をしてですね、
9月の6日と26日、2回の、こちらのワーキングで「再検証に係る具体的な対応・手法」についてまとめまして、
実績データとですね、暫定版の再検証の対象医療機関というのを公表したものでございます。
以降ですね、10月4日に「国と地方の協議の場」ということで、副大臣級の会合を開催をさせていただき、
以降、地方の意見交換会という形で、医政局の幹部職員と共にですね、地方を回らせていただいて、さまざまな意見交換をさせていただいたところでございます。
そちらでですね、頂いたご指摘等も踏まえまして、
翌、今年の1月17日に医政局長通知で「具体的対応方針の再検証等について」ということを都道府県宛に発出をしまして、
あわせて、都道府県に対して診療実績データの、
都道府県にいったん確認をいただいたものですね、
こちらと、民間医療機関の診療実績データのほうを提供したものでございます。
加えまして、骨太でも、これまで議論してきた「重点支援区域」につきましては、1月31日付けで第1弾の指定を行っているものでございます。
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3ページは、これまでの構想ワーキングでですね、「実現する上での課題」として指摘を頂いたものでございます。
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4ページでございますけれども、これまで3カ年分の骨太の方針をまとめております。
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5ページですけれども、地域医療構想の実現に(向けたさらなる取組について)、
今回の再検証に関する概要をイメージでまとめているものでございます。
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6ページは、昨年の12月でございますけれども、経済財政諮問会議における加藤厚生労働大臣の発言の抜粋でございますけれども、今後の進め方についてでございます。
3行目以降、ございますけれども、「公立・公的の医療機関」、まあ、今回、やったものでございますけども、
今後、4行目ですね、「今年度できるだけ早期に」ということで、3月末までにということですが、
「民間の特性に応じた、新たな観点を加えた分析の検討」を着手するということが書いてございます。
今後、どういうふうに進めていくのかということも、地方ともですね、きっちり意見交換をしていきながら、今年の骨太の方針の策定時期をめどに、プランニングを改めていくということでございます。
こちら、構想ワーキングのほうでは、地域の調整会議の活性化という観点で、今後どういうふうに進めていって、いくべきなのかということでございまして、
こちらの分析をですね、どういうふうに進めていくかということを本日、7ページ以降ですね、観点を整理して、データ分析の概要というものをお示しをしておりますので、
そちら、7ページ以降がですね、今後のお話ということになります。
高度急性期・急性期 ── 新たな観点を加えた分析等について
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それでは7ページからですが、まず「新たな観点を加えた分析」の高度急性期・急性期のところでございますけれども。
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8ページでございます。「課題」の所、2つ丸がございまして、1つ目の丸です。
「公立・公的医療機関等について行った高度急性期・急性期の実績の分析」、こちらですね、9月26日で一段落しているものでございますけれども、
ポツの1つ目にございますように、
これまでの分析の観点っていうのは、2年間の集中的な検討を行った公立・公的医療機関、こちらの役割がですね、「民間医療機関では担えないもの」というのに重点化されているかという観点で、もともと始まった分析でございます。
地域医療の全体像を分析したものではないというのは、成り立ちからして、そうなんですけれども、
特に2つポツがございまして、
手術の一部ですね、5疾病5事業に関連しないようなものですとか、
内科的な診療実績が分析に含まれていないことですとか、
医療機関あたりの分析はしているけれども、病床あたりの分析をしていないので病床規模が小さい所で、「こういうふうな実績がありますよ」っていう所が、なかなかバランスとして見にくいというふうな指摘がございます。
2つ目の丸でございますが、これは地方でもかなり指摘を受けたんですが、今回、人口区分を5群に分けた分析というのを実施していますけれども、
特に人口が減少する地域に着目するというふうなところがないので、
あと、人口100万人以上の所もですね、類似かつ近接というところの、再検証の要請をしてませんけれども、
こういう、人口区分に分けたあとの踏み込みというところが必要ではないかということでございます。
「今回議論頂きたい点」ということでございますが、1つ目の丸にございますように、こういうご指摘を踏まえた分析を実施をするということですね。
これまでですね、公立・公的の分析結果ですとか、あとは民間に関しても分析に資するデータというのを提供しておりますので、
これらを踏まえまして、議論の活性化というのは期待できる、自然に求められるべきところに収斂していくというふうな、あるんですけれども、
