「新型コロナウイルス感染症対策としてのオンライン診療について」(説明全文)

厚労省医政局医事課・加藤琢真室長_20200311_オンライン診療検討会

 厚生労働省医政局医事課は3月11日、「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」(座長=山本隆一・医療情報システム開発センター理事長)の第8回会合を開催し、「新型コロナウイルス感染症対策としてのオンライン診療について」と題する資料を示した。(新井裕充)

 この検討会は、オンライン診療による不適切な事例に対応するため2019年1月に設置され、指針の見直し案やQ&Aなどを同年6月にまとめていったん終了した。今回は、新型コロナウイルスに対応するため、急きょ開催されることになった。

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20200311_オンライン診療検討会
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 厚労省は同日の検討会に「新型コロナウイルス感染症対策としてのオンライン診療について」と題する資料を提示。「初診は対面診療」という原則を確認した上で、「かかりつけ医等の定期受診患者が既に診断されている疾患」の場合について対応案を示した。

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 厚労省はまた、「新型コロナウイルス患者が無症候・軽症であった場合の在宅のオンライン診療(案)」を提示。新型コロナウイルスの感染者が軽症のため自宅で経過観察を行う場合、単に自宅待機を指示するよりも、オンライン診療などを実施することが「感染拡大のリスクを軽減させ、患者の状態の変化に迅速に対応できるとともに、患者の安心感につながる」との考えを示した。

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 厚労省担当者の説明は以下のとおり。

〇厚労省医政局医事課・加藤琢真室長
 それでは定刻になりましたので、ただいまから「第8回 オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」を開催いたします。
 
 構成員の皆さまにおかれましては平素よりオンライン診療について、また医療行政全般にわたり格別のご指導、ご支援を賜り、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
 
 また、ご多忙の中、急きょ本日ご参集いただきましたことにつきましても改めて厚く御礼申し上げます。
 
 まず構成員の欠席等についてですが、本日、大道構成員(日本病院会副会長)からは所用により、ご欠席の連絡を頂いております。
 
 また、本日の会議に参考人として国際医療福祉大学・加藤康幸・感染症学教授、また国立国際医療研究センター・大曲貴夫・国際感染症センター長をお招きすることにつきまして、構成員の皆さまにもご同意いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 はい。それでは、今回、参考人としてご参加いただくことにしたいと思います。
 
 また、総務省(情報流通行政局情報流通振興課)情報流通高度化推進室の澤谷課長補佐。
 
 また、遅れられておりますけれども、経済産業省大臣官房参事官の西川参事官にも本日ご参加いただく予定となっております。
 
 それでは、マスコミの方の撮影はここまでとさせていただきます。
  
 まず資料の確認をさせていただきたいと思いますので、皆さま、タブレットをご確認いただければと思います。
 
 本日もペーパーレスとして進めさせていただきたいと思いますが、お手元のタブレットには、「資料0」として、議事次第と座席表。
 
 そして「資料1」(新型コロナウイルス感染症対策としてのオンライン診療について)、本日のご議論いただく資料になります。
 
 参考資料は、1( オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会開催要綱)
 2(オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会構成員名簿)。
 
 そして、「参考資料3─1」(オンライン診療の適切な実施に関する指針)、
 「3─2」(「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に関するQ&A)とございます。
 
 そして、今般発出しました通知に関して「参考資料4」(「新型コロナウイルス感染症患者の増加に際しての電話や情報通信機器を用いた診療や処方箋の取扱いについて」(令和2年2月28日付け厚生労働省医政局医事課及び医薬・生活衛生局総務課事務連絡)として、お示ししています。
 
 「参考資料5」は、「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」ということで、政府の基本方針をお示ししています。
 
 「参考資料6」(新型コロナウイルス感染症診療の手引き第1版)と
 「(参考資料)7」(新型コロナウイルス感染症対策専門家会議「新型コロナウイルス感染症対策の見解」2020年3月9日)に関しましては、加藤参考人より、ご提供いただいている資料になりますので、併せてご参考ください。
 
 カメラ撮りはここまでで。
 
 それでは、以降の議事運営につきましては、山本座長にお願いさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
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〇山本隆一座長(医療情報システム開発センター理事長)
 はい。本日は、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた議論をいただくために、大変、急ではございましたけれども、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 
 それでは早速、議事を進めてまいりたいと思います。本日の議題は「新型コロナウイルス感染症対策としてのオンライン診療について」です。
 
 まずは「資料1」、新型コロナウイルス感染症対策としてのオンライン診療について、事務局から説明をお願いいたします。
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〇厚労省医政局医事課・加藤琢真室長
 はい。それではご説明させていただきます。「資料1」をご覧ください。
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 まず2ページ目になりますけれども、今般、これだけ新型コロナウイルスの感染の拡大が実際、日本においても起きておりますけれども、
 
 まず、このオンライン診療に関して、どのように活用し得るか、ご検討いただくにあたって、まず原理・原則、これまでの指針においてですね、どのように、この「急病急変患者」に関しては記載されていたのか、というところから確認させていただきたいと思います。
 
 2ページ目をご覧いただきますと、赤字にございますとおり、オンライン診療の指針の記載はですね、「急病急変患者については、原則として直接の対面による診療を行うこと」としておりました。
 
 このⅣになりますけども、この「ⅱ」および「ⅲ」の例外として、太字にありますとおり、
 
 「患者がすぐに適切な医療を受けられない状況にある場合などにおいて、患者のために速やかにオンライン診療による診療を行う必要性が認められるときは、オンライン診療を行う必要性・有効性とそのリスクを踏まえた上で、医師の判断の下、初診であってもオンライン診療を行うことは許容され得る。」
 
 という記載がございました。
 
 これが、下のボックスにありますとおり、 
 今般の新型コロナウイルスの感染拡大において、どのように考えられるのか、 
 というところに関して、まさしく本日ご議論いただきたいところではございますけれども、
 
 患者がすぐに適切な医療を受けられない状況にあると言えるかどうか。 
 患者のために速やかにオンライン診療による診療を行う必要性が認められるかどうか。 
 そして、その「必要性・有効性」と、また、それに伴うリスクを踏まえた上で、どうか。
 
 ということを本日、ご議論いただければ、というふうに思っております。
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 3ページ目、4ページ目におきましては、この規定が初診においての規定でございますので、「初診」の定義を前回ですね、明記しておりますので、こちらはご参照いただければというふうに思います。
 
 あくまで、やはりオンライン診療は問診と視診に限られるというようなところが、やはりその、診断を混乱させている、視診や問診による診察のみでは診断が困難だということが、この会でも確認されたところでございます。
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 1枚飛ばしまして、5ページ目をご覧いただければと思います。
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 緑の枠でくくられてます「新型コロナウイルスの感染拡大に応じたオンライン診療の論点」ということで。
 
 これだけ感染症、広まっておりますので、われわれ厚生労働省としましても、「現状で実施可能な医療サービス」として、
 
 この1つ目のポツにございますとおり、慢性疾患等を有する定期受診患者等について、かかりつけ医等の判断で、継続処方されていた慢性疾患治療薬を電話や情報通信機器を用いた診療で処方することに関しまして、先月の28日で事務連絡で通知したところでございます。
 
 また、同事務連絡におきましては、オンライン受診勧奨を用いることに関しても記載させていただいております。
 
 ここまで厚生労働省として対応してきたわけではございますが、今般、この感染拡大防止の観点から、さまざまなオンライン診療の活用については、さまざまな場で、ご提案、ご意見、頂いているところでございます。
 
 これに関しまして左側、具体的な提案内容を記載させていただいておりまして、右側に、これまでの検討会での議論を踏まえた上で、どのように判断されるのかということ、「案」をお示ししています。
 
 まず一番上にございますとおり、「継続した発熱等、新型コロナウイルス感染の疑いがある患者の治療」ということがございますけれども、
 
 これに関しましては、新型コロナウイルスの診断、治療というのはオンライン診療では困難であろうと。
 
 また、治療薬ができた場合においても、検査精度や他の疾患を見逃すリスク、副作用のリスク等々の課題があるということは明記させていただいております。
 
 2つ目に、「軽度の発熱、上気道症状、腹痛、頭痛等」とございますけれども、
 
 ご存知のとおり、新型コロナウイルスが疑われる場合、4日間を目安に自宅での療養も勧められている場面もあることからですね、このような初期対応に関してオンライン診療で行ったらどうかというようなご提案もございました。
 
 そういった場合におきましても、右側にございますとおり、問診と視診に限定されていることから、正しい診断や、
 
 また、重症度の評価がやはりオンライン診療では非常に難しいですので、
 
 そういった困難な状況の中で対応することをどう考えるのか、というようなことを記載させていただいております。
 
 そして、もう既に事務連絡でも一部、これまで処方されていた薬に関しては処方、電話等や情報通信機器で処方できるという内容は記載しておりますけれども、
 
 既に診断されている「慢性疾患を有する定期受診患者の血圧上昇等」と書いてありますが、
 
 一定の症状の変化に関しましても、これに関しては今般の感染のリスクを踏まえて、基礎疾患のリスクを把握しているかかりつけ医が病状の変化へ対応すると。
 
 情報通信機器などを使って対応するということを考えてはどうかということで記載させていただいております。
 
 これまで、この3つについて触れておりますけれども、
 考え方としましては、下の緑の枠にございますとおり、
 
 「対面診療を行わないことによる重症化や見逃しのリスク」と、そして、
 「対面診療を行うことによる感染拡大のリスク」
 
 との比較考量なのではないか、ということでまとめさせていただいております。
 
 主に、この3つが、これまで厚労省のほうに寄せられたご意見等でございますけれども、
 
 それに加えて、いくつか今回、検討会を持つにあたり、事務局からご提案させていただいておりますので、続けて説明させていただきたいと思います。
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 6ページ目になりますけれども、こちらは今般の新型コロナウイルスの感染者の累計患者数が徐々に増えていっているところをお示ししております。
 