地域医療の実態を見渡すことができるような参考情報をですね、調整会議に提供していくということを追加的に行っていってはどうかということでございます。
2つ目の丸にございますように、これらの分析を通じて得られる観点から地域における役割分担がより明確になる場合は、これらの役割に応じた検討が可能となるような論点整理が必要ではないかということがございます。
これは例えばですけれども、「急性期機能」ということで分析を前回、一部切り取って行ったものでございますけれども、
例えば、「民間では担えないような機能」というところで手術等の実績に、前回着目したわけですが、
それ以外のもの、例えば、よくご指摘を頂くのはですね、高齢者、決して手術とかをたくさんやってるわけじゃないんですが、高齢者の救急をたくさん受けているような所が地域にあるとかですね、
内科的な、肺炎とかを重点的に受けてるというようなものがあった場合に、
そういう、少しですね、急性期の中の、それぞれの機能に着目をしてですね、役割分担の議論ができるような論点整理、
こういうものをしていってはどうかというふうなご指摘を受けることもございますので、
そういうふうな論点整理の方向は1つ、考えられるのではないかということです。
3つ目の丸ですが、このように地域医療の実態を改めて公・民問わず、見渡していく中で、将来の体制を考えていくわけですが、
2つポツがありまして、将来の医療需要につきまして、特に人口が減少する地域でどうなっていくのかということを、もう少し踏み込んでお示しをするということと、
これは繰り返しですが、2ポツ目ですね、
内科的な診療実績ですとか、
9月26日の分析に用いてないような手術の見える化
っていうのも行っていくこととしてはどうかということでございます。
最後の丸ですが、これはまとめになりますけれども、これらの情報によって公立・公的医療機関の議論の活性化ということと、
民間医療機関にとっても将来のビジョン、将来の状況っていうのをご覧をいただきまして、
2025年、もしくはその先を見据えたですね、経営判断をきっちりしていただくというふうなことが重要ではないかというふうに考えております。
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9ページはですね、われわれ、地方と意見交換をしていく中で頂いたご指摘ですけれども、まあ、先ほど申し上げたようなご指摘を受けております。
つまり、1つ目の丸にあるように、民間には担えないようなところの実績だけではなくて、いろんな実績があるので、そういうのを見える化してほしいということですとか、
大規模病院有利のものではないかということですね。
2丸目の後半にですね、稼働率の議論、ございます。
ご存知のように地域医療構想の、この9月26日、昨年やった分析というのは経営の分析ではないので、稼働率にあまり着目をしてなかったものでございますけれども、
まあ、実態、今後の患者動向等を踏まえると稼働率も重要だというご指摘は頂いています。
3つ目の丸ですけども、これは説明の仕方について、改めて注意を頂いたものでございます。
4つ目の丸ですね。すでにオンゴーイングの取組に関して、再検証との関係をどういうふうにすればいいか。
これは、もう1つ、9月26日にご議論いただいたのは、逆にですね、まったくもって現状追認のところもございまして、
そういうところが、例えば、診療実績が特に少ない9項目の評価のうち8項目が該当して、今回再検証の対象にはなってないけれども、そういうところをどうすればいいか、みたいな議論もありましたけれども、
このような指摘も地方で受けているということでございます。
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10ページは参考でございますけれども、各人口区分ごとですね、左は100万人で右下は人口10万人未満の、それぞれの構想区域ごとに、全国的なですね、公・民の比率をご覧いただいていますけれども、
やはり人口100万人の区域とかに行きますと、やはり救急ですとか分娩に関しては半数近くが民間によって提供されているなど、
やはり、人口区分、地域の実情によって、かなり公・民の役割分担というのが異なってまいりますので、
こういうのに着目をしてですね、今後どうふうにしたらいいかってことも考える必要があるのかなあということでございます。
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11ページから14ページまでは、同じような観点で分析をしておりますけれども、例えば11ページ、ご覧いただければと思います。
これはですね、縦軸が病床あたりの実績の件数、横軸がその医療機関の実績件数ということになっていて、ドット1つひとつは、1つひとつの医療機関を表しております。
これは病床機能報告から採ったデータになりますが。
要は、おおむねですね、傾向としましては、病床あたりの件数、縦軸上、同じような値を取って右側に進んでいくものなんですけれども、
左上の象限と言いますか、ゾーンにですね、やはり1個1個の施設あたりの件数は大きくないけれども、1床あたりの件数で見ると大きいというグループがあります。
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これは12ページの小児の入院管理ですとか、
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13ページの分娩、