 これ、右側が累計患者数の値でございますけれども、それに伴い相談件数も一定程度こう、増加しているものの、これに関する評価は難しいわけではございますけれども、
 
 「なかなか相談が困難だ」というような声も届いてるところではございます。
 
 こういった、「さまざまなニーズがある中で、どのような対応をし得るか」ということは検討する必要はあるかと思いますけれども、7ページ目にございますとおりですね、
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 まあ、これに関しましては、一定の発熱、上気道症状を有している方、患者さんをですね、想定しておりますけれども、
 
 相談件数が横ばいだという状況もございますので、「オンライン受診勧奨」をより有効に活用することを検討したらどうかということで、
 
 これまで、「帰国者・接触者相談センター」にまず相談する、あるいは、状態が、一定程度の症状がある場合はかかりつけ医や一般の医療機関に受診するというルートがございましたけれども、
 
 感染のリスク等々を考えた上で、「電話相談」や「オンライン受診勧奨」という、このルートをですね、検討したらどうかということを1つ、ご提案させていただいております。
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 続きまして、8ページ目にございますが、

 「慢性疾患を有する定期受診患者の病状の変化への対応について」ということで、

 先ほども申し上げましたとおり、2月28日の事務連絡におきまして、電話や情報通信機器を用いてですね、医師が、これまでの慢性疾患治療薬の処方を、
 
 基本的には「これまでも」というふうに記載されてますので、同じものを想定していますが、
 
 処方したらどうかというようなことを事務連絡では記載させていただいております。
 
 これに対してですね、これまで、このオンライン診療で処方し得る範囲に関しましては、この指針の記載の太字にございますとおり、
 
 「在宅診療、離島やへき地等、速やかな受診が困難である患者に対して、発症が容易に予測される症状の変化に医薬品を処方することは、その旨を対象疾患名とともにあらかじめ診療計画に記載している場合に限り、認められる」

 ということで、そのシチュエーションと、その方法に関して一定程度の限定が加わっていたわけではございますが、 
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 今回、9ページにございますとおり、事務局提案としましては、
 「当該患者に対して処方されていた慢性疾患治療薬を処方」というふうに事務連絡で記載していたのに加えてですね、
 
 「新型コロナウイルスの感染拡大の状況を踏まえた必要性や有効性を考慮した上で、同一の疾患による病状に変化が生じた場合」
 
 ここは例示として、血圧の上昇というふうに記載しておりますけれども、
 
 「電話による診療や情報通信機器を用いた診療で新たな医薬品の処方を可能としてはどうか」ということで、
 
 これまで同じものしか処方できなかったところを、一定程度、かかりつけ医だとか、状況を把握している医師においてはですね、
 
 少し、この症状の変化に対して、既に診断されている疾患に関してですが、新たな医薬品の処方というものを認めてはどうかということで事務局提案をさせていただいております。
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 最後に、10ページ目になりますけれども、現在、ご存知のとおり、新型コロナウイルス感染症が診断された場合においては、基本的には入院診療で経過を見ていると。軽症であっても入院している状況ではございます。
 
 ただ、これまで専門家会合でも触れられたことはございますが、医療機関で診断したあとに、(診断)されたあとに、自宅療養をしなければならないというような状況が今後生じることは予測されますので、
 
 そういった場合において、無症候、軽症の患者に対してですね、自宅での療養中に電話や情報通信機器による相談や診療を用いることで在宅での経過観察を実施することとしてはどうかということを今回、ご提案させていただいております。
 
 どのような患者がその対象になるのかどうかということに関しては、恐らく専門家の会合だとか、そういった知見のある方たちの中で議論されることかと思いますが、
 
 仮に、自宅で療養するということになった場合に、こういったオンライン診療が活用できないかということを今回、ご提案させていただいております。
 
 資料の説明は以上になります。
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〇山本隆一座長(医療情報システム開発センター理事長)
 はい、ありがとうございました。
 
 それでは、まずは参考人として、いらっしゃっていただいております大曲先生、加藤先生に、今までの事務局からの説明を踏まえて、ご意見を賜りたいと思います。
 
 大曲先生から、お願いできますでしょうか。

 (後略)

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 ▼ 同検討会の開催案内で厚労省は「新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、本検討会は一般傍聴を設けず、報道関係者のみ(原則1社につき1名のみ)傍聴受付をいたします」と告知した。そのため、会場はガラガラだろうと予想したのだが、傍聴席はほとんど寿司詰め状態の密閉空間で約2時間にわたり開かれた。会議開始から約1時間が経過した15時16分、会場の職員が窓を2つ空けて換気したが、15時26分に再び窓を閉めた。晴天のため室内は蒸し暑く、上着を脱ぐ姿もあった。
 今回の会合では、新型コロナウイルスに対応するためオンライン診療を大幅に拡大する案を示すのかと思ったのだが、どうもそうではないらしい。
 意見交換では、政府の「未来投資会議」のメンバーがオンライン診療の活用を声高らかに主張。「生まれ変わるチャンス」などと岩盤規制の撤廃を訴えたが、日本医師会幹部と医療関係者、厚労省の強力なタッグがこれを阻み、鉄壁の防御を見せた。

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