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14ページのハイリスク分娩管理加算でも同じような傾向があるんですけども、
大きな流れとしましては、病床あたりの件数は、件数が多い所も少ない所でも変わらない。
つまり、件数が多い所というのは、単に病床数が多い病棟であるという傾向がある一方で、
この回帰線ですね。こちらの点々というのは全体を代表する回帰線になりますけれども、この上側にですね、飛び出てる所、どの技術を見てもございまして、
こちらは1床あたりの件数が平均よりも大きいようなグループということで、
ご指摘を頂いたように、小規模ながら密度を高くやってるという所がございまして、
こういうところ、地域の実情によっていろんな役割があると思うんですけれども、
こういうところに着目をして役割を考えてもらおうか、ということは重要ではないかということで、
本日、キックオフでございますので、こういうところも着目して、今後やっていってはどうかというご紹介です。
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15ページをご覧いただきたいんですが。
15ページですけれども、こちら、今回ですね、分析結果を公表したあと、かなり、この地理的な要件ですとか距離に関して、ご指摘を頂いているところです。
よく、国会とかでも指摘をされたのは、「20分以内」っていうのがですね、「長すぎる」というふうなご指摘を、どちらかというと非医療者から頂く一方で、
医療関係者からはですね、むしろ、がんのように2時間ぐらいかけてですね、医療機関が、実態として集積されているようなところもある中で、20分というのは近すぎる観点、というのも、もちろん指摘があります。
ということで、これは両論、指摘がございます。
15ページの資料というのは、医療機関同士の距離を見たときに、そもそも今回、基準としては「20分以内」に、ほかにですね、「急性期」と報告をしている病床が1床以上ある医療機関があるのかないのか、という観点でまとめたものになります。
1つ目の丸をご覧いただきたいんですが、
今回、分析対象となりました高度急性期または急性期で1床以上、病床機能で報告をしている医療機関。
こちら、公・民合わせて4,600ございますけれども、
20分以内にですね、ほかに「急性期」と報告した医療機関が存在しない医療機関というのは6%しかないというふうな実情でございまして、
これを仮に場合の「40分」ということにしますと、1%程度でございます。
こうなると、
まあ、もちろん、そもそも医療機関でカバーされていない地域というのが日本にはございますので、
そちらのカバレッジ、どうするかっていう議論ももちろんございますが、
医療機関が既にある地域同士の比較ということで申し上げると、かなりですね、医療機関1つひとつにとっては近隣に医療機関があるという状況、
もちろん、これは臓器別の分析をしていないので、そういう観点というのは追加をする必要があるんですけれども、
「急性期医療機関」っていう観点で見ると、かなり近い所にあるという状況でございます。
2つ目の丸ですが、さらに今回、再検証の対象となったところに着目をしてさらに分析をいたしますと、
2丸目ですね、今回、9つの領域全てで診療実績が特に少ないとされて再検証の対象となった医療機関のうちですね、
20分以内に他の急性期医療機関が存在しない医療機関っていうのは約74程度ということでございます。
そのうち「40分」ということで考えると、12医療機関しかないということでございますので、
今回ですね、「地域の実情を勘案していない」というご指摘を、ほうぼうから受けてはいるんですけども、
一方で、もちろんですね、診療所レベルとか、そういうことになると「20分」というのはそれなりの距離になってまいりますけれども、
政策医療、地域の命を守る医療ですね。脳卒中ですとか、心筋梗塞を含めた医療っていうことになってくるとですね、
この20分、40分っていう距離は、専門家の先生方の話を聞くと、結構こう、長すぎる値ではないというふうなご指摘も頂きますので、
その中で、12医療機関、74医療機関というのをどう考えるかというふうなことが1つ、分かってきたので、こちらに提示をさせていただいております。
急性期・高度急性期に関しては、基本的に議論の活性化が期待されるというふうな中で、どういうものを出すかっていうことで、以上のような観点をお示しをしましたが、
今日からですね、何回かのワーキングでですね、この辺を深めていきたいなというふうに考えています。
回復期 ── 新たな観点を加えた分析等について
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17ページ以降でございますけれども、回復期のお話です。
9月26日までの議論では、急性期・高度急性期に主に着目してまいりましたが、
回復期に関しても、2025年ということを考えると整理が必要だという声を頂いております。
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17ページをご覧いただきたいんですけれども、そもそも平成26年に始まった病床機能報告、
「回復期」というのはどういう記載だったか、ということをおさらいをしたいと思います。
2つございますが、2ポツ目は内数というか、「特に」なので、回復期機能というのは1ポツのことです、と書いてあります。
急性期を経過した患者に対して、在宅復帰に向けた医療を提供する、または、
リハビリテーションを提供するという機能でございます。
そのうちですね、特に、特出しをされているのは、急性期を経過した脳血管疾患や大腿骨骨折等の患者に対して回復期リハビリテーションを集中的に提供する機能ということが特出しをされております。
一度、構想ワーキングでは回復期のデータというのをお示しをしたことがありますが、その時も議論をいただいたんですが、
18ページ以降、課題と論点整理をいたしております。
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18ページの1丸目ですけれども、これは現場の先生方から、よくご指摘を頂くんですが、
「回復期」っていう所に入っている、「回復期リハビリテーション機能」ですね、これは特出しをされてますけども、
それと、「それ以外の機能」というのを比較をいたしますと、
患者の病状ですとか、
流入経路、
そもそも提供している医療っていうのは、
かなり異なるんじゃないかということをご指摘を頂いております。
1つ目の丸ですが、回復期機能は民間が主に担うというふうなことは考えられますけれども、
構想区域によっては、公立・公的が担わざるを得ない場合がございまして、
一方でですね、都市部等ですね、民でも十分に回復期が担えるような所でも、公的医療機関が地域包括ケア病棟を申請するなどしてですね、
まあ、そこは、ちょっと違うんじゃないかっていうご指摘も、このワーキングで何度もご指摘を頂きましたが、
そういうのも含めて、地域における公・民の競合状況を含めて現状を明らかにしていくべきではないかということでございます。
突っ込んで書きますと、下の2つに行くんですけれども、1つ目の丸ですね。
回復期機能に含まれる医療機能、これは今までセットでやってきましたけども、いかがでしょうかと。
例えば、「回リハ」と「それ以外」は分けて分析をするということですね。
回復期リハビリテーションと、
在宅復帰に向けた医療、いわゆる地域包括ケア「的」な医療、というふうに言い換えられるかもしれませんけれども、
そういうものは、かなり異質なものではないかと。
すぐさま病床機能報告を分けるという議論とは思いませんけれども、
例えば、2行目以降ですね。算定している入院料に着目をして、「回リハ」と「それ以外」を分けて中身を見ていくということと、
それぞれで、公・民の役割分担状況を見える化していくということではどうか、ということでございます。
今後、具体例の検討もしていきたいと思うんですが、最後の丸ですけども、かなりですね、回復期に関して公・民の担い方というのは差がございますので、これは考慮していく必要があるということでございます。
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19ページをご覧いただきたいんですが、これはまさに以前、うちのワーキングで回復期の話をした時のものなんですけれども。
これは、病床機能報告で「回復期」と報告した病棟の分布を見たものです。
公・民の比率が分かるようにカラーにしてありまして、65歳以上の人口10万対で多い順に構想区域単位で並べたものになりますが。
ひじょーーに、差が大きい。
ということがお分かりになるかと思います。
左側でいきますと、人口10万対でですね、2万床以上ある構想区域がある一方で、
1,000床にも満たないですね、中央値は400床です。
ということで、かなり差がございますし、この緑の所がですね、一定しないところからも、
そもそも、公との役割分担に関しては一定の傾向が見受けられない。マクロではですね、という状況でございます。
これ、分布、公・民の役割分担比、よく分からないので、20ページに分布表を作りましたけれども。
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民間医療機関が担う回復期の、報告した病棟の病床数の割合ですが、
全国見ると、中央値が70%程度ということで、やはり民が主に担ってるんですけども、
上限ですね、9割ぐらいの構想区域もあるということで、これは9割から4割5分ぐらいが大勢ということになりますが、かなり幅が広い。
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19ページの表と見比べていただくと、そもそもの病床数の状況もかなり異なるということなので、
こちらを整理をしていく必要があるということです。
一説ですけれども、やはり「急性期」と報告している病棟の中で、回復期的な役割を担っている所というのもあるというご指摘も頂きますので、
その急性期の中とのセットの分析っていうのがないとですね、これは回復期が本当に足りないのかどうかということは分からないということになりますので、
そこをどう議論していくかということでございます。
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21ページ以降は、先ほど申し上げたように、
回復期リハビリテーションの状況と、
地域包括ケア的な医療の状況
というのを、どういうふうに見ていくかということで、21ページは入院料に着目をしたものでございますけれども、
現状、少し古いんですが、29年の病床機能報告で「回復期」と報告した病棟については、
かなりの部分が「回復期リハビリテーション病棟入院料」ということで、その半分弱が地域包括ケア病棟の関係。で、1割程度が13対1や15対1ということになっております。
これは入院料ごとに見てみますと、22ページをご覧いただきたいんですが。
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地域包括ケア病棟入院料につきましては、1対3程度の割合になっていて、回復期が多いということでございます。
2つ目、回復期リハビリテーション病棟入院料をご覧いただきますと、ほとんど回復期で出していると。報告を出しているということです。
13対1、15対1ですが、こちらはですね、逆に、ほぼ、かなりの部分が急性期で出している一方で、
回復期と慢性期が同程度。慢性期のほうがやや多いというふうな状況もございますので、
基本料ということもあって、かなり分布が異なるというふうな状況でございます。
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医療の中身という観点では23ページをご覧いただきたいんですが、
リハビリの提供単位につきましては、回復期リハビリテーションのほうが、ほかの地域包括ケアの系統ですとか13対1、15対1よりもさらに大きいという状況でございます。
13対1と地域包括ケア病棟入院料等を比較すると、あまり差がないというふうな、
地域包括ケアのほうが、よりコンパクトな分布になってますけども、あまり差がないというふうな状況です。
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一方、24ページをご覧いただきたいんですが、これは同じように、「回復期」と報告した病棟の中で、
「予定外の入院患者」の割合はどれぐらいかというものでございますが、
その性質からも分かるように、回復期リハビリテーションは予定外の入院というのはほとんどございません。
一方、地域包括ケアの状態と、13対1・15対1を比べますと、予定外の入院というのは相当、幅がある中で、
13対1・15対1もですね、相当程度、予定外の入院を受けていただいているということで、
13対1・15対1もですね、いわゆる回復期の中で、地域包括ケア並みの役割を果たしている所というのもかなりある、
ということが分かってくるということでございまして、
これらに、ちゃんと配慮した、というか、よく理解をした上で分析をしていく必要があるということでございます。
慢性期 ── 新たな観点を加えた分析について
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26ページでございますが、
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慢性期の議論でございますけれども、
例えば、介護保険施設等への転換に着目をいたしますと、29年の病床機能報告では5%が「転換の予定あり」ということになっております。
「課題」としましては、こちらの転換、「必要に応じて推進していくべきもの」というふうに考えていますが、
どういう要因によって進んだり、阻害されたり、ということがあるのかということを老健局とも相談しながら、よくモニタリングをして、阻害要因については取り除いていく、必要に応じて取り除いていくということが必要ではないかというふうに考えております。
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状況ですけども、27ページでございますが、介護医療院の推移になりますけれども、
順調に増加をしておりまして、「床数」、まあ、「病床」という言葉は使えないで「療養床」ということで書いてますが、
見ると、2万床弱の実績になっているということでございます。
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少し時点が古いんですけども、28ページに、おととしのワーキングで出した資料ですけれども、
やはり転換先としては、全体、介護医療院が多いということで、
2年前の、まあ、2年半前と言いますか、の調査では、1万6千床ぐらいが既に転換の予定と。「6年以内に」ということを言っていた状況下、
27ページに戻っていただくと、令和元年12月現在で、既にそれを上回る1万9千床あまりのですね、転換が行われているということでございます。
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29ページ、30ページは地域ごとの状況ということで、31ページもそうですね。
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ということでございます。
地域の実情を踏まえた分析
32ページ以降ですが、33ページ。
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これは厚労省の資料でもよく使わせていただいている、地域で人口のピーク、異なりますよというデータでございます。
またに地域の実情でございまして、地域医療構想がなぜ地域ごとに行われているかということを端的に表したものでございますが、
関東ですとか近畿、福岡周辺等で、人口のですね、高齢化のピークというのが、団塊の世代ジュニアが高齢化する2045年程度である一方で、
東北ですとか山陰のほうですね、においては、既に高齢化のピークを迎えている所もあるということで、今後、必要な対策というのは異なってまいります。
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34ページは、それを全国マクロにしたものでございますけれども、
人口区分ごとに、もう少し子細に見てみますと、35ページをご覧いただきたいんですが。
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今回の地域医療構想、9月26日の分析では人口区分を5群に分けまして分析をしていますが、
これが2040年までに、どのような人口減少率を呈するかというものでございます。
「人口区分1」をご覧いただきますと、3割程度が人口が増加する所で、ほとんどが、人口が減少するといっても1割程度におさまっている一方で、
「人口区分3」よりも人口区分が少ないような所につきましては、ほぼ人口が減少するゾーン。
しかも、2割以上、今後人口が減少していくということが見えておりまして、
地域医療構想でお示しをしているですね、人口の将来推計というのは2025年止まりになっておりますので、
もう少し長期のですね、ものを見据えた分析というのを提示する必要があるのではないか。
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36ページ、37ページを、38ページの一部、かかってますが、ご覧をいただきますと、
今後、人口が減少する構想区域を、構想区域の名称と共にお示しをしておりますが、
例えば、36ページはですね、ほとんど人口が減らない所。首都圏もしくは各県の県庁所在地という所が見受けられますが、
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37ページ以降をご覧いただきますと、特にですね、人口が3割以上減少するような所をご覧いただくとですね、
ほとんどが人口区分が3より4、
3・4・5ということで、現在、人口が少ない所がさらに大幅に減少していくということで、
これは医療提供体制を大幅に見直していかないとですね、
まあ……。
団塊の世代が高齢化する需要を受け止めましょうというのが地域医療構想の1つのコンセプトですが、
その後、どういうふうに人口減少と向き合って提供体制をキープしていくかというさらに大きなテーマがですね、こちらから見えてくるということで、
どういうふうに地域に投げかけを行えばですね、経営判断、地域の医療の持続可能性の判断というのを、していただけるか、
ということを先生方には、ぜひ、ご議論いただきたいと思っております。
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39ページ以降をご覧になると分かるんですけれども、
39ページ、既にですね、「人口1,000人あたりの許可病床数」を見ますと、人口区分の4・5で大きくなっておりまして、
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40ページ、ご覧いただければですね、急性期・慢性期で、その傾向が顕著です。
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おめくりをいただいて41ページ、42ページですが、稼働率を見ると逆になってるんですね。
これを、42ページ、ご覧いただければと思いますけれども、
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特に、慢性期ですとか急性期では、そのような傾向が見受けられます。
高度急性期もそうなんですけれども。
つまり、既にですね、病床と稼働のギャップというのは地方においてかなり大きくなっていて、
これはまあ、もちろん、許可病床数と稼働率しか見てないんですが、
提供体制上の効率化ですとか、体制強化、集約化っていうのも人口区分ごとに分けて考えていかないと、
議論のスピードが全然違うということが垣間見えるわけですので、
どうやってですね、地域に投げかけを行って、自主的な収斂というのをですね、適切にサポートしていくかということが非常に重要になってくるのかなというふうに考えております。
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43ページにまとめをしていますが、
人口の少ない区域等でどうするか。
今回、ご議論いただきたい点としては、どうか、まず体制としてどう考えるのか。
さらに踏み込んで、どういうふうにこう、地域に伝えていくのかということでございます。
一方で、人口100万人以上の区域に関しては現在、宿題になっておりますけれども、
こういう所で全く違う議論になりますけれども、どういうふうにしていくかということを考える必要があるということでございます。
今後、どういうふうに議論を進めていくのかということについて、ご議論を賜れればというふうに考えております。以上でございます。
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〇尾形裕也座長(九州大学名誉教授)
はい、ありがとうございました。
ただいま、ご説明があった「資料1」ですが、全体が2つに分かれていて、
病床機能別に新たな観点を加えた分析というのと、それから、
地域の実情を踏まえた分析
というふうになっておりますが、
相互に関連いたしますので、特にパートを分けずに一括して議論を行いたいと思います。
できれば、前のほうからご議論をいただければと思いますが。
特に、「今回議論頂きたい点」というのが示されておりますので、こういった論点も踏まえて、ご発言をいただければ幸いでございます。
それでは、ご質問、ご意見をお願いいたします。
本多構成員、どうぞ。
(後略